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プロローグ

 モニターが式典を映し出していた。

 アナウンサーがその様子をアナウンスする。


「…今第八代皇帝マオファ・ナジャ・クアツ陛下が退位宣言書にサインされました…」


 彼女は荷物を詰める手を止めて、その画面に見入る。


「今ここに、帝国八百年の歴史にピリオドが打たれた訳です…」


 八百年。

 彼女はその言葉を口の中で繰り返す。

 その中でいったい自分の生きてきた時間はどの位を占めるのだろう?

 荷物はそう多くなかった。

 ずいぶん長い間住んできた家だ。離れるのは悲しい。だけど。

だけど、あたしの役目はもう終わったから。

 お気に入りの流行のワンピースを着て、帽子をかぶり、スーツケースではなく、ありふれたバスケットだけを持って出たら、誰も彼女がその館から出たことに気付かなかった。下働きの若い女官が暇をとったのだ、と誰もが思った。


 翌日、旧帝国宮廷内に、先々代の皇后陛下の失踪の知らせがもたらさせた。

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