最終話 堕ちたお嬢様の淫らな末路
「こんな夜更けに、何のようだ」
「ご挨拶だな。御主人様に、夜のご奉仕をしにきたのだ。いじわるな御主人様には私から動かねば、放置プレイばかりで他の調教をしてくれそうにないのでなあ」
「……好きにしろ」
「フフッ。好きにされるのは、私の方なのだぞ」
「タロ…いや裕司! い、いきなりそこは、ダメだ……」
「じゃあ、お前は何しにここに来たんだよ」
「そ、その……。いきなりは、怖いのだ」
「怖いだと? これまで散々大口を叩いておきながら、それは何かの冗談か」
「そ、そうではない。眼帯を付けて、互いに触れ合っていれば絶対に、大丈夫だとは思うのだが。それでも裕司の身に、万が一のことがあったらと思うと私は……」
「……俺はそれでも、別に構わない」
「私が構うのだ! 調教を途中で投げ出して勝手に死ぬなど、絶対に許さないからな。もしそうなったら、残された私がどうなるか分からぬぞ? 里の壊滅で、済めばいいがな」
「…………チッ、この期に及んでまだ脅迫か」
「そ、そんなつもりはない。ただその……、初めてなのだし? 少しは手順を踏んだ方が、あ、安全なのではないかと、懸念を述べているだけだ」
「ああそうか。分かったよ。なら……、お前が納得いくまでじっくり準備につきやってやる。それで文句ないだろ」
「ゆ、裕司……」
「ただし! 眼帯を付けたら、体を弄り回しやすいようにそこで四つん這いになれ。犬のようにな」
「っ!」
「どうした。できないのか、真冬お嬢様」
「そ、それは…」
「それとも、アレは嫌コレも嫌か? それは大した夜のご奉仕ぶりだな。家事もからきしで、一体、何のためにお前はここにいるんだ?」
「…………くっ。これでいい……か。御主人、様」
「お前も随分慣れてきたな。四つん這い姿がすっかり板についてるじゃないか」
「し、したくてしているわけではない! そうしつけてきたのは、裕司ではないか……」
「どうだったかな。それに今日は、その姿勢を取れと俺はまだ言ってないわけだが」
「ひ、卑怯だぞそれは!」
「ほう、まさかお前にそう言われる日が来るとはな。ようやく俺も、御主人様らしくなってきたというわけだ」
「くっ……。キスすらまだ、してくれないというのに……」
「何を贅沢なことをぬかしている。飼犬にキスするほど、俺は愛犬家じゃないぞ」
「わ、私は女中だ!」
「まだ夜のお勤めしかろくにできないくせに、それにすら文句を言うような駄犬を女中とはいわん」
「うぐっ…」
「どうやら、自分の立場に納得してくれたようだな」
「ど、どうしてこうなってしまったのだ……。最初はまだ、邪険にしつつも遠慮や、そこはかとない優しさを感じられたというのに」
「お前こそ最初の勢いはどうした。なんでも俺を殺して里を壊滅させるんだったか。まあ、俺を誘って消耗させることだけはうまくなったようだがな」
「もういい! さっさとすれば、いいだろう……。どうせ私は、咎人なのだからな」
「それが分かっていればいいさ。そうすれば、少しは優しくしてやらんでもない」
「うぅぅぅ。そんな見え透いた嘘にすら期待してしまう、自分が悔しい……」
「裕司……、アレが来ない」
「来ないって、腹を押さえてお前は何を……おろせ」
「……嫌だ」
「いいからおろせ」
「嫌だ」
「バカなこと言ってないで、とっととおろすんだ」
「絶対に、嫌だ」
「ふざけるな……。今更お前が、どの面下げて俺の家族になれるっていうんだよ!」
「ちょっと、行きたいところがある」
「やっとおろしに行く気になったか」
「……違う。墓参りに、だ」
「墓だと?」
「ああ」
「……まあいい。で、貴藤の墓はどこにあるんだ」
「そうではない。裕司の家の……墓だ。そこに、眠っているのだろう。裕司の母君と、妹は」
「なん……だと?」
「二人に報告したいことと、言わねばならない言葉があるのだ。裕司にはそれを……、二人と一緒に聞いていて欲しい」
「お前……」
「私ごときが今更何を言ったところで、裕司に振り向かれることがないことくらいはもう、分かっている。それでも私なりにケジメはつけておきたいと、そう思えるように、やっとなってきた。そうでないと、さすがの私もこの先を歩んでいく勇気が、持てそうになくてな」
「……………………分かった。連れて、行ってやるよ。『真冬』」
これにてこの物語は終わりです。
最後のこのお話はR15だしということで、ふと思いついて追加してみました。
お嬢様の人格崩壊っぷりが色々と酷過ぎる気もしますが、それなりにオチがついて良かったかなあと。
まあ、デレたということで……。
ちなみに初稿段階ではもっとアブノーマルな調教だったのですが、それだとR15じゃなくて18禁になりかねないと我に返り、あわてて自重したのは内緒です。
さて、ここまで読んでくれた方は本当にお疲れ様でした。
長くてうざい説明ゼリフや、個人的な趣味丸出しの解説文のところなんかは特に……。
その苦痛が最後で少しでもむくわれていたら幸いです。
次回は、「スクールカースト上位の隠れ性悪美少女が、底辺のガチオタに偶然パンチラ写真を撮られていやらしく泣かされる物語」を予定しています。
また下僕調教ものかよという声が聞こえてきそうですが、今回同様、微妙なタイトル&あらすじ詐欺(サブタイ含む)でまたがんばろうと思います。
え、そこは今度こそちゃんとしようよ!?
連載開始は1月中の予定です。
よければまたお会いしましょう。




