16話 矢嶋編 幽霊を前にゃプライバシーもクソもない
一期目矢嶋編ラスト前です。思ったより長くなったなぁと思う今日この頃。 なお、人物紹介二回はあとがきに回しました。よかったらご覧ください
6月21日 土曜日
「・・・というわけなんだ」
「なるほど。分かった。確かに依頼人の存在は気になる所だ。それに、従業員のことは盲点だった。危険が及んでいるとしたら、早急に対処せねばならんだろう」
車の中。
日付が変わった深夜の道はさすがに車の通りが減り、ようやく車がスムーズに進むようになった。
僕は幸兄にさっき皆で考えたことを話していた。
幸兄が堅苦しい真面目な話し方をしている所を察するに、誰かが近くにいるに違いない。
ボロが出るのを恐れてか、そそくさと電話を切ってしまった。
ち、つまらない。
「誰と電話してたんですか?」
運転席から首をこちらに向けて、小田口さんが尋ねた。
「井原のダンナです」
「井原さんかぁ。最近話してないな」
後ろの由希が口を挟んだ。由希も井原さんとは付き合いがある。もっぱら美緒ちゃんの遊び相手だが。
「本部長の井原さん・・・なんて言ってました?」
「別に特には」
なんせすぐ切られたからからかう暇もなかったし。
僕は幸兄をからかえなかった欲求不満を小田口さんをいじることで晴らすことにした。
「それより小田口さん、意気揚々と飛び出してきましたが、何するんですか?今は深夜です。やれることは限られてますよ?」
「うぅ、確かに」
「しかもこれっていわばフライングでしょう?明日調べるっていった事務所の周りを調べるんですから。マズイと思うなぁ。僕らみたいな若い組が他を差し置いて。頭ガッチガチのオヤジ共がキレますよ?」
「え」
小田口さんの顔がサッと青ざめる。
「怖いですよぉ、怒らせると。面目潰しちゃったわけですから、恐ろしいほど辺境の地へ左遷という名の島流しとか・・・」
「そんなぁ・・・なーんて、言うと思いましたか?矢嶋さん」
「へ?」
思わぬ小田口さんの言葉に僕は間の抜けた声を出した。
小田口さんは不敵に笑っている。
「いいッスか?あなた方のせいでキャラ変わってしまいましたが、俺はもともと、東玉川署の問題児なんです。頭の固いオヤジが怒る?そんな人にはとっくに嫌われてるんッスよ、僕はね。もうあの連中に何回ハゲだの波平だのクリリンだの言ったか分かりません」
「ムゥ・・・」
小田口さん、それはそんな胸張って言うことではない。
でも言い返せない。
そういえばそうだった。小田口さんはそもそも捜査初日に遅刻するほどの問題児だ。
最近の母性(?)溢れる小田口さんのためかすっかり忘れていた。
「誰がそうさせたんですか、誰が」
「う、僕です。ごめんなさい。・・・ってか、小田口さん、地の文を読まないで下さい」
「あっはっは、ゆー君、やられたねぇ」
他人事のように後ろから笑う由希。
「お前も責任半分持ってるだろうが」
由希は僕と目を合わせずに後ろにひっこんだ。
にゃろう。
「・・・とにかく、そんな脅しは無用です。てなわけで、張り切って例の事務所へゴー!」
「・・・どうでもいいけどテンション高いですね、小田口さん」
「ハッハッハ、そりゃあいつもいじられてる宿敵矢嶋祐一を言い負かしたんですからね!テンション上がりますよ!」
「・・・」
なぜだろう。ヒジョーに悔しい。
「さぁレッツゴー!」
僕の気持ちとは裏腹に、黒田さんの車はエンジン全開で突っ走った。
・・・速度違反。
アクセル全開、小田口さんのテンション全開で事務所まできた僕たちだったが、事務所前で持ち手無沙汰にせざるを得なかった。
『やることは限られてる』とは僕がさっき言ったが、事務所の自動ドアには鍵がかかっており、聞き込みするにも、深夜の事務所前通りの人通りは、無いと言ってもいいほど少なく、たまに来る人も、職質かけた方がいいような不審者である。
ようは、裏通り。
もう少し奥に行ったら、麻薬の販売くらい行われているかもしれない。
その不審者にもとりあえず聞き込みしてみたが、当然探偵事務所など知りはしなかった。というわけで、僕らの事務所前での聞き込みは早くも頓挫してしまったわけだ。
「こんな場所に事務所構えて、真っ当な探偵では無かったんですかね」
小田口さんは呟いた。
「まだそうとも言いきれませんがね」
「ねえ、ねえ」
「なんだよ」
僕は由希の方を向いた。
「事務所、入ってみようか」
「事務所?事務所に鍵かかってるからこうして聞き込みしかできないんじゃないか・・・って、あ」
忘れてた。こいつは鍵のかかっている所には入れないという一般認識は通用しない。
もうスカスカだ。プライバシーもクソもあったもんじゃない。
「で、さぁ」
由希はニヤニヤ笑いを始めた。
こいつがニヤニヤ笑いをする時は・・・。
「・・・いくら?」
「分かってるぅ!ラルゴのケーキ3000円分で手を打つよ」
「3000円!?」
ふぅ、1万とか言われなくてよかった。と、僕は驚きながらも内心胸を撫で下ろした。
「・・・分かったよ」
「えへへ、交渉成立!」
「あ、そうだ。どうせなら入ってから鍵内側から開けてきてくれないか?そうしたら僕らも調べられる」
「ん、分かった」
由希は事務所の壁へ文字通り突っ込んで消えた。
が、すぐに戻ってくる。
「ダメ。自動ドア開かない」
「へ?電源入れりゃいいじゃないか」
「でも、どこが電源か分からないんだよ。この辺り街灯もないし、真っ暗過ぎて部屋の中よく分からないんの」
参ったな・・・。
やっぱりそう上手くいくようには出来ていないか。
「仕方ない。お前が探して、何かしらの手がかりをここまで持ってきてくれ」
「何かしらの手がかりって何さぁ」
「それが分かってたら何かしらの手がかりなんて言わない」
「う、確かに・・・」
「頼むぞ。お前だけが頼りだ」
「うう、そんな時ばっか・・・自信、無いからね」
そう言って由希は消えていった。
「見つかりますかね」
小田口さんが呟く。
「さぁ。こればかりは何とも」
そもそも、探偵殺した奴らにすでに手がかりは持ち去られているかもしれないのだ。
それに加えて、探すのはあのそそっかしい由希。
これでは見つかるものも見つからない。
「そういえば矢嶋さん」
「はい?」
「ラルゴとやらのケーキっていくらくらいするんですか?高級スイーツって感じとか?」
小田口さんが尋ねた。
「いや、そんな高くないですよ。1つ300円から500円ってトコですか」
「ありゃ、普通ですね」
「ええ、リーズナブルで美味い。ラルゴのいいところです」
「・・・でも、300円ってことは、あの子1人でケーキ10個近く平らげるつもりなんですか?」
「つもりなんです。にゃろう、幽霊だから腹膨れないんですよ」
「じゃあ食べ始めたらキリがないですね」
そうなのだ。奴にケーキを食べさせたら、例え10個の約束でも収拾がつかなくなる。
もう1個、もう1個と連呼し、邪魔するとパンチが飛んでくる。
だからといって痛いのは嫌だから好きに食わせとく、というわけにもいかない。ほっといたら1日で自己破産の憂き目に逢うだろう。いや、大袈裟でなく。
僕はこれから起こるであろう修羅場を想像し、ため息をついた。
「あ、来ました」
それから10分くらい経って、由希はふわふわこっちに飛んできた。白い紙を抱えて。
「や、諸君」
「何かあったか?」
「うん。・・・というより、何が何だか分からなかったから机の中の書類、手当たり次第に持ってきた」
「手当たり次第?」
はは。これ全部領収書の束とか言わないよな。
ちょっと不安になる。
「あ、でも重要な物もあるはずだよ。このクリアファイルは、鍵のかかった引き出しから持ってきたからね」
「本当か!」
「うん」
僕は由希が手渡したクリアファイルを開いた。
「・・・ビンゴ」
「「え?」」
由希と小田口さんが同時に聞き返す。
「ビンゴだ!でかした由希!小田口さんこれは調査の記録です!」
「調査?」
「ええ。この探偵、結構危ないヤマを追ってたようですね」
「危ないヤマ?」
「咲元組の若頭筆頭が、組長の座を狙って組に反旗を翻すという噂を追っていたようです」
「えっ!そりゃ大事だ」
「咲元組?」
由希が首を傾げた。
死ぬまでは普通の高校生だった由希がこの辺を縄張りにしている暴力団を知ってるはずはない。
咲元組とは関東蓮武会と並ぶ関東1、2の大型暴力団だ。
僕が説明したら、由希は大声で
「そうか!」
と叫んだ。
「決まりだよ。その咲何とか組の若頭?が犯人だね。きっと探偵にチクられるのを防いだんだ」
「俺もそう思います」
小田口さんが由希の言葉を肯定する。
重要な手がかり発見。めでたしめでたし。
と、言いたいところだが、僕には気になる点があった。
「・・・まぁ、普通に考えればそうなんですがね」
おかしい所はある。
それはこの調査記録の存在そのものだ。
「何か問題でもあるッスか?矢嶋さん」
「・・・犯人は、なぜこの資料を奪っていかなかったのでしょう?」
「これを?」
「ええ。探偵を殺してまで隠したかったこの事実は、この資料がここにあることで警察の調べで白日のもとに晒されます。これでは探偵を殺すだけ損というものです」
「調査記録があることに気付かなかったのでは?」
「・・・その可能性は否定できません。ただ、咲元組の若頭ともあろう者が、そんなことにも気付かないのでしょうか?」
「うーん・・・なら、鍵が閉まっていたから回収をまたの機会に見送った、とか」
「小田口さん、人1人殺した奴がそんな律儀なわけがありません。回収したいのなら自動ドアをぶっ壊せばいい。鍵が欲しいのなら管理人から奪えばいい」
「うーん、確かに。なら、矢嶋さんはどう考えているんで?」
「さあ、それはなんとも。さっき小田口さんが言ったようにそこまで頭が回らなかっただけかもしれないし、僕の考えすぎなだけかもしれません」
調査記録がここにあるという点。僕はそれに対する不自然な点を指摘したわけだが、それが示す意味が僕にはまだ分からなかった。
・・・何にしても情報が足りない。
今回の事件はやっぱりヤクザ関連が関わっているようだ。
僕はそれについての知識があまりない。
調べるとするか。
この辺りのヤクザ情報や咲元組の内情に詳しそうな人物、か。
僕の頭には2人の男の顔が浮かんでいた。
1人は即除外する。
いくら幼なじみとはいえ、ヤクザの組長に話を聞きに行くのは気が引ける。できれば、彼に話を聞くのは最後の手段にしたい。
まあ、何にしても今は深夜。話を聞くにしても明日だろう。
「そうだ由希、助手の人はいたか?」
「人はとりあえず誰もいなかった。助手の机とかはあったのかもしれないけど・・・ゴメン、暗くてよく分からなかった」
助手が拉致られてるかはまだ分からない、か。
これも明日、ビルの管理人やタレコミの電話の男に聞くしかないな。
さて、大体ここでやれることは終わっただろうか。
「じゃあ由希ちゃん、それ元あった場所にお片付けしてきてね」
「へ?」
「いーから」
「うう、暗いの苦手なんだよね」
そんなこと言いながら由希はまた姿を消した。
幽霊が暗いの怖がってどうするんだろう。
「せっかくの手がかり返しちゃうんですか?」
「ええ」
僕は頷いた。
「僕らがあの資料を持ってる理由が説明できません。鍵のかかった部屋に鍵も借りずに入り込み、証拠だけかっぱらったとなれば、弁解が面倒です。泥棒への転職を勧められちゃいますよ」
「まさか幽霊が・・・なんて言うわけにもいきませんしね」
「そういうことです。ただ、今得た情報だけは捜査本部に流したいと思います。そうしないと苦労した意味も、ラルゴのケーキ代の意味もありませんからね」
「信じますか?入手先も明かせない情報を」
「うーん、本部長が幸兄でなければ信じないでしょうね」
僕はそう言って笑うと、携帯を取り出した。
相手はもちろん幸兄。
暇だったのだろうか。幸兄は電話にすぐに出た。
「よ、幸兄。元気か?」
「・・・元気じゃない」
お、不機嫌な声。
「どうしたの?美緒ちゃんに彼女でもできた?」
「違う!・・・拳銃携帯命令の件でな」
「ダメだって?」
「ああ。あのクソ共、人の命より自分の責任逃れのが大事らしい」
「ははは、そんなもんさ。上に立つ人ってのは」
父も祖父も、決してクリーンな人とは言えなかったしね。
「笑い事じゃない。何が刑事が発砲して民間人に当たったらどうする、だ。そうならないように訓練してきたんだろうが」
幸兄は珍しく愚痴り始めた。
某女刑事と酒を飲むといつも愚痴られるので、別に幸兄の愚痴を聞くのは苦ではなかったが、これでは話が進まない。そして電話代もバカにならない。さっさと本題に移ろう。
「ところで幸兄、報告したいことがある」
「・・・そういやお前も用があって俺に電話したんだったな。なんだ?」
僕は調査記録について入手の経過から自分の見解まですべてを語った。
加えて言っておくと、前述べたように由希と幸兄は顔見知りなので鍵のかかった部屋に侵入したくだりも報告しておいた。
「おい今すぐその資料元あった場所に戻せ」
報告を聞いた第一声である。
「もう由希に戻しに行かせたよ」
僕は苦笑しながら言った。報告に関する感想が欲しいのだが。
「・・・不自然な点はある。しかし、それしか証拠が無い以上、その咲元組若頭は重要参考人になるだろう」
「なるほど」
「このまますんなり解決すればいいんだが」
「何?今度の美緒ちゃんのピアノの演奏会に間に合わない?」
「ああそうだ・・・ってコラなんで知ってる」
「あっはっは、企業秘密だね」
真相を言うと、僕は美緒ちゃんとメールのやり取りをしているのだった。
心配だからって10歳の娘に携帯持たせるからそうなる。僕というタチの悪い虫が引っ付いたわけである。いやはや全く。
「じゃあね、また連絡する」
「おいコラ話はまだ終わって――」
ピッ
慌てる幸兄の声を聞きつつ、僕は通話の終了ボタンを押した。
うーん、ガチャ切りって楽しい。・・・こっちがする分には。
もう由希は戻ってきていた。2人共僕の電話が終わるのを待っていたようだ。
「ゴメン、待たせたね」
「相変わらず好きだねぇ。井原さんいじり」
「まあな。これはもう反射だ。幸兄と話すといつの間にかおちょくってる」
「・・・可哀想な井原さん」
「だな」
僕はヘラヘラと笑った。
反省はしてない。
「で、これからどうするッスか?」
小田口さんが尋ねる。
ふむ。今できることはもうないように思える。
・・・そういえば眠い。昨日から一睡もしていなかった。
「小田口さん、帰って寝ま――」
「ねぇねぇ、ひょっとして時間空いた?」
由希が嬉々として割り込んでくる。
う、嫌な予感。
「・・・ああ」
流そうかなとも思ったが、こいつも捜査に協力してくれたわけなので、眠いからと無下にはできない。
「ホント?だったらさぁ・・・」
僕はその先に続く言葉を予想してため息をついた。
〜裏コーナー〜
西岡 は〜い、今回も始まりました裏コーナーのお時間でございます!本編もヤクザだの何だのが関わってきて物騒になってきましたねぇ!
敦司 ・・・おいおい、テンション高いな西岡
西岡 お前こそテンション低いんだよ!――さあ今日は記念すべきゲスト初来場の回!一体誰が来るのか!ヒジョーに楽しみです
敦司 ぶっちゃけた所誰なの?ゲスト
西岡 え、知らないってばさ
敦司 なんだ、お前がそんなにテンション高いからてっきり美人さんでも来るのかと思ったよ
西岡 来んのか!?美人さん来んのか!?
敦司 知らないっちゅーに。・・・てかいつまで僕らだけで話してんだ?さっさとゲスト呼ぼーぜ
西岡 おう、そうだな。じゃあゲストさん、どうぞ!
おばさん ぬぅすんだバイクで走り出す♪
西岡 はい。えーっと・・・
敦司 どうした?待ちかねたゲストだぞ?しかも女性の
西岡 まぁ女性にはかわりないが・・・
敦司 が?
西岡 俺は『美人さん』と言った
おばさん 失礼だね!これでも昔はブイブイ言わせてたんだよ!『威氣威氣俄亜盧図』初代女番長とは何を隠そうこのおばちゃん・・・
西岡 え。このおばさんが女番長・・・
敦司 人は見かけじゃわからないの典型例だな。さて、ここまで話が進んで忘れちゃってる人もいるかもしれないので・・・
西岡 更新も遅いしな
敦司 一応紹介しておきます。僕が遺伝子研究所でぶっ倒れた時、介抱してくれたおばさんです
おばさん ちなみに好きな物は尾崎豊の曲、好きな人は尾崎豊!昔ヤンチャしてました!夜露死苦ぅ!
西岡 ・・・
敦司 どうした?
西岡 なあ敦司よ。今回、記念すべき一人目のゲストを呼ぶってことで、俺は無理矢理にもテンションを上げて、がんばってきた
敦司 うん。偉い偉い
西岡 そしてその結果がこれか?・・・いやこの際美人さんじゃなくてもいい。むしろ男でも良かった。でも、この人・・・
敦司 ・・・
おばさん ・・・
西岡 何かしたか?
敦司 ・・・
おばさん ・・・
西岡 お前を介抱して尾崎豊トークしてはいおしまいじゃねーか!何?記念すべき一人目にはもっとこう・・・ストーリー上重要な役どころの人を連れてくるんじゃねぇの?
敦司 西岡・・・
西岡 なんだよ
敦司 お前は知らなかったかもしれないが、このコーナーは使い捨てキャラの救済所でもあるんだ
西岡 な、な、な、な、な、な、な、な、なんだってぇぇぇぇぇっ!
敦司 知らなかったか
西岡 聞いてねーよ・・・なんだ、じゃあ俺らの役割は・・・
敦司 そう。哀れな使い捨てキャラを目立つように仕向けることだ
おばさん ちょっと!そう思ってるならおばさんにも話させなさいよ!
西岡 ・・・よし、決めた。今回からこのコーナーのタイトルは『裏コーナー〜使い捨てキャラたちの墓場〜』で決まりだ
敦司 い、いやいや。何も使い捨てキャラだけしか来ないコーナーじゃないからね?
西岡 え、そうなの?じゃあもういいから次行こうぜ次。さあ次のゲストは誰かなぁ。美人さん来るかなぁ・・・
おばさん ・・・そうかい。あんたたちアタシに喋らせる気はないということかい。ならおばさん歌っちゃうよ!
西岡 ほら何やってんだ敦司!そうと決まったらさっさとこのコーナー終わらせろ!
敦司 いやぁ、それはさすがに・・・おばさんが可哀想だろ
西岡 早くしろ!早くしないとこのおばさん尾崎豊の曲歌い出して版権問題やらなんやらでこの小説終わるぞ!
敦司 え!
おばさん 歌います!聞いて下さい・・・氣○團のわんないとかーにばる(片言)!
敦司・西岡 尾崎豊じゃないんかいぃぃぃッ!
チャラララララッラッラッラ〜♪
おばさん 俺んとこ来ないか?
チャンチャンチャンチャンチャララララン♪
おばさん アフォーッ!
敦司 ・・・似合わねぇ
西岡 早く終わらせよう。このままだとおばさんフィーバーし過ぎて死ぬぞ?
敦司 ・・・だな
西岡 それでは皆さん!
敦司 また次回!
おばさん わんないとかーにばる胸の奥♪・・・って待てやコルアァァァァッ!
―了―
人物紹介No.002 西岡 研 県立智林高校三年生。実家はすごい財閥。ムードメーカー兼トラブルメーカー。剣道部で、最後の県大会では優勝者の倉本と当たり、破れた。お調子者で女好き。ルックスはいいのでモテるが、行動に問題有りなので敬遠する女子も多い。そっち方面では、敦司をライバル視している。敦司の彼女ができない事情を知っており、最近彼女がいない敦司をからかって遊んでいる。一応友情には厚い。隠しているが実はかなりの怖がりで、オカルトその他云々聞くだけで拒否反応が起こる。