20話 厨二病の相手は辛いよ......
「では殿下、プリケン一族でギャンブルやバカンスやらに行ってまいります」
前日から妙に生き生きとしていたからなんだと思っていた自分の頬を引っ張ってやりたい。プリケンさんよ、休日にやることってギャンブルかよ......相変わらず君達はブレないねぇ......
「おうおう、勝手に行っとけ」
「今日は同胞は居ませんが、明日からは同胞が1人待機しているので困ったらその同胞に頼ってくだされ」
「いや、多分頼る場面は無いと思う」
「それでは! ギャンブルで勝ちまくるでそぉおお!」
[プリケン一族の休暇初日]
さてさて、四天王の呼称を新たに付け加えて新たに四天王の候補を募集することになったわけだが、呼称だけで本当に集まるのか?
「それにしても、プリケン一族がいないと魔王城ってこんなに静かなんだなぁ」
プリケン一族は、現在休暇を取らせていているが、みんな各々のことをやっているのかな? プリケン一族にはこれからも頑張ってもらわないと。
[パリーン!]
なっなんだ!? いきなり窓が割れた!?
「終焉の闇へと誘う、この背に在る白銀の翼」
ああ...ここにきて面倒くさそうな奴が...
「よう、久しぶりだな。魔王殿に用があって天空の空高くから馳せ参じた」
はあ......この窓結構高いんだぞ。なんでわざわざ....
「一応聞くけどなんの用?」
「その前にプリケンはどうした? 何処にも見当たらないし、気配も感じないんだが?」
この言い草はプリケンに用があるのかな?
「プリケンは現在休暇中だよ」
「間が悪いな。まあ、これだけでも済ませておくか。魔王さんよ、俺は四天王になりにきた!」
はあ、四天王かぁ......四天王!?
「まて! 厨二野郎がなんでいきなり!?」
「俺は風の噂でお前が四天王を探していると聞いた。俺は最初、四天王に興味の二文字も無かったのだが...」
おっおう......
「俺は四天王の呼称を見て確信した! 俺が四天王の椅子に座る価値があると!」
そんなバカな!? 厨二野郎が興味を持つような呼称にはしなかったはず......
「これからは黒風白雨のグリルとして大船に乗った気分で任せておけ!」
あっ......厨二四字熟語......
まさか、この呼称を手に入れるためだけに四天王に募集したのか? いや何にしても四天王候補が見つかっただけよしとしよう。
[ 数分後]
そういえばあの勇者の件話しておこう。
「そうだ、厨二野郎よ。一度聞いときたい疑問があるんだ」
「疑問か。どうした?」
「先日、お前を探しに勇者......? 幼い子供がここに乗り込んできたんだけど」
「幼い子供......」
「なんか似顔絵を渡してきてさ、お前が描かれてたわけよ。多分だけど厨二野郎のこと探してるんじゃ......」
「殺される......」
ん? 殺される?
「よく聞け。魔王さんよ。このままじゃ魔族共々皆殺しだ」
は...? はあ!?
「どっ......ドドドドドどう言う事だ!? 話してくれ」
「ああ、あれはもう2年前のこと、この頃俺は趣味として勇者狩りをしていた」
勇者狩りって報酬とか何もない筈じゃ...趣味で勇者狩りとかどんな戦闘狂だよ!
「俺は勇者を狩り続けた結果、凄腕勇者狩りハンター傭兵として名を馳せるようになったわけだ。それが傲慢だったんだろうな」
凄腕傭兵の名が知れ渡るのはこの頃だったのか...そんな厨二野郎がどうして......
「そんな俺に天罰が下った。人類は本物の化け物を俺に差し向けてきた」
本物の化け物って......あの子供が?
「俺は動くことすら出来ずに滅多打ちにされた。この時良く生きていたなと、当時の俺を褒めるぐらいにボコボコにされたわけだ。俺は必死に命乞いをした」
厨二野郎がボコボコにされて、果てには命乞いを!? 全く想像出来ないなぁ...
「化け物はこう言った。『命乞いならそれ相応の対応があるよなぁ!』俺はこう返した。『全財産を支払うので、ここはどうかお慈悲を!』」
......あの子供のイメージが崩れ去ったんですが。なんですか、この脅迫は?
「化け物は無情にもこう言ったんだ。『10億だ。10億持ってこい!』そんな金無いと言ったら『なら2年の猶予を与える。用意出来なかったら...分かってるよな?』」
「待って! 分かってるよなって何? 私も魔族も皆殺しってこと?」
「そういう事だろう」
待ってくれよ。急展開すぎるよ。意味わかんないよ。
「そうならないように俺はこの2年間必死に働いた。指名された仕事はきっちりこなし、時にはとある商法に手を出したりして稼いだ。だが...まだ1000万足りない。このままじゃ俺のせいで...」
逆に2年間で稼げる額じゃないと思うのだか...
「しょうがない! 厨二野郎は今日部下になったんだ。1000万ぐらい貸してやる。それに由々しき事態だしね」
「ほんとうか?」
「とりあえず魔王城の貯蓄庫を見てみないと......厨二野郎は此処で待ってて!
一応国だからな。1000万ぐらいあるでしょ! とにかく向かうぞ!
[魔王城の貯蓄庫前]
「着いた。ここが貯蓄庫か......」
貯蓄庫はなんだかんだで開けたこと無かったな。これを回せば......
「開いた!」
まるで泥棒している気分だな。とりあえず確認だ!
[数分後]
500万銀貨しかない......なんで? どうして? この魔界はどんだけ貧乏なんだ!?
しゃあない、仕方ないから500万だけ持ってくか...
[黒風白雨のグリムが待機している所に戻りました]
「スマン。魔界がこんなに貧乏だったなんて...タイムリミットはいつなんだ?」
「今日から丁度一ヶ月後だな」
困ったなぁ。魔族皆殺しまではいかないとは思うけど......厄介な案件に遭遇してしまった...
「魔王さんよ。もう俺と関わらないでくれ。殺されるのは俺だけでいい」
「いや、魔界全体の危機だろう。 それに厨二野郎は部下になったんだ。部下のお前が魔王に指図するな」
困っている奴を放って置けないしね。
「......そうか。俺は四天王になったんだったな」
「厨二野郎は今日帰って休め。3日後ぐらいにプリケン達が帰ってくるからその時にみんなで考えよう」
「......分かった」
とりあえず、明日1人だけプリケンが帰ってくるからそこで相談しよう......
◇◇◇◇◇◇
次回に続く




