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一般高校生の異世界ライフ  作者: テトメト
鍛冶とドワーフと生きた鉱石
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採掘

「リム鉱山に行きたい。地図と手ごろな依頼は無いか?」


冒険者ギルドにてロムとメルの冒険者登録及びパーティー編成を済ませた俺はフランとの合流はひとまず置いておいてメルのレベル上げを兼ねてリム鉱山の下見に行くことにした。


「地図は最下層の5階までの5枚で銀貨5枚です」

「最下層って・・・まるでダンジョンみたいだな」

「・・・まるでも何もリム鉱山はダンジョンなのです」

「えっ?マジで?」


ボソッと呟いた俺にこれまたボソッとメルのツッコミが入る。


「元々は普通の鉱山だったのですが少しづつ魔物が出現し始めて十年程前にダンジョン化したのです。おかげで魔物こそ出るようになりましたがダンジョンの修復機能で壁を掘ってもしばらくしたら元通りに戻るようになったのです」

「へー、枯れない鉱山か。ああだから誰でも採掘自由な訳ね」

「魔物の強さ自体も生まれたばかりな上、人が多く入るダンジョンなのでけして高くは無いですし、元々は人が掘った坑道なのでしっかりとした地図もあるのです。問題があるとすればダンジョン化の影響か鉱脈や鉱石の位置が常に変動するようになってしまった事ぐらいなのです。おじさんが銅や鉄が落ちてると言ったのはこういう移動した鉱石が偶然通路に出て来たもの事なのです」

「ほへー。メルは物知りだな」


まさかの博識キャラだったのか?


「い、いえ。この町に住んでる人ならこれぐらいは常識なのです」

「まあ、それもそうか」


自分の町の事だもんな。知ってて当然か。


「ちなみに階層と言っていますが別に階段とかがあるわけではないのです、何となく魔物が少し手ごわくなって何となく良い鉱石が出てくるようになる境目を便宜上階層といい分けているだけで実際は地つなぎで階層ボスも特に居ないのです」

「ボスモンスターが一体も居ないのか?」

「・・・最下層の最深部には居るんじゃないかと言われているのですが・・・」


そこまで言うとメルは受付嬢に視線を向ける。

受付嬢はその視線を受け小さく首を振った。


「今のところリム鉱山の最深部に到達したと言う話は聞きませんね」

「一度も?十年間で?」

「リム鉱山に潜る冒険者の目的は鉱石の採掘もしくはその護衛ですからね。持ちきれないほど鉱石を採掘したら当然引き返しますし下手にダンジョンボスを倒してダンジョンが消えてしまったら目も当てられませんからね」

「ダンジョンボスを倒したらダンジョンが消えるのか?」

「ダンジョンを構成する魔素が全て無くなるまでボスを倒し続けたらダンジョン自体が崩壊するという説もある。と言うだけで実例はありませんね」


ダンジョンはこの町の貴重な資源万が一があればって事か。・・・まあ実際崩壊した例は無いみたいだし俺は気にする必要はないな。メルが嫌がれば話は別だが。


「ふーん。ま、だいたい分かった。それで依頼は?やっぱり鉱石の納品?」

「そうですね・・・基本は各種鉱石の納品です。納品依頼は常に出ているので依頼を受けてから堀りに行くのではなく手元に鉱石がある状態でその鉱石の納品依頼を探すのがこのギルドの主流ですね。目当ての鉱石が掘れるかどうかはこの鉱山では運しだいですから」


確かに俺もRPGとかのお使いクエスト系は手元に納品アイテムがある状態でクエストを受けるようなことがしょっちゅうあったしそんな感じだろう。


「りょーかい。そんじゃあ地図だけ貰っていくわ。ほい、銀貨5枚。鉱山への道は・・・メル分かるよな?」

「はい。任せてくださいなのです」

「こちらがリム鉱山の地図になります」


受付嬢から五枚綴りの地図を受け取ってそのまま隣のメルに渡す。

地図を受け取り目を白黒させてるメルだが、俺は現在地の表示されない地図なんて貰っても絶対迷子になるし、メルの今回の役割は見学及びパワーレベリングで戦闘させる気は無いから役割的にも合っているだろう。

ナビかオートマッピング機能が欲しい今日この頃である。




「と言うわけで。やってきましたリム鉱山」

「「「おー」」なのです」


謎の光る鉱石が入ったランタンが吊るされまくっていて明るい坑道の中、つるはしを肩に担いだ俺の言葉にお供3人が答えてくれる。

このリム鉱山だが入鉱税に1人銀貨1枚払って空港とかにある金属探査のゲート的なところをくぐるだけで簡単に通してくれた。

このゲートがアイテムボックスの中にまで鉱石を隠し持っていないか分かる優れものらしく帰りは入り口で貰ったチケットと掘った鉱石を全部鉱山入り口の鑑定所に預け、ゲートをくぐった先でお金と引き換えに鉱石を受け取るという手順を取るらしい。

実に面倒くさい。

まあ金に困ってる訳じゃないからちょろまかす気も無いしいいんだけどな。


「んじゃ、ちと掘ってみるか。えいやこらっと」


俺は適当にそこらの壁につるはしを振り下ろす。もちろん鉱石が採れたりはしないがそれでもひたすら振り下ろす。

それをしばらく繰り返していたらちょっとコツを掴んできたような気がして効率的な力の入れ方。抜き方が何となくわかり一度に掘れる量が目に見えて上がった所で一息入れる。

確認すると採掘のレベルが一気に3まで上がっていた。毎度の事ながら魔王の素質さまさまだな。


「くはー。意外と疲れる」


つるはしを振っているだけだが。採掘のスキルをずっと使いっぱなしと考えればスタミナをごっそり持っていかれたのもまあ分からんでもないな。


「あの、何も鉱石が採れてないのです・・・」

「いいのです。ご主人様には私達では及ばないすばらしい考えがあるのです」

「はぁ・・・」

「まっ、そう言うことだ」


実際今の俺の目には鉱石が採掘できそうなポイントが何となく光って見えている。弱弱しい光だが集中すればどこを掘るかで悩む必要はなくなりそうだ。

まあ回復までもうちょっと休憩は必要だが。


「見てみてリュージ!セシルおねぇちゃんとロムで倒したの!」


そういってロムが見せてきたのはいくつかの魔物のドロップアイテムだ。俺が何も無い壁を掘っている間ちょこちょこと魔物がエンカウントしていたのは知っていたけど気配から言ってセシルとロムだけでも余裕で倒せるほどのザコだったので2人に任せていたのだ。


「よしよしえらいぞーロム」

「むふふー」


誇らしげに胸を張るロムの頭を撫でて受け取ったドロップ品をアイテムボックスに突っ込む。後で冒険者ギルドに売ろう。


「さて、体力もほどほどに回復したし本格的に採掘を始めようか。ロムとセシルは引き続きザコの相手を頼む。多少なら俺から離れても大丈夫だからなるべくたくさん倒してくれメルは危ないから俺かセシルの傍から離れないように」

「はい。わかりました」

「わかったよー」

「・・・マスターのご命令なら従うのです」


気持ちいい返事を返してくれた二人と違いメルの返事は不満げ・・・というか訝しげだ。今まで散々掘って空振りだったのにまだ掘ろうとは頭おかしいんじゃないのか?という顔だ。いやそこまでは考えてないと思いたいが。


だいぶ手になじんできたつるはしを手近な採掘ポイントに振り下ろす。

ポロポロと崩れた土と一緒に転がってきた石を拾って鑑定すると銅鉱石と出た。


「それは銅鉱石ですね。精錬すると銅になります」


メルがちょっと驚いた顔で言う。休憩明け一発目で鉱石を引いたことに驚いたのであろうがこんなもんじゃない。

俺はそれからもぼろぼろと銅鉱石や鉄鉱石を掘っていく。最初はいちいち驚いていたメルもじきに俺が採掘のスキルを持っていることに気付き納得したようだった。

そんなこんなでそろそろ晩飯の時間になるまで俺は採掘のレベル上げを。セシルとロムでメルのレベル上げをしてこの日は引き上げることにした。


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