1話 なんで魔王を目指しちゃダメなのさ
前回は説明パート
今回から本編入ります!
なんでだろう。いきなりプリケンが反乱してきた。ただ側近プリケンに『魔王になりたい』と気持ちをぶつけただけなのに......
「なぜだ? プリケン。これまで唯一の部下として私に使えてきたお前が!? 私の言うことなすこと全部に(いいと思います)としか言わないイエスマンのお前が!?」
私はなんかマズいことでも言ったか? でも、自分には見に覚えが全く無いんですけど......? ていうかむしろ誇っていいと自分は思うんだ。実の兄弟、いや魔界全般に言える事なんだけど、この世界は働かない奴が多すぎる。まあ現状、自分も同じ分類に入るんだけどね。でも今から魔王になる予定だから大丈夫。
それに魔界は子供が商売道具として売られる事が少なくない。そんな最中に自分を一人前まで育てたプリケンは凄いと思う。だから魔王になって少しでも親孝行とかなんだかしたかったわけだけど、それの何が不満なんだ。
まあ、親孝行以外の別の理由で魔王になりたい訳があるんだけどね。おっと、プリケンから答えが返ってきそうだ。
「あなたは我々の心を騙し、生活を脅かしたからです」
はあ? 何を言っているんだ.....この私がいつ、どこで、お前を騙したと言うんだ? ちょっと、なんか誤解生んでない? プリケンが言ってる事が分からない......
「殿下! 魔王を目指してはいけません! プリケサンダー!」
アババババ!? プリケンが放った雷で身体中が痺れる......なんだこれ? ていうかいきなり攻撃してきやがった。なんてやつだ!?
「オメーマジいい加減にしろよ。つうかなんで!? なんで魔王目指しちゃだめなの? 私魔王の子よ」
私のパパは全ての魔族を統一する誇り高き魔族の王......魔王! つまり私が魔王を目指しても文句言われる筋合いがないはずなんだ。
「ですが殿下! あなたは第1460子! ぶっちゃけどうでもいい子でそ!」
「そんなにいたの? 私の兄弟!?」
いや......冒頭で言ってたわ。別に驚くことでもない。魔界にとってこれが普通なのだから。普通の魔族でも一回だけで10人は余裕で産む。
「魔王様は精力絶倫ですし! 側室も盛りだくさん! あと一人が一度に何人も産みますからな」
それがどうしたぁ! プリケンに自分の必殺技ブレイズキックをぶっ放した!
[ブシュ!]
「グエーー!?」
蹴りをまともに食らったプリケンは遠くの木にぶつかって唸り声を上げている。
「私の邪魔をするってんなら容赦しないよ!」
「でっですが......」
はあ......まだ立ち上がるか。今のいい感触で当たったと思うんだけどな。あかんあかん、この考えはなかなかのサイコパスだな。
「殿下! 魔王になってもいいことありませんぞ!」
ん? どういうこと? 魔王になってもいいことない?
「なんで? わりと好き勝手できるんじゃないの?」
「できません。ストレスで胃に穴がポンポン開くだけでそ」
「ポンポン開くの!?」
ポンポン穴が開くってどういうことなんだよ。ん? ということは......
「じゃあ、パパの胃も穴が空いてるの?」
「むしろもう穴しかありません」
「どういう状況だよ!? 胃が無くなってるじゃん!?」
何をどうしたらそういう状況になるわけ? 魔王になったらストレスがやばいのかな?
「なんでそんなにストレスがたまるの? 一番偉いんでしょ?」
「まず部下が言うこと聞きません」
は? ああ......なるほどね。
「上司の言うことが気に食わなければ、すぐに襲いかかってきます」
「すげえ説得力だな!」
この発言ブーメランが一周回ってプリケンの頭を貫通してるよ。はぁ......もういいや。ダメだこいつ......
「そんな部下には......お仕置き!」
私の豪腕が森中に鳴り響いた。プリケンはまた吹っ飛ぶ。
「あぎゃーー!?」
私の勝ちだ! 何言われようともな!
「おら! 負けたんだから言うこと聞け!」
「まだですぞ! こうなったら秘密兵器を使わせていただきます!」
なんだよ。秘密兵器って...... ん? なんだ......この機械音?
こいつは......!?
◇◇◇◇◇
次回に続く
[あとがき]
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