9話 初戦
私は魔王になって魔界を豊かにする! よし! 準備万端! ここから勝ち進めるよ!
「クリス選手準備できましたか〜?」
「よし! いくぞ!」
「両者準備できましたね?」
「さてさて、今日の飯が運ばれてきたよ〜! どうやって調理してやろうかな〜?」
こいつが初戦の相手か......。なんかモヒカンに釘バットって強面な奴やな。そんな初戦の相手には、私からささやかなプレゼントをあげようじゃないか! 行くよ!
「1回戦スタート!」
[ドーーン! ドーーン!]
奇襲を難なくと避けやがった。流石は地獄の予選を勝ち進んだだけあるな!
「グヘヘ......若造。なかなかいい技を持ってるじゃないか......」
「解説席のグランさん! どう思いますか?」
は? 今なんて?
「もらったー! ありゃ?」[スカッ...]
なんであの厨二野郎が......
「無視すんな! オラァ!」
「モブ君はスピードで押してくスタイルだからね。あいつ苦戦するかもね」
[観客席]
「誰でそ〜!? こいつは〜!? あの口上は? 闇闇闇などの言葉はどこいったでそ!?」
「ああ、あの人普段は厨二病を演じているだけなんだよ。グランさんは魔界随一のまともな人なんじゃないかな」
「そうなんですか? ガヤAさん。まっまともなんですか? グリム殿に厨二要素バリバリあるんですが......」
「そんなことはないだろ。あいつは闇取引とかしている噂を聞くからな」
「あっ......でそ」
「噂だけだろ」
「そうだな。でも、火の無い所に煙は立たないんだよ」
「なんだと!」
「アワワワワ......でそ」
[バーン! ドッカーン!]
これも躱すのか......
「波動砲❗️」
「うわっ!?」
いきなりの攻撃! 危ない!
「この!」
「おっとっと...」
くそ! 当たらない! 面倒くさい相手だ。
「モブ君はスタミナを消耗させて、少しずつ追いつめていく腹積りだね。だが...」
「おら!」
「なんだと!?」
「やっと捕まえた」
おりゃああああ!
「はっ離せ!?」
[ドーーン!]
「あいつはスタミナが異常なくらいあるんだな」
「1回戦はクリス選手の勝利!」
[うおおおおお!]
◇◇◇◇◇
次回に続く




