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非リア充に贈る〜クリスマス短編〜

作者: 黒兎

A:基本テンション高め。先輩。

B:基本冷静で静か。後輩。

【クリスマス】

それは、イエス・キリストの降誕(誕生)を祝う祭である……。(ウィキペディアより一部抜粋)


そう、キリスト教信者の人々が、イエス・キリストの生誕を祝うための聖なる夜。それが『クリスマス』だ。


しかし、未来化の進む現代、宗教などさまざまな場面におけるイベントの形式も簡略化され、さらには多くの企業が火花散らす営業戦略によって、イベントも身近なものになってきている。


まあ、今のクリスマスで言ったら、12月25日の食卓には奮発して、ケーキやフライドチキン、ターキーが並べられ、ちょっとしたパーティを行ったり。また、子どもだったなら、サンタさんからのプレゼントを心待ちに、ベットの中に潜り込む。こんな光景が現代のクリスマスなら一般的かもしれない。


こんな光景だけだったら、世の中みんな幸せだろう。僕も幸せだ。


現実を見てみると、クリスマス一色となった往来の中には男女で仲良さげに手を握り合ったり、腕を組んだりして、いわゆるカップルが多数いる。


このカップルたちも、クリスマスの夜にはどうせ、ちょっと高級そうなお店に入って、いい雰囲気の中

「夜景が綺麗ね」「君の方が綺麗さ」

なんて言って、そのままホテルにGO!するのだろう。


聖なる夜が性なる夜となるのだろう。


クリスマスとは、けっして男女のカップルが夜景の綺麗なレストランで食事をした後、ベットにINしてイチャコラするための日ではないのだ!!


A「ということで、ここに第1回。性なる夜を迎えるリア充を撲滅するための会議をおこないまーす」


ぱちぱちー


B「・・・」


A「Bくんノリ悪いな~。もうすぐクリスマスだよ?そんなテンションじゃあやっていけないよ?」


B「(うわ。なにこいつうざいなぁ。)うん、まあ、いきなりそんなこと言われたら、普通こんな反応になると思うんですけど」


A「えー。そうかなぁ?僕がBくんだったら、とりあえずこの、頭の部分尖らせた被るタイプの黒マスクに、黒マントの準備を始めちゃうけど」


B「それはいったい、どこの宗教団体に入る気ですか?てか今のそれどこからでてきた」


A「宗教団体だなんて、そんな大それたものじゃないよ~。ちなみに、これはそこら辺から出したんだよ」


B「(俺にはなにもない場所から出てきたように見えたが・・・まあいいか)」


A「そうそう。この格好ね。ちょっと同志たちと、世の中にはびこる異端者(彼女持ち)に死の鉄槌を与えるための格好なんだ」


B「へ〜。そうなんですね〜。てか同志ってなんですか」


A「なに言ってんの。この格好で異端者には死の鉄槌をって言ったらもう、あの有名なアニメに出てくるF<ピー>!F団しかないじゃん!同じような志を持つものたち全員が同志だよ」


B「ちょっと待ってください。いまピー音入ったけど大丈夫?てかピー音入るってどういうことですか」


A「大丈夫大丈夫。僕らがなにを喋ろうと、危なければ作者がどうにかしてくれるから」


B「(作者ってなんだよ)」


A「<ピー!>で<ピー!>で<バキューン!!>なこと言っても大丈夫だから!」


B「バキューンまで来ちゃったよ。どんな事喋ったらバキューンまで来るんだか」


A「え?<ピー!>で<ピー!>で<バキューン!!>って感じ?」


B「って感じ?とか言われても困るだけですよ。さっき言ってた作者さん(?)もAさんに振り回されたら疲れちゃいますって」


A「あはは。メンゴメンゴ」


B「(イラッ)」


A「そんな怖い顔しないのぉぉぉおお!?無言でアイアンクロー喰らわすのはいかがなものかと!?」


B「いや、ついイラっとしちゃって。悪気はないです、反省はしてません」


A「これでも一応先輩なんだけどなぁ。扱い雑過ぎない?」


B「イエイエ、ソンナコトナイデスヨ。ソンナコトヨリモ、ナンデコンナハナシシテイルンデシタッケ?」


A「なんでそんなカタコトになるの!Bくん、誤魔化すの下手すぎでしょ!・・・まあいいんだけど」


B「いいんですね」


A「いいの!それで話は最初に戻るけど・・・」


B「性なる夜を迎えるリア充を撲滅するための会議?」


A「そうそう。やっぱクリスマスって言うとあれじゃん?『彼女の中に、俺の中の欲望を出して、ホワイトクリスマスにしてやるぜ』っていうやからが増えるじゃん?」


B「そういうものなんですか?」


A「そういうものなの」


B「Aさんも?・・・あの無言で俺の足蹴るのやめてもらえます?察したんで」


A「僕がこういう話持ってきた時点で、分かることだよね。なんでそういう質問が出てくるのかな?」


B「ほんとすみませんて。気が利かなくてすみませんて」


A「ほんとだよBくん。そういうところしっかりしないと出世できないよ?」


B「俺らただのバイトなのに出世も何もないでしょう」


A「ほらもう、そういうこと言う~。ていうかどんどん話逸らさないでよ。読者の方々がそろそろ飽きてきちゃうから。本題進めるよ」


B「(だから作者とか読者ってどういうことだよ)」


A「クリスマスっていうと『彼女の中に、俺の中の欲望を出して、ホワイトクリスマスにしてやるぜ』っていうやからが増えるじゃん?」


B「(そこからなんだ。しかも改めて聞くとめっちゃオヤジ臭いし)」


A「やっぱり、イエス・キリストの誕生を祝う聖なる夜を、リア充たちの性なる夜にするなんてもってのほかだと思うんだよね」


B「・・・」


A「そこで聖なる夜を取り戻すために、異端者(彼女持ち)たちを撲滅するにはどうすればいいかなと思ってね。Bくんはもちろんこっち側の人間だと僕は信じているし、そんなBくんなら素敵な案を出してくれるだろうなと思ったんだけど。ちなみにBくんはどっち・・・」


B「Aさん」


A「なんだい?」


B「本音は?」


A「彼女いない歴=年齢の僕がとうとう20歳を迎えるというのに、いまだに彼女はできないから、その鬱憤をクリスマスでイチャイチャしているバカップルどもにぶつけてやろうと思った」


B「Aさん最低ですね」


A「最低でもなんでも結構。僕が幸せじゃないのに、どうして他人の幸せを願わなければいけない。視界に入ったリア充男全員爆発しろ!」


B「(相当溜まってるなぁ。)Aさん。実際、俺たちは漫画やアニメの中に存在しているわけではないんです。Aさんの言うFF<ピー!>団みたいに死の鉄槌をなんていうのは、どだい無理なんですよ」


A「うんうん。それで?」


B「俺たちがいるのは現実だとした上で、Aさん自身がどうしたいのかってことを考えることが俺は大切だと思いますね」


A「なるほど。僕自身がどうしたいのか、か・・・。Bくんいい事言うじゃん。僕の方が年上なのに、Bくんに相談にのってもらってたみたいだね」


B「悩み事に年上も年下もないですよ」


A「ありがとうBくん」


B「いえいえ。結局それらしいこと言って、じつはなにも答えられてないですけどね」


A「たしかに。あはは」


B「あははは。あ、上りの時間だ。Aさんと話してると時間経つの早いですね〜。まだ話し足りないですけど、上がりの時間じゃあ仕方ないですもんね。それじゃあAさん頑張ってくださいね。お先に失礼します」


A「おつかれ~。あ、BくんBくん」


B「はい?」


A「そういえば一つだけ答えてもらってなかったことあったよね」


B「な、なにがですか?そんなのありましたっけ?俺はやく帰りたいんですけど・・・Aさんなんでその黒マスクとマント着てるんですか。しかも肩痛いです。掴まないでください」


A「ああ、ごめんごめん。すぐに済むから、もうちょっとだけね」


B「ちょ、変なこと言ってじりじり詰め寄らないでください」


A「ああ、ごめんごめん。けど、Bくんが、自分のやりたいようにやればいいって言ったんだよ?」


B「俺はそんなこと言ってないんですが?」


A「そんな些細なこと、僕は気にしないよ。・・・Bくん。君にはもちろん彼女なんていないよね?」


B「全然些細なことじゃないです。Aさん、目が笑ってませんよ」


A「そんなことないさ。Bくんラストチャンスだ。君は・・・リア充(異端者)じゃないよね?」


B「(脱兎)」


A『異端者(彼女持ち)には死の鉄槌を!!』


B「ぎゃぁぁぁああああああ!!」



聖なる夜が性なる夜にならない、非リア充の諸君。


つまらない傷の舐め合いは終わりだ!


同志を募り、奮い立て!


『世の中の異端者達に死の鉄槌を!』


〜〜〜〜〜END〜〜〜〜〜

読んでいただきありがとうございました。

非リア充のAくんがリア充を妬むショートコメディ、いかがだったでしょうか?

黒兎はもちろんAくんの味方です!

共感できたそこのあなた。ぜひ同志と一丸となって活動してみては?笑


それでは最後になりますが

よい、クリスマスであることを……

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