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私はその日も、ロレオ様が来る事を願っていました。暇つぶしと言えば聞こえは悪いですが、私はロレオ様のお話を楽しみにしていたのです。

でもロレオ様は来ませんでした。旦那様と喧嘩をしなかったという事でしょう。それはとても良い事。…と思っていたのですが、扉の向こうから何か言い争っている声が聞こえてきました。

「どうして父様はいつもそうなんだっ!」

「お前こそ歳を考えろ。もう何歳になったんだ。子供染みた事をするのは止めろ」

「っ、まだ十七だよ!子供染みてたっていいじゃないか!!」

よく喧嘩をしているのは知っていましたが、その時の声を聞いたのは初めてでした。いつもこんな喧嘩をしているのでしょうか。喧嘩は良くありません。止めたいのですが、私は此処から出られません。

最近気付いた事なのですが、どうやら鳥籠には鍵がかかっていて外には出られない様なのです。一度扉を押してみましたが、びくともしませんでした。だから今回も駄目だろうと思いながら、扉を押してみました。

すると、キィ…と音を立てて開いたのです。まるで元から鍵なんてかかっていなかったかの様に。実際鍵は開けられていました。誰が何時開けたのかはわかりません。私は鍵を開ける人を見なかったからです。

私は恐る恐る鳥籠から出ます。旦那様の許しがない時に部屋を歩くのは初めてでした。ゆっくりと歩いて、扉に近づきます。まだ、喧嘩は続いている様でした。私はそっと扉を開けます。僅かな隙間から覗いていると、旦那様と目が合ってしまいました。

「何をやっている!何故部屋から出た!」

「も、申し訳御座いませんっ!か、鍵が開いていたので、つい……」

「鍵が開いていた?私は開けた覚えなどないぞ」

「私が開けました。何か問題でも?」

「ロレオ様が…?」

そう、鍵を開けたのはロレオ様だったのです。ロレオ様は私の方を向くと、にっこりと笑ってくれました。その後ろでは、旦那様が怒りを露わにしています。私は怖くて堪りませんでした。旦那様のお顔が見れなくて、私は俯いていました。そんな私の頭を、ロレオ様は優しく撫でてくれました。

「父様、サーシャが怯えてる」

「そんな物は知らん。お前が悪いんだろう。さっきの事と謂、今の事と謂…」

「何をしようが、俺の勝手だろ!?」

「言葉に気をつけろ」

「っ……」

ロレオ様は泣きそうなお顔をしていました。必死に耐えようとしていた様ですが、到頭泣き出してしまいました。

「何なんだよ……っ」

「見た目が成長しても、中身は餓鬼だな」

「っそんな言い方は止めて下さいっ!ロレオ様が可哀想です!」

私はつい、叫んでしまいました。そんな私を見てロレオ様は驚いたお顔に、旦那様はより不機嫌なお顔になっていました。しばらくして、旦那様は溜め息を吐くと「勝手にしろ」と言って廊下を歩いて行かれました。

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