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翌日、部屋にはロレオ様と旦那様。その他に私の歌を聞いた事がある人達が沢山いらっしゃいました。

こんな大勢の前でとなると、矢張り、怖い……。

私は未だ鳥籠の中にいます。私が死んでしまえば、此処には誰が来るのでしょうか。誰が歌を歌うのでしょうか。

この鎖の“首輪”には、私以外にも繋がれる人がいるかもしれない。そして、その鎖を引っ張られ、息が出来なくなる人がいるかもしれない。

もしかしたら、私だけかもしれない。それならそれで、いい気もするけれど。

「――…サーシャ」

「……っ」

何処からかロレオ様の声が聞こえました。私は首を巡らせて、声の主を探しました。私が首を振る度に鎖がじゃらじゃらと音を立てました。

その様子を見ていた人達は、驚いた顔をしていました。何故なら、私はあまり身体を動かす事をしないからです。

巨大な鳥籠の中で座り、歌っているだけの姿しか、この方々は知らない。

「時間だ。やれ」

「畏まりました」

旦那様の合図を受け、鎖が引かれました。いきなり頭を釣り上げられる形になり、いつかの様にヒュッと喉に空気が入る音がしました。

「…っ、…っ」

苦しい。痛い。不思議と涙が出ました。目の前が白く霞んで歪んでいます。何かざわざわと聞こえますが、傷付いた耳と薄れゆく意識の中では、もうはっきりとは聞こえません。

意識が途切れる前、部屋の隅に蹲り、泣いているロレオ様の姿を見た気がした。

「父様の…嘘吐き……」


ロレオ様の呟きは、私の耳にはもう届かない。

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