表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/46

12話 勇者

 まさか......人間が参加してるなんて...


「この気配は勇者か?」


 確かにこの嫌な気配は確かに......


「ていうか、決勝の相手勇者じゃん!? これ魔界統一トーナメントだよね!? いいの?」


「そういえば特に参加条件とか無かったからな」


ガバガバか!


「兄さん、いろいろ疑問があるんだけどさ」


「なんだ」


「まずなんで勇者がここまで入れてるの? ここって魔界の都......ど真ん中じゃん。人間界からここまでくる途中で誰か止めなかったわけ? 勇者が来たとかまったく聞いてないんだけど」


「えっえっとな〜」


 ツッコミ所ばっかり出てくる。どうなってるんだ。この魔界統一トーナメントは......


「殿下、魔界には勇者を倒すメリットが無いことを昨日言いませんでしたかな?」


「うわっ、プップリケンじゃないか! どこにいってたんだよ」


マジでビックリした......


「ちょっと確認に...いやいやそんなことより! 殿下、何か疑問を考えてる途中の顔をして何を考えていたのですかな?」


確認? なんの? また何か企んでるのか?


「ん? なんか物陰から誰かに覗かれている気がする。誰だ?」


「ミチル殿を発見でそ。現在危険性ナッシングでそ」




 とりあえず、魔界のことなんだかんだ知ってるプリケンが現れたから、この疑問にも答えれるはず!


「プリケン、私の疑問を答えてくれるか?」


「いいと思います。殿下、なんなりと」


よし、答えるんだな? なら、言うよ。


「まあ、勇者を倒すメリットが無いことは分かるよ。勇者が簡単に魔界のど真ん中に行けるのも最悪分かる。(分かりたくないが......)でもさ、側近プリケン。なんで勇者が魔界統一トーナメントに参加しているのかが分からない」


 ツッコミたい所はそこよ。なんで勇者が魔界統一トーナメントに参加しているのか?


「理由は類推するしかありませんが......どのみち魔王ぶっ倒すなら王様からご褒美を貰うより、自分が魔王になったほうが魅力的だと思ったのではないでしょうか」


「勇者が魔王になりたいってこと?」


「勇者もなんだかんだ、民衆に使いっぱしりにされたり、いきなり指名手配になったりと大変だと聞きますからな」


「魔界の現状とか知らないのね」


勇者も大変なんだなぁ......


「国のトップレベルならともかく、それ以外は数百年前と同じで未だに恐怖の象徴として扱っているそうですからな」


「なんで数百年と同じ感じで魔界を扱ってるの? 魔界は終わってるよ。なんで一般にも教えてあげないのよ?」


 次の疑問が頭から湧いて出てきた。


「なんだ......話についていけない......」


「兄さんは黙ってて!」


「あっはい」


魔界は今からでも侵略し放題なのになんで? 


「人間の賢い王様なら土地の貧しい魔界なんて征服しても仕方ないことを知ってます。向こうも民意を操作するために適度な脅威を必要としているのでそ」


「人間界にも結構闇広まってんねぇ」


 なんだよ。魔界も魔界だけど、人間界も闇が深いじゃねぇか...


「まあ、人間界も闇があるってことで話は終わりでそ」


「うん、ありがとうプリケン。よく分かったよ」


勇者も魔王の座を狙っていることや、人間界の闇は深いことが分かった。


「おいクリス、もう喋っていいか?」


「どうしたの? 兄さん」


 ああ、完全に存在を忘れていたわ。


「俺にはさっぱり分からなかったが、つまり勇者をぶっ倒せば、晴れてクリスは魔王になれるわけだな」


「そうだね」


その勇者がやばいくらいに強そうなんだけどね。


「でもクリス、この状況だったら勝つのは難しいだろう」


あっうん......


「なんですとー! 私にもまだ希望があるでそ!」


 プリケンは平常運転だ。 まあ、あの勇者に勝つのは難しいことは私でも分かっている。


「そんな弟にとある城の中にあった武器をあげようと思う!」


え? この武器は......


「なっなんですと〜!? ミチル殿、なんでこんな代物を...」


「似合ってるじゃないか。殺傷能力こそないが、きっとクリスの力になるだろう」


なんで私にこんなものを......ありがとうございます。


「ありがとう。大事に使わせてもらうよ」


 まさかの兄さんからあの武器をもらった。この武器の名前からして強そうだ。よし、希望が見えてきた。頑張るぞ!


「勇者殿......頑張れ〜でそ......」


◇◇◇◇◇◇

次回に続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ