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悪役令嬢はため息をつく

悪役令嬢はため息をつく3

作者: 毬藻もどき

その3!ちょいエロ入るんで、嫌な方はご遠慮下さいますようお願いします!!やや、修正かけました!

すいません!

3


ついにその日はやってきた。


前世で妹とやっていた乙女ゲーム「光と闇のコンチェなんとか…」(ごめんなさい。未だにタイトルすら思い出せません。)

の悪役令嬢シルビア・ナタスとして転生して早、9年がたった。


そう…ゲームのシナリオ通りにいくと、今日はヒロインが学園に入学する日。

そして、アルノイド殿下とヒロインが初めて会う日である!!


だけど、私はそんなに悲観していない。


理由は簡単。

あの婚約破棄騒動で殿下が言っていたように、私達は学園に入学していない。

但し、ヒロインの動向を探るため、殿下の側近候補の方々を始めとした数人が学園に入学し監視をしているそう。


ありがとうございます。殿下。


あっ!そうそう、他の攻略対象の方々とは2人程、会うことができた。


…といっても、2人以外にも会っているのかもしれないが、生憎と顔を存じ上げているのは2人だけだったので、後の方々は例え会ってもわかりません。


最初に出会ったのは、ヒロイン監視部隊の側近候補の一人、王宮騎士団長の次男カルド・テキマイド様。


美しい月光を彷彿とさせる銀髪の殿下とは正反対で、紅蓮の炎のような赤髪、そして、いつも眉間にシワを寄せているのがとても印象的な方だった。


(眉間のシワ取れなくなりそうね…)

なんて見つめていると、何故か冷やかに微笑んだ殿下に後ろから抱き寄せられ、頭にキスされたのは記憶に新しい…。


そして、同じく監視部隊で側近候補の一人。

筆頭王宮魔術師を目指しているサトス・イルバルド様。

常にニコニコしていて、柔らかそうな茶色の髪が、つい前世で飼っていたゴールデンレトリバーを彷彿とさせた。


…はい、ごめんなさい。

少しだけモフモフとしたいと考えてしまいました。


それを知ってか知らずか、殿下に壁ドンのような体勢で「何を考えていたの?」と小一時間耳元で問い詰められました。

も、もちろん殿下の執務室に帰ってきてからですよ???///


と、少し脱線したけれど、私と殿下は変わらず王宮の中で幸せに暮らしています。


そうして、ヒロインとの接触もないまま、気づけば、少しばかりの月日がたっていた。


「ヒロインが入学して、もう1カ月もたちますのね。」

フルーティな香りのする紅茶を飲みしみじみと私は言葉を発した。

「ふふっ…安心した?これでもう、君が懸念に思う事柄は全てなくなったね?」

殿下は嬉しそうに微笑み、私の横にしっかりと体をくっつけ、優しく髪にキスをおとした。

「殿下…」

「シルビア…本当に君は可愛いね。」

殿下の仕草で赤くなった私を愛おしそうに殿下は見つめる。


殿下の側にいられる幸せ。

あの時全てを打ち明けて本当に良かった。


「そういえば、例のヒロインはどのように過ごされていますか?」

「ヒロインかい?んー君がまた悩んでしまうのは嫌だからあまりこの話は触れたくないのだけれど…知りたいかい?」

「…はい」


少し悩み、私ははっきりと殿下に伝えた。


不安になるかもしれない。けれど、私の悩みのタネの為に殿下や監視部隊の方々が動いてくれ

ているのだ。


何か予期せぬ事が起きた時に、私だけ殿下に守られながら「何も知りませんでした。」は絶対にしたくない。


何より殿下が私を選んでくれたのだ。

殿下の幸せのために必要なら、ヒロインにだって立ち向かっていきたい。


(少し前まであんなに悩んでいたのが嘘みたいね)

「今の君になら、話しても大丈夫かな?」

私の思いを感じてか、殿下は優しく微笑んだ。


「結論から言うと、ヒロインとやらはだいぶ学園でやらかしているらしいよ?」

「…それは、殿下が危惧してらした、ヒロインの特殊魔法の件でしょうか?」


殿下は私のうろおぼえなゲームの知識からあらゆる事柄を想定していた。

中でも一番厄介なのは、ヒロインが色々な攻略対象とお近づきになれる点。


殿下はヒロインが精神関与系の魔法を使えるのではないかと予想していた。


一応、監視部隊の方々にはそれら全てを跳ね返す防御魔法を施している。


「いや、僕が考えていた特殊魔法の件はとりあえず問題はなさそうなんだ。」


殿下の「とりあえず、問題はなさそう」と言う言葉に私は違和感を感じたが、殿下が問題ないというならそうなのだろう。


「なら、監視部隊の方々は大丈夫そうですね。…でも、それなら何をヒロインはやらかしているのですか?」


「多分、ヒロインは君と同じで、前世の記憶があるのだと。僕は考えている」

「え!?」

突然の発言に私は心底驚いた。

(まじで??)


「報告によると、ヒロインは入学そうそう教室で、自分は王子…つまり僕といずれ結婚する!

と高らかに叫んだようだよ?」


(はっ!?ちょっと何やってんのヒロインさん!!いくらなんでも、それはないでしょう!?高校生だった私でもわかるよ!?)


「他にも、大声で僕や君の名を叫びながら学園内を探し回ったり、監視部隊の2人にもゲームがどうだとか、ルートがなどと、つめよったそうだよ?ふふ…ねぇ、シルビア?本当に頭の悪い人間ってこの世にいるんだね?」


そういい、殿下は微笑んだが明らかに緋い瞳には侮蔑の色が見えていた。


「多分、精神系の特殊魔法はあるのだと思うけれど…それよりも、ヒロインのあまりにも愚かな態度に生徒や先生たちまでもが呆れ、最早、ヒロインは触れてはならない存在になっているようだ。」


(あぁ…それで、「とりあえず問題はない」なのか…ヒロインさん…なにやってんのまじで…)


でも、そういう事なら、本当にもう大丈夫なのだろう。心のモヤが完全にはれた気がする。


私はこれからも殿下の側にいられるんだ。

愛しい人の側に…

気づけば自然と顔がほころんでいた。


「殿下、愛しております」

息をするように言葉が溢れでた。


「あぁ…可愛いね。僕のシルビア。」

そっと殿下の手が私に近づき、親指で赤い紅がついた唇を優しく撫で回す。

「んっ…殿下…」

「ねぇ、シルビア?もっと僕を愛して?

僕以外のことなんて考えないで?」


殿下の指が私の口をこじ開けた。


答えたいのに答えられない。

「あっ…ふぁ…んっ」


はしたなくも溢れでる唾液を殿下は舌でからめ取りながら、指で口腔内を搔きまわす。

「あぁ…君の全てがおいしい…」

「でぇ…でんか…ほれいじょうは…」

私は与えられ刺激に耐えられず、思わず涙を浮かべた。

「ふふ…ごめんね。あまりにも君が可愛くて」

そうして殿下は私の耳元に近づき、艶めいた笑みで言葉を発した。

「続きは私の部屋でしようね?」


もう、殿下以外いらない。

殿下だけいればいい。


「は…はひ…」


「君がいなかったら、きっと僕は狂ってしまってただろうね」


殿下がボソっと何か呟いたが、殿下にしがみつくのが精一杯で、私は何も聞き取れなかった。


ヒロインさん空気の中の空気

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