表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/46

17話 矢嶋編 疑惑とケーキと手がかりと

人物紹介No.003 矢嶋祐一 今のところ第2の主人公。20歳。人をおちょくるのが大好きなキャリア警察官。実はとんでもないエリート。祖父は元警察庁長官、父は警視総監。由希に憑かれたのち、高校を中退し父のツテでアメリカへ。アメリカの某有名大学を2年足らずで卒業、帰国し公務員1科の試験を受け、現在にいたる。おちょくりは大好きだが、時と場合をわきまえる分別はもっており、よく被害者となる井原にも周りに彼の部下がいるときには自重している。・・・その反動でその後のおちょくりは酷くなるらしい。

夜が明けて。

僕らはケーキと紅茶がうまい、喫茶店兼ケーキ屋『ラルゴ』で一息ついていた。夜までぶっ通しで続いた捜査のせいで、体はガタガタだ。その疲れを、ほのかに甘く香り立つアップルティーが癒してくれる。

僕はフランスの貴族さながらに、ティーの香りを楽しみつつカップをゆっくりと口に運ぶ。

僕は優雅なひとときを過ごしていた。

「すみませーん!ショートケーキとショコラ、2個ずつ追加!」

優雅な・・・ひとときを・・・。

「由希さん、そんなに食ってホントに大丈夫なんですか?」

「ん、大丈夫大丈夫!なんてったってほら、幽霊だし、わたし」

「・・・いや、俺がいいたいのはそういうことじゃなくて」

小田口さんがこちらをチラリと見る。

「お金、大丈夫なんですか?」

「ん、大丈夫大丈夫!」

「大丈夫なわけあるかいっ!」

僕はツッコむ。

「だってゆー君、あれでしょ?お偉いさんでしょ?警察の」

「違う!ただの警部補!お偉いさんってのはせめて幸兄くらいの人のことを言うの!」

「なーんだ。ふふん、案外大したことないんだね、ゆー君も」

・・・なぜだろう。今無性にこの目の前のにやけヅラをはっ倒したくなった。 「そ、そんなことよりほら。会計!早くしないと値段がタイヘンなことに」

僕の殺気を敏感に察知したのか、小田口さんが話題を変えようとする。

しかしその通りだ。

由希のやつ、3000円分の約束のはずが、あれよあれよという内にはるかにオーバーしている。

・・・怖くて伝票を見てないから今いくらかは分からないが。

僕の財布にはどこぞのセレブのようにたんまり札が入ってるわけではない。

早く止めないと僕の財布はあっさり全滅を迎えるだろう。

「あ〜もう!ほら帰るぞ由希!」

僕はケーキを貪る由希の肩を掴む。

由希は最後のひとかけらをゴクンと飲み込んだ。

「あ、待って。じゃあショートとモンブラン3つずつお土産で」


プチッ


僕の中で何かが切れた。

「いい加減に・・・しろっ!」


スパアァァァンッ!


僕のハタキが由希の頭に炸裂した。

うーん、いい音。










いつまでもいい気分でいられるわけではない。ブレークタイムを終え、捜査再開だ。

とはいっても、由希をひっぱたくことで生じたいい気分は、その後数十秒後に伝票をカウンターに持っていった時には見事にぶっ壊れていたが。

当初の予定では野口さん3人に別れを告げるはずだったのが、それに樋口さんが1人加わった。

ただのケーキ屋に8000円費やしてしまった僕って一体・・・。



僕らは車に乗り、もう一度あの事務所に戻った。

出直したとはいえ、まだ早朝なので一番乗りには変わりなかった。

僕は1人事務所のあるビルに入る。

由希は後部座席で爆睡、小田口さんもさすがに眠かったようで、居眠り運転されてはたまらないので僕が運転を代わると、死んだように眠ってしまった。

おかげで黒田さんの愛車は、デリンジャーな爆走劇を繰り広げることとなったが、車内にそれに気付く者はいなかったようだ。

おっと、余計な話だった。さて、管理人さんに鍵借りに行きますかね。

「すみません」

管理人室に、初老の管理人さんが眠るように座っている。

「あ・・・はいなんでしょう」

「警察のものです」

僕は警察手帳を見せる。

管理人さんは一瞬驚いたようだったが、恐る恐ると言ったように

「・・・何か?」

と尋ねた。

僕はほどほどに事情を話し、鍵を貸してくれるよう頼んだ。

「ええ。それはいいんですが・・・」

「何か、あの事務所について知っていることでもあるのですか?」

「いえ、あの、実はですね・・・」



管理人さんの話によると。昨日昼過ぎ、車の停まる音がした。

黒のローレンロイス。

最初は、ああ、どこかのお客かな、と思ったそうだ。ところが、いつまで経ってもお客は入ってこない。 変だな、と不審に思っていたら、不意に上の階からもみ合うような音が聞こえてきた。

少しして静まる。

迷ったが、さすがに不安になり、上の様子を見に行くことにしたという。

しかし、探偵事務所を始め、上の階に異常は無かったため、あるいは気のせいだったかもしれないと思い直し、戻ってみるとローレンロイスは消えており、現在にいたる、と。



「ということは、あなたは不審な人物を見てはいないわけですね?」

「はい・・・」

ふむ、大体は分かった。しかしまだ不可解な部分がある。

「1つ聞きたいんですが、あなたはその車に乗った不審な人物を見ていないわけですか?」

「は、はい」

「・・・裏口とかあるんですか?」

「あ、あります・・・」

「では犯人は裏口から入った、と」

「は、はい。多分」

「あともう1つ。この事務所に、助手や従業員といった方はいましたか?」

「あ、え、その、いました。1人、若い女性の方が・・・」

やっぱり・・・。

従業員に危害が及んでいる可能性がますます高まってきたな。

「従業員の方の連絡先や住所、分かりますか?」

「わ、分かりませんよ!そんなの!」

裏返った声で管理人さんが叫んだ。

さっきから余りにも怪しい。怪しすぎて疑っていいのか不安になるほどだ。

しかしなにぶん情報が足りないので、管理人さんが何を隠してるのかは分からない。

「ひとまず、鍵を」

「あ、ああ、はい、どうぞ」

僕は鍵を受け取るとそのまま管理人室を後にした。

管理人。要マーク人物かもしれないな。










しばらくして。

僕は久しぶりに警視庁に戻ってきていた。

小田口さんと由希はあっちで捜査を続けている。

僕が戻ってきたのは、ある人物に会うためだった。

しかし。さすがに天下の警視庁。正面玄関でもやたら人が多くて待ち人を見つけられるか分からない。

「やー!矢嶋さん。何か久しぶりですね」

後ろを振り返ると、永森さんが片手を挙げて立っていた。

なんだか機嫌がいい。

察するに、弟さんに慰労パーティーを開いてもらったからだろう。

「やあ、永森さん」

「どうしたんですか?こんな所で。玉川署の件はどうなりました?」

「あはは、鋭意調査中です。永森さんはどうして?もしかして捜査にでも行くんですか?」

「はは、ご存知の通りウチの部署はそんな殊勝じゃないですよ」

「そらそうか」

あははと笑う。

まったく警察官としてどうかと思う。・・・改める気もないけど。

「雑用ですよ。なんか美咲さん、今日も休みでね。おかげで仕事は一挙に僕に回ってくるっていう」

「へぇ、珍しいですね」

僕の記憶では、美咲さんはいつも部屋でぐうたらはしてるものの、欠勤はなかなかしないはずだったが。

「悪いものでも食ったんですかね?」

永森さんがあははと笑いながら言う。

「まさか」

いくら美咲さんでも落ちてる物を拾って食ったり、賞味期限切れの牛乳飲んだりはしてないだろう。・・・多分。

「風邪、だそうです」

「はぁ。あの美咲さんがねぇ」

もちろん、それが鳳敦司という1人の男子学生の呪いの成果だということを僕は知るよしもない。

「で、矢嶋さんは何を・・・?」

「・・・ちょっと待ち合わせをしているんですよ」

「待ち合わせ?」

「ええ、今回の件はやくざの連中が関わっているらしいので、その筋のエキスパートにちょっと話を聞きたくて」

「え、もしかしてそのエキスパートって―ー」

「ええ。『泣かしの元さん』です」

「うへぇ」

永森さんが声を漏らす。

泣かしの元さん。やくざをも泣かせたという伝説からついたあだ名である。

マル暴、暴力団取締のベテランで、その筋の話には詳しい。

以前、元さんがやくざによって負傷させられた時、リハビリとして警察学校教官に回されたことがあった。その時生徒だったのが僕。昨夜小田口さんと由希についた嘘はあながち全部偽りというわけではなかったということだ。

「はぁ。あの人に会うなんて俺は嫌だな。あの人、好物は生肉って聞きましたよ?」

「い、いやいや。さすがにそんなことは――」

「誰の好物が生肉だって?」

背筋を震え上がらせる低い声。

「げっ!」

「・・・永森。恩師捕まえて『げっ』とはご挨拶じゃねーか」

「ひっ!ごめんなさぁぁい!」

永森さんは走ってどっか行ってしまった。

・・・永森さんも『泣かしの元さん』の生徒だったんだな。

「お前が俺を呼ぶとは珍しいな。何の用だ」

冷静に見ればそこまで怖い人ではないのだが、つい学校時代を思いだし、体が拒否反応を起こす。

あれは警察っていうより、軍隊だよ。うん。

「あ、立ち話もなんなので外の喫茶店ででも」

「いい。矢嶋、俺は別件のために本庁まで来て、そのついでにお前に話を聞かせてやるんだ。あまり時間は割けない」

「あ、そうですか」

うう、やっぱり怖い。

元さんは、階級こそ僕と同じ警部補だが、残念ながら纏うオーラが違う。いやまったくもって。

「で、話はなんだ」

「あ、いえ、実は――」

僕はかいつまんで事情を説明する。

「――咲元組、か」

「ええ」

「・・・」

なぜか元さんは黙った。

「どうしました?」

「いや、咲元組か。うん、奴らが犯人ってんなら俺も納得ってところだ」

「それは、どういう?」

「手段を選ばない。自分に課せられた仕事のためなら利用できるものは全て利用し、使えるものは全て使う。邪魔なものは排除し、犠牲もいとわない・・・たとえそれが自分の命でも」

「・・・怖い、ですね」

「ああ、怖いよ」

真顔で元さんが言う。

・・・あなたの顔もなかなか怖いですよ?とは間違っても言えない。

「だから、その若頭だったか?そいつには会ったことはないが、恐らくはそいつも・・・」

「人を殺すくらいなんとも思わない、ですか」

「ああ」

「でも変なんですよね」

「どうした」

「いえね、そんなに徹底的っぽい組織なら残さないはずの証拠が、現場に残ってるわけじゃないですか」

「・・・クリアファイルか」

「ええ。どうも僕はそこに違和感を感じるんですよ。――ま、この調子じゃあその若頭が重要参考人となるのも時間の問題みたいですが」

「・・・」

「元さんの証言で容疑も強まったし」

「そうか」

「ええ、ありがとうございました」

「いや、別に構わん。・・・すまないが時間だ。俺は失礼する」

「あ、はい。お世話様です」

元さんは片手を挙げて僕の挨拶に応じると、廊下の奥へ消えていった。

僕もいつか、あんな刑事になれるのだろうか。

・・・無理っぽいな。

「・・・さてと」

用も済んだことだし、捜査に戻るか。

僕は幸兄への報告のため携帯を開きつつ、警視庁を後にするのだった。












僕は東玉川署の捜査本部にいた。

報告の電話もそこそこ、幸兄に呼び出されたのだ。

どうやら、今朝の内に例のタレコミ主から接触があったらしく、そこで捜査進行を話したところ、話にならないと言われたそうだ。

よって、今現在一番進んだ情報を持っていると思われる僕が、交渉役として抜擢された、というわけ。

・・・でも捜査している全ての捜査官からの情報を持っている幸兄でもダメだったのに、僕でなんとかできるものなのだろうか。

ま、失敗したらその時はその時だ。

タレコミ主からまた電話すると言われた時間までもう間もなく。

僕らは緊張した面持ちで電話機を見つめていた。


プルルルル


「きたっ」

誰かが叫ぶ。誘拐犯からの電話じゃないんだからそんな力まなくても・・・。

「レコード、準備完了」

「こちらもOKです」

ずいぶん仰々しい。

僕は受話器を上げた。

「はい」

「・・・さっきと違う刑事だな」

低く少し掠れた男の声。

そんなに年ではないと思う。

「ええ。代わりました。矢嶋といいます」

「矢嶋さんか。俺は坂井だ。よろしくな」

くぐもった笑い声が響いた。

「で、ご用件は」

「何度も言ってんですがね、警察の方は忘れっぽいんでしょうかねぇ」

また笑い声。

神経を逆撫でするが、そんなことでいちいち怒っていられない。

「さっき交代したって言ったでしょ?悪いけど何聞きたいのか分からないんですよ」

敢えてとぼける。タレコミ主とより多く会話するためだ。

こいつには何か目的があるはずだ。怒って切ることはないだろう。

「・・・フン、まぁいいか。警察の捜査状況を知りたいんだよ。警察が信用に足るか見極めたいからな」

「足りなかったら?」

「あんたに言う必要は無いね」

「そうですか」

話が途切れた。

僕は話を繋げるため、自分の得た情報をここでぶちまけることにした。

「さて、ではあなたのご要望通り、捜査の内容を話しましょう」

「フン、素直だな」

「まあ、こちらとしてもあなたの情報は欲しいですからね」

僕は今までの経過を話した。もう何人にも話しているので我ながらスムーズにまとまった。

「というわけで、今のところ咲元組の若頭が容疑者ですね」

「・・・あいつが咲元組の調査を?」

「違うんですか?」

「いや、俺は・・・なんでもない。あんた、矢嶋って言ったか?」

「はい」

「ちょっと、会って話したい。俺の情報もその時話す」

「いいですよ。場所は」

「渋谷駅前。フフ、ここはベターにハチ公前といこうか。時間は夜9時」

「分かりました」

「何かあった時のために番号を教えてくれ」

「はい。×××です」

「控えた。じゃあな」

「あっ、ちょっと待って!」

僕はではと電話を切ろうとしたが思い直し、1つ尋ねることにした。

「あんたに話すことはない」

「待ってください!そちらばかり一方的に情報を得るのではフェアじゃないでしょう。そちらも少しはこちらの質問にも答えてください」

「俺の情報は会って話すと言っただろう」

まずい。ここで聞けないと夜まで無駄に時間を費やすことになる。

「急を要するんです!」

僕は必死に言った。

「・・・なんだ」

よかった。聞いてくれるらしい。

「あなた、例の探偵と親しいんですか」

「・・・飲み仲間だ」

「事務所にいる従業員について何か知ってますか」

「事務所・・・。志保里(しおり)ちゃんか?」

「志保里さんっていうんですか」

「ああ。水谷(みずたに)志保里だ」

「彼女の連絡先、分かりますか?」

「いやそこまでは・・・。なんでだ?」

「彼女が危ないんです」

待合室で考えたことを坂井に話す。

「・・・志保里ちゃんが危ないのか」

「はい」

「捜してみる。その事についても後で話そう」

僕が返事をするまえに電話が切れた。

平静な声だったが、内心は焦っていたようだ。

「逆探知!公衆電話!渋谷方面です!」

「本当に会いに来てくれるんなら、逆探知する必要もないが」

幸兄が呟く。

「会いに来てくれますよ。なんか、志保里さんが危ないって聞いた途端あの人慌てだしましたから」

幸兄に敬語とは変な感じだ。まあ周りに人たくさんいるから仕方がない。

「そうか。そうだな」

幸兄は納得したように頷く。

「助手の名前が水谷志保里って分かっただけでも収穫です。我々はこれから彼女の保護を最優先に動きたいと思います」

「分かった。くれぐれも気を付けてくれ」

幸兄の言葉に、僕はにっこり敬礼で返した。












とは言ったものの、名前だけではどうしようも無かった。

僕は小田口さんと由希と3人で、事務所の辺りの地域の聞き込みに回ったが、有力情報はほとんど得られなかった。

「・・・で、その人ホントに来るのぉ?」

由希が気だるそうに言った。

「らしいんだけどな。来るかどうかは分からない」

約束の時間10分前。僕ら3人はハチ公前に佇んでいた。

時間も時間なので、周りはカップルばかり。何やら気まずい。

「おーおーいいご身分だこと。ちくしょう、警察官になんかなんじゃなかったぜ」

「まったくッスね。あーあ」

僕と小田口さんは下を向いてふてくされた。

「まーまー、ここにこーんなカワユイ子がいるんだから、良しとしない?」

「「・・・・・・」」

僕と小田口さんのため息が交差した。




チャラララチャラ♪

陰鬱な気分に軽快なメロディ。

僕の携帯が鳴り出したのはそれから30分後、やはり来ないのだろうかと諦めかけてきた頃のことだった。

液晶を見ると見知らぬ番号。

架空請求や詐偽を警戒してる僕としてはいつもなら叩き切るか無視するところだが、今回は事情が違う。

僕はすぐさま出た。

「はい!」

「・・・」

様子がおかしい。

水が流れる音が聞こえる。川か?

「坂井さん?」

「矢嶋・・・サン。志保里・・・助けて。あいつ、危ない」

「坂井さん?あなた一体・・・」

「木谷町・・・」

「え?」

「木谷町・・・だるまハイム206号・・・」

「坂井さん!?」

「頼む・・・志保里・・・このままじゃ殺される・・・拷問されて、殺される・・・」

「・・・」

「頼む・・・志保里、助け・・・て・・・」

「さ、坂井さん!?坂井さん!」

電話からはただ水の流れる音。

僕はすぐさま幸兄に連絡し、総員でだるまハイムへ向かった。

鍵が開けっ放しだった部屋に乗り込んだ僕は愕然とした。

もぬけの殻。

椅子と縄と志保里さんのものと思われる血液が残されていた。

助けられなかったのか・・・。

いや、まだだ。拷問ということは犯人は彼女から聞き出したいことがあるのだ。彼女が口を割らなければ、すぐに殺されるということはないはずだ。

拷問されて、殺される!

坂井の叫びが頭をよぎり、焦りばかりが募る。

夜空にはパトカーのサイレンの音ばかり響き渡っていた。



――捜査隊がだるまハイムの裏の河原で携帯電話を握りしめた男の死体を発見したのはそれから1時間後のことだった。













〜裏コーナー〜

西岡 シリアスな気分をぶち壊す裏コーナー!

敦司 いいのかなぁ、本編が緊迫しているのにこんなふざけモードで

西岡 いいんだよ!――ウザッ!って思った人は飛ばしてね

敦司 いいのかなぁ

西岡 さてさて、今回のゲストは・・・

敦司 手元の資料によると、都合により顔にモザイク修正、あと音声修正を加えての登場らしい

西岡 なんだそれ!犯罪者?

敦司 ・・・まあ犯罪者と言えなくもないかな

西岡 おーっと!これは楽しみになってきた!それではゲストさん、どうぞ!



田中 田中太郎(仮名)と申します。某大手貿易会社に勤めております

西岡 ・・・えっと、誰?これ

敦司 これって言うな。彼を覚えてないとは。彼は3話から4話にかけて出てきた、ある種可哀想な酔っぱらいお騒がせ男だ。

西岡 ・・・一言、いいか?

敦司 ?

西岡 使い捨てキャラ救済にも限度ってもんがあんだろ!

敦司 まあまあ、なんか次回はレギュラーキャラ出るらしいからいいじゃないか。ちなみにそん時僕は休暇をとる

西岡 なんで?

敦司 なんでも

西岡 ・・・まあいいや。じゃあ質問とかしろよ

敦司 分かった。えーと、田中さん

田中 はい

敦司 股間はまだ痛みますか?

西岡 いきなりそれかぁぁ!

田中 かなり痛みます

西岡 あんたも真面目に答えなくていいから!

敦司 かわいそーに

西岡 全ての元凶が言うセリフか

敦司 いやいや、一見普通のあの女性が、まさか股間を蹴り上げるなんて誰が予想できようか

西岡 ・・・手元の資料によると、田中さんはこの一件で某病院のあまり大きな口では言えない科に長期通院となってしまったとか

敦司 かわいそーに

西岡 ・・・敦司くん、心込もってないとウザイだけだからやめようか

敦司 はーい

西岡 ・・・

敦司 あと田中さん、やりすぎてすみませんでした

田中 いえとんでもありません。私も酔って己を見失ってまして・・・。ご迷惑をおかけしてすみませんでした

敦司 酔うといつもああなるんですか?

田中 いえ、いつもはそれほど・・・。ただあの時は会社で嫌なことがあって悪酔いしてしまったのです

敦司 そうですか、よかった

田中 ?

敦司 いつもだったら世のため人のためにあなたを社会的に抹殺していました

(敦司、田中が美咲の体を触る瞬間の写真を取り出す)

田中 げっ!

西岡 お前・・・黒いな

敦司 まあな

田中 えっと、私はいくら払えば・・・

(田中、財布を取り出す)

敦司 そうですね・・・

西岡 いやいやいや!ユスりタカりは犯罪だから!

敦司 ちっ

西岡 そこ!舌打ちしない!

敦司 僕がツッコミ担当なんだけどな

西岡 だったらダークモードやめろ!

敦司 ハイハイ

西岡 では気を取り直して。田中さん、どんな嫌なことがあったんですか?

田中 いろいろです。派遣の女の子に笑われ、新入社員に無視され・・・

敦司 窓際族か

西岡 そんなはっきり言わんでも・・・

田中 いいんです。私、窓際族なんです

西岡 ま、まあ、良いことありますって!

敦司 そうです。定年まで頑張ってください

西岡 ・・・

田中 そうか、定年までなんとか頑張れば・・・

西岡 納得!?

田中 分かりました。私、頑張れそうです

敦司 頑張ってください

田中 はい!ありがとうございます!

バタン

西岡 いいのかなぁ

敦司 いいんだよ

西岡 ・・・

敦司 ・・・?

西岡 グリーンだよ!って言えよ

敦司 あーハイハイまあ僕次回休むからよろしく

西岡 スルー!?・・・何?誰来るの?

敦司 お前お待ちかねの美人さんだよ

西岡 え!

敦司 ついでに次回予告しとくと、次回は西岡編らしい

西岡 え!え!・・・よっしゃあ!こんな回やめやめ!早く次回次回!

敦司 ・・・フッ、浮かれているのも今の内だがな(ボソリ)

今回少しダークモードな敦司くんなのであった。

二週間くらい空きましたか?(聞くな)まあテストやら大会やらいろいろありましたがようやく一段落つきそうです。・・・かといって小説のペースが上がるかというと、そうでもないような・・・。えー、今回で一期目矢嶋編はラストです。この後1つ西岡編を入れてから敦司編に戻ります。まあ西岡編はほぼおまけみたいなもんだから見なくてもさほど問題ないような気もしなくはないですが。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ