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転生英雄伝 ~戦乱編~ 過去の英霊の魔法を使って最強の英雄となる  作者: 黒紙 創
第二章 ~遥かなる高みへ~
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第三十一話 ~模擬戦闘~

昨日の投稿し忘れ分も先に投稿してありますので、お読みでない方は一つ前に戻って下さい。


よろしくお願いします。

 神発暦3512年 秋



 父が伯爵と今後の作戦の動向について確認していた頃、ぼくはパレス先生の家に来ていた。



「おかしいな、今日はタレス先生と模擬戦闘をしてもらうはずだったんだけど」



 ぼくは知識チートできてしまったため分解魔法を教わることはなかったが、タレス先生の幻術魔法による魔獣や魔物との模擬戦闘をやらせてもらっていた。



「おじゃまします」



 ぼくはそう言うと、こっそり扉を静かに開けた。すると、地下から何やら声が聞こえた。気になった僕は静かに地下に降りて、声の聞こえる部屋の扉に聞き耳を立てた。



「姉さん、頼むよ。今回の討伐戦は姉さんがいれば、随分と楽になるはずなんだから」


「タレス、何度も言うようですが、それはできません。私はもうすでに帝国の兵士ではありません。それに、この町の医者です。もしもの時にこの町の人々を治療し救うのが私の仕事です」


「それなら、大丈夫よ。もうすでに町の人たちは非難を開始しているから作戦開始の時には戦士以外は誰もいなくなるから」


≪誰だろう?≫



 ぼくは部屋の中から聞こえる声に聞き覚えのない声に疑問を持った。



「それなら、私は町の皆さんの避難が終わるまでマルク領に残ります」


「姉さん、どうしてそんなに戦うことを避けるの? 昔は【血濡れの聖女】なんて異名で呼ばれた人が」


「10年も前のことを言われても困ります。それに、あれから随分と力は落ちてます」


「パレちゃんなら今でも十分〈6人の皇帝魔導士ソーサラーオブエンペラー〉の末席の実力はあるはずよ」


「だとしても、私はこの町に残って町の防衛には協力します。ですが、討伐戦に赴くことはありません」


「まだ引きずってるの?【ナハヤの悲劇】を」


「そういうわけでは」


「あれは姉さんの所為じゃない。だれも当時は予測なんてできない。別にアンリが死んだのは姉さんの所為じゃ」


「タレちゃん!」


「っ! ごめんなさい。姉さん」


「パレちゃん、ごめんなさいね。嫌なことを思い出させてしまって。私とタレちゃんは今日の夜には発つわ、もし気が変わったら声をかけて頂戴。私はこれで失礼するわ」


≪まずい≫



 ぼくは急いで扉から離れて、会談を駆けあがり、家の外に出て知らん顔をしていた。



〔ガチャン〕



 すると、扉が開き中からとても大柄な女装をした男性?が姿を現した。



≪っ!?≫



 ぼくは思わず驚き顔をゆがめた。



「ぼく、さっきのお話は内緒にしておいてくれるとオネエさん助かるわ」



 そういうと、目の前のオネエサン?はウィンクをした。



「は、はい。ぼくは何にも聞いてません」


≪バレてた≫


「それとぼく、服装からしてマルク家の子かしら?」


「そうです」


「なら、お父さんが今どこにいるかわかるかしら?」


「たぶん、さっき伯爵軍が町に来ていたから、屋敷で伯爵様とお話してると思います」


「そう、ありがとうね。いつかまた会いましょう!」


≪父さんの知り合いだろうか?≫



 ぼくは父さんにあのような見た目の知り合いがいたことに驚いていた。すると、再び扉が開く音が聞こえ振り向くと、タレス先生が立っていた。



「すまないなレオン。待たせてしまったかな?」


「いえ、大丈夫です」


「そうか、ならいつもの場所に行こうか」


「はい」



 パレス先生の家から出てきたタレス先生はどこかばつが悪そうな顔をしていた。






「初めのころに比べると随分と立ち回りは良くなってきているな、レオン」


「ありがとうございます」


「ホブゴブリンも今では簡単に倒せるようになるとは、君の才能には恐れ入る」


「先生の指導のおかげです」



 ぼくは最近森に行けなくなったため、タレス先生から魔獣や魔物を倒すための訓練、ウル爺からは剣術の指南と付与魔法の練度を上げる訓練をしてもらっていた。



「申し訳ないが、君を鍛えてあげれるのは今日で最後だ。大事な仕事で今日の夜にはここを発つ」


「ダンジョンマスター絡みですか?」


「まぁ、そうだ。そこで私から君への卒業試験だ。君はオラクル・オーガを倒したそうだね」


「父が言うにはそうらしいですが、ぼくはその時の記憶をあまり鮮明に覚えていないんです」


「特別に私がかつて戦ったことのあるオラクル・オーガを再現してやろう」


「っ! おねがいします!」



 ぼくがそう意気込んで剣を構えると、目の前に見た目は人に見えるが、青色の肌に頭から渦巻き状の角を生やしたオラクル・オーガが表れた。



≪っ? 似てる、ぼくがあったオーガに≫



 ぼくの目の前に現れたオラクル・オーガは、森で遭遇した個体に非常に見た目が似ていた。人間からしたら、オーガの見た目に個体差はあまりわからないが、角の形や身長、そして、



「どうした。驚いて声が出ないか? 幼き人の子よ」


≪呼称までそっくりだ。オラクル・オーガはみんなこんな感じなのか?≫



 ぼくが、そんな疑問を投げかけていると、目の前のオラクル・オーガの姿が消えた。



「後ろだ」


≪っ!?≫



 ぼくが振り向くと後ろを取ったオラクル・オーガが刀を振った。



〔キンッ〕



 すこし、飛ばされながらも何とか刀で防御することに成功したが、



≪どこだ!?≫



 再びオラクル・オーガの姿を見失う。



「右」


≪っ!?≫



 ぼくはその声に反応して、右を見るとオラクル・オーガが刀を振っていた。



「うわぁああ!」



 ぼくは吹き飛ばされ、地面に倒れた。



「どうした。幼き子よ。諦めるのか?」 


「まだまだ、やれます」



 ぼくはそういうと立ち上がり戦闘を続けた。

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