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一般高校生の異世界ライフ  作者: テトメト
異世界とオオカミと犬耳少女
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スキル

 門番にギルドカードを見せアストの町に入る。


 お昼時の南通りはかなりの人で賑わっていた。

 昨日今日と朝っぱらしか通っていなかった俺には、なかなかに新鮮な光景だ。そのなかでも一際目に付くのはやはり獣人だろう。

 彼ら、彼女らは基本的に普通の人間の姿にイヌやネコっぽい耳と尻尾が付いている。他にはキツネやウサギみたいのも見つけた。

 獣人の特徴は外見だけでなくステータスにもあった。全員がなんらかの身体能力強化系のスキルを持っているのだ。俺も持っている視力強化や聴力強化のほかに、嗅覚強化なんていう獣っぽいものも見つけた。

 正直このまま獣人観察を続けるのもおもしろいが道行く人をじろじろ眺めるのは怪しすぎるし、さすがにおなかがすいたので先を急ぐ。


 途中、昨日見つけたうまそうな串焼きとパンの昼飯を取りギルドへと戻ってきた。

 串焼きは想像以上のうまさで何本でも食べれそうだったので、近いうちにまた行こうと思う。

 ギルドの中ではなかなかの数の冒険者が騒いでいた。さっと鑑定すると、テーブルに付いて騒いでる冒険者はほとんどが20レベルオーバーで中には30を超えている人もいた。

 その全てが何らかのスキル持ちで、驚いたのはその内半数ほどの冒険者が剣術のスキルを持っていたことだ。剣術は割とメジャーなスキルなのかもしれない。


 俺は依頼完了の報告をするためにノーラさんのところへ向かう。


「ノーラさん、ウサギ倒してきました」

「あら、リュージさんお帰りなさい」


 依頼を受けたときと同じようにギルドカードをノーラさんに渡してしばらく待っているとノーラさんに小さな袋を渡された。中を確認すると数枚の銅貨が入っていた。


「報酬はスローラビット1匹討伐につき銅貨1枚です。討伐数10匹なので 合計銅貨10枚です。お確かめください」


 と言われたので袋から出して確認すると確かに10枚入っていた。袋を分ける必要も無いのでそのまま財布に銅貨をしまい袋はノーラさんに返した。

 ノーラさんは小さく笑いありがとうございますと言うと袋を受け取りそのまま話しかけてきた。


「それにしても初めての依頼でウサギを10匹も狩ってくるなんてすごいですね」

「そうですか?」


 スキルの検証をやっていた分普通に狩るより時間がかかっていたような気がしたが、よく考えると普通は索敵のスキルを持っていないので獲物を探すのにもっと時間がかかるのだろう。


「そうですよ、普通は5匹狩るだけでも日が暮れてしまうことがほとんどです。もっともスキル持ちの方は例外ですが・・・もしかしてリュージさんも?」

「あーまぁそうですね」


 ギルドに来る前は俺がスキル持ちだということを隠していたほうが都合がいいかと思っていたが、剣術のスキルは覚えている人も多そうなので伝えてしまってもいいだろう。


「やっぱり!スキルはスラッシュですか?」


 スラッシュというのは剣術のことだろう。なぜそんな言い方をするのかと思ったが普通の人は鑑定が使えないから正式名称が分からないのだろう。


「えーと、たぶんそうだと思うんですが一応どんなスキルがあるのか教えてください」


 俺がまだ知らないスキルが絶対にあるはずだからこの機会に聞いておこう。できれば取得条件も教えてほしいのだがそれは難しいだろう。


「え?そうですね・・・いろいろなスキルがありますが、攻撃スキルは主に剣などで使う斬撃スキルのスラッシュ、槌などで使う打撃スキルのスマイト、槍などで使う刺突スキルのスピア、弓スキルのアロー、と各属性の魔法などがありますね」


 魔法!そうだよ魔法。ぜひとも覚えてみたいね、どうすればいいかはまったく分からないけど。


「えっと、他にはどんなスキルが?」

「他には鍛冶や調合などの生産スキルもありますが一番多いのはアイテムボックスのスキルでしょう」「アイテムボックス?」


 もう一度さっとギルド内を見渡し鑑定すると数人アイテムボックスのスキルを持っているも数人はいたが、多いというほどではない。

 俺が何を疑問に思っているのか理解したのかノーラさんが説明してくれる。


「アイテムボックスのスキルはアイテムをたくさん収納して持ち運ぶことができる便利なスキルで冒険者以外の方でもたくさんの人が習得しているんです」

「なるほど」


 剣術なんかの戦闘専門スキルと違いアイテムボックスは汎用性が高く一般的に普及しているということだろう。もしかしたら取得条件が簡単なのかもしれない。


「えっと・・・どうやったらアイテムボックスのスキルを覚えられるかってわかりますか?」

「スキルは生まれ持った才能に大きく左右されます。そのスキルを取得する素質があれば必要に応じてスキルを覚えることができるでしょう」


 ・・・つまり取得条件は分からないと。まあそれが分かればもっとスキル習得者が増えているだろうしな。


「後は・・・スキルを使った後、妙に疲れるのはやっぱりスキルのせいですか?」

「そうですね。一部のスキルは使用すると魔力を消耗します。そして魔力を消耗すると精神が疲弊します。使った魔力はしばらく休めば回復しますが、魔力回復用のポーションを飲めばすぐに回復します。ポーションはギルドでも売っているのでいくつか買っておくといいですよ」


 そういってノーラさんはギルド内の売店を示す。


「それにアイテムを持ち運ぶためのかばんも必要でしょう」


 ノーラさんはウサギの毛皮でふくらんだポケットに視線を送る。


「魔物の落としたアイテムはあちらのカウンターで買い取りをしています」


 2つ隣の買い取りカウンターと書かれた所がそうだろう。

 俺はノーラさんにいったん別れを告げ買い取りカウンターへと向かう。すると俺の前に買取をしていた冒険者がアイテムボックスを使っていた。アイテムボックスは小さな木箱のようなもので、その木箱からあきらかに大きさがおかしいアイテムが次々出てくる。全てのアイテムを出し終わったのかアイテムボックスは消えてなくなった。

 ちょー便利だなアイテムボックス、青いタヌキが持っている4次元収納ぐらい便利だな。

 前の人がお金を受け取り立ち去ったので前に出て、出されたトレイにウサギの毛皮を乗せる。毛皮は全部で5枚あり買取額は銅貨5枚だった。

 その銅貨を受け取った後売店へ向かう、そこで大きめのリュックと腰に巻くポーチ、HPポーションを2つとMPポーションを1つ買った。ポーチは戦闘中アイテムを取り出すのに必要だとお店の人に勧められて、ポーションはもっと買いたかったが、ちょっと値が張ったのでとりあえずいくつかだけ買っておいた。今のところまともにダメージを負ったこともないし大丈夫だろう。

 リュックを背負い腰に巻いたポーチにポーションをしまって、ノーラさんに武器屋の場所を聞いてからギルドを出た。

 ノーラさんの話では武器屋は東通りにあるらしい。


 東通りは南通りと違い食べ物の屋台などは少なく代わりにちょっとした小物やアクセサリーなどが売られていた。工房のような場所もちらほらと目に付くしこちらは職人通りのような場所なのだろう。

 さて、ノーラさんに教わった武器屋はすぐに見つかった。なかなかに大きな店で中に入ると大量の武器や防具が飾ってあった。

 きょろきょろと店内を見回しながら歩いていると店員に声をかけられた。俺は自分が新人冒険者であることと防具一式を買いに来たことを告げ、適当に見繕ってもらうことにした。

 店員が勧めてきたのはギルドでも見た皮の防具だった。若干デザインが気に入らなかったが今の所持金で一式揃えようとすると皮の防具になってしまうらしい。

 俺は皮の鎧と皮のグローブと皮の靴を買い装備した。他にも剣を吊るすためのベルトと整備用の油も買った。

 これで多少は冒険者としてマシになっただろう。


 ついでに東通りで替えの服と下着を2着ほど買い宿に帰った。おばちゃんに追加で宿代を払い部屋へと戻る。

 裸足で皮の靴を履いて歩いたせいで靴擦れして足が痛い。

 いったんサンダルに履き替えてもう一度東通へ行き手ごろな布と裁縫道具を揃えて宿へと戻る。靴下に開いた穴を塞ぐためだ。

 裁縫なんて中学の家庭科の授業以来だが、たぶん大丈夫だろう。


 予想通り靴下を縫おうと裁縫道具を準備した段階で頭の中に次々と手順が浮かび、流れるように靴下の穴を縫っていく。

 あらかた縫い終わった後今日の成果を確認するためにステータスウィンドウを開いた。


 名前 神楽坂(かぐらざか)竜司(りゅうじ)

 種族 人間種

 性別 男

 Lv 1 → 4

 HP 300 → 360

 MP 100 → 145

 ATK 20 → 35

 DEF 10 → 16

 INT 15 → 21

 AGL 10 → 16

 装備 鉄の剣 皮の鎧 皮のグローブ 皮の靴

 ユニークスキル:勇者の素質 魔王の素質 鑑定 並列起動デュアルキャスト

 スキル:剣術Lv1→Lv2 移動速度上昇Lv1 索敵Lv1→Lv2 隠蔽Lv1 身体能力強化Lv1 視力強化Lv1 聴力強化Lv1 暗視Lv1 逃げ足Lv1 解読Lv1→Lv2 見切りLv1 裁縫Lv1


 今日はレベルが3上がって4になった。やっぱり勇者の素質の効果でレベルアップが早くなっているのだろう。

 スキルは剣術と索敵と解読がLv2に上がり新しく見切りと裁縫のスキルを習得していた。剣術と索敵のスキルはウサギ狩りのときによく使ったからで、解読は町で視界に入った文字が自動で全部翻訳されていたからそのおかげだろう。見切りのスキルは回避率が上がるというものでウサギの攻撃をかわし続けたので習得したのだろう。裁縫は今さっき靴下を縫ったからだろう。


 ちなみに今日の買い物で残っていた銀貨を使い果たしてしまったので後は金貨1枚と数枚の銅貨しか手元に無い。

 明日はもっと報酬が高い依頼を紹介してもらおうと思い、ちらと窓の外に視線を送るとすでに空は夕日で赤く染まっていた。


 下に降りて夕飯を食べた後お湯をもらいさっと体を拭いた。

 それだけでもずいぶんさっぱりしたが、やはり日本人ならお湯につかりたいと思うのは当然の事だろう。

 しばらくは無理だろうがいつか手持ちにゆとりができたら風呂に入ろうと誓い、明日に備え早めに体を休める事にしたのだった。

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