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23話 束の間の休息

[プリケン一族の休暇3日目]


 今日は一日中休む事にした。魔王になってからほとんど休んで無かったからな。さてと、思いっきり羽を伸ばすぞ〜! でもやる事ないなぁ......。そうだ! せっかくだから彼女探しでもしてみようかな? そろそろいろいろヤ......。アハハハハ! 何処かに出会いないかなぁ? 朝食食べてから探してみるか!


「プリケン! 朝食はまだ?」


「女怖い。女怖い。女怖い。女怖い。女怖い。女怖い。女怖い。女怖い」


 そういえば、プリケンはルチアさんにボコボコに打ちのめされてからこんな調子なんだった。一体、何をどうしたらこのクソイキリプリケンがこんな風になるんだ?


「おいおい......大丈夫か? そうだ! お前には一日特別休暇をやろう!」


「女怖い。女怖い。女怖い。女怖い。女怖い。女怖い。女怖い。女怖い」


 ダメだ。壊れたラジコン化してる。さっきから(女怖い)としか言わない。語尾に変な(でそ)とかつけないとか、相当心に深い傷を負ったんだなぁ......


 まあ、プリケンだしなんとかなるでしょ。そんなことより、厨二野郎の件どうしようかな......そもそも魔族皆殺しとか本当にあの勇者は実行するのだろうか? 初対面のとき、あの子供から殺意とか感じなかったからなぁ......


 まあ、それは明日に回そう。彼女探しも一旦保留してもいいだろう。ふう......朝起きたばっかりだけどまた眠くなってきた.....


[パリーン]


 なんだよ。また誰かが窓を壊して入ってきたのか? 頼むから一回玄関から入るのを覚えてくれ!


「魔王様、入るよ?」


 ルチアか.....


「なぁ.....なんでこの窓から入ってくるんだ? 後、魔王様じゃなくてクリスでいいよ。魔王様と呼ばれるとなんか身体中をかきむしりたくなる」


「窓? 窓を壊すのが快感とか.....クセになって....」


「快感?」


 快感だと? そんな理由で毎回窓を壊されたらこっちが持たないんだけど。この窓結構高いんだぞ!


「そんなことより! 私が今日ここに来たのには理由があってね」


 露骨に話題逸らされた気がする。


「この私、ルチアはしばらくの間魔王城に居候します!」


「.......は?」


 居候だと? 魔王城に?


「よろしくね!」


「待て待て! なんで!? 魔王城に居候しにいくとか前代未聞だよ!?」


「ちょっと聞いて! あのびっくり生物に私の家をめちゃくちゃにされたのは昨日話したよね。私の部下達が必死に直してくれているんだけどあの家、あの損傷じゃあとてもじゃないけど住めない。という理由でしばらく私の寝床が無いのよ」


「いや、宿取って寝泊りでよくない?」


「か弱い女の子を1人にさせる気! 最低ね!」


「ええ.....」


 か弱い女の子? それは冗談で言っているのか? くたばったプリケンをまるで武器みたいに軽々と担いで、しかもその状態のまま魔王城の窓を(さっ)(そう)と突き破っていく君の姿は、か弱いとは程遠い存在だと私は思うのだが.....


「魔王城って無駄に広いじゃない? クリス....さんとあのびっくり生物しかいないなら、私1人ぐらい住んでもいいと思うの」


 確かに魔王城は無駄に広い。ここに来て2週間ぐらい経つが、まだ自分でも魔王城の全貌は把握してないくらいに....


「別にいいけどさ....居候するならちゃんと働いてもらうよ」


「ありがとう! 私、魔王城の下で寝ることが一つの夢だったから.....」


「そうか、おめでとさん」


ハワワ....また眠くなってきた....


「そうと決まれば! なんでもやっちゃうよ! それで私はどうすればいいの?」


「魔王城の警備を頼んだ。私はもう寝る」


「あっ.....そう」


 朝ぶりの布団、ベッド! また頼んだ....ZZZ....



「.....え? これだけ?」


「女怖い。女怖い。女怖い。女怖い。女怖い。女怖い。女怖い。女怖い」


◇◇◇◇◇◇

次回に続く

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