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一般高校生の異世界ライフ  作者: テトメト
勇者と魔王と愚かな選択
36/47

赤い満月

読んでいただきありがとうございます。

本編とはまったく関係ありませんが夏真っ盛りということであとがきでテトメトが体験した鳥肌必至の怖い話をしたいと思います。

苦手な方は本文が終わり次第ブラウザバックしてください。

ルーセルを出発してから一週間。俺達は未だに馬車に揺られていた。


「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・ふぁ~あ」


恐ろしく暇である。というのも行けども行けども地平線まで続く長い一本道。遠くには小さく目的地っぽい山が見えるが一向に大きくならないし左右は荒れた荒野がどこまでも続いている。空は曇天に覆われ昼か夜かすらも分かりにくいほど薄暗い。まったく代わり映えの無い景色にいい加減飽き飽きしているのだ。


「なあフランまだ着かないのか?」

「えーっともう着くと思うんですけどねー」


もう何度も繰り返した問答をまた繰り返す。フランの話ではルーセルからドワリムまでとアストからルーセルまではほぼ同じ距離らしい。山道なのを考慮しても4,5日あれば十分着くだろうという計算だったのだが現実には一週間経った今も山道にすら入っていない。道を間違えたのかとも思ったがルーセルからすっと一本道だったし間違えようがない。幸い食料はアイテムボックスに適当に詰め込んでいたのがあるし、水は一般魔法レベル2のウォーターで確保できたから飢え死ぬことこそ無かったがいつまで経っても変わらない景色に徐々に不安が芽生えてきて口が重くなっていった。←今ココ。


「はぁ。いつになったら着くんだよ・・・」


不満を言っても状況は改善しないどころか他のみんなの気持ちを盛り下げるだけだと分かっていてもついつい口をついて出てきてしまう。俺は無駄とはわかっていても何か見えないかとまた馬車から顔を出して前を覗き見た。


   ******


「くふふ。だいぶ弱ってきました、ね?」

「ええ、アイテムボックスを持っていたのは誤算でしたが同じ場所を永遠彷徨い続けさせるだけで心が折れかかってますな。人間とはなんと弱い生き物なのでしょう」

「久しぶりの・・・若い女の魂・・・楽しみ・・・」

「くふ、それでは作戦を第二段階に進めましょう。彼女らにはもっと絶望して貰いませんと、ね?」

光の届かない真の暗闇の中で三つの影が怪しく揺らめいていた・・・。


   ******


「なんだありゃ?」


特に何かを期待して前を見た訳では無かったのだがスキルで強化された視界先の道の異変を正確に捕らえた。


「地面が、動いてる?」


馬車が向かう先の地面が数箇所ボコボコと盛り上がって来ていた。


「フラン!様子が変だ、速度を落とせ!」

「は、はい。分かりました」


俺は不自然な脈動を続ける地面を睨みつける。今のところ索敵には何も反応が無い。ということはあれは魔物では無いのか?だが魔物じゃないとしたらあれはいったい・・・。


「・・・!」

「ご主人様!」


俺とセシルの体がビクッと跳ね、セシルも慌てたように馬車のふちに飛びつき前を見る。まぁそれも仕方ないだろう。なにせ突然前方に魔物の反応が数十単位で出現したのだから。


「ひぃ!りゅ、リュージさん!なんか、なんか出てきてますぅー」


御者をしているフランから悲痛な叫びが届く。魔物の反応が出たと同時に雲が突然掻き消え空にはドでかい赤い満月が出現し道を照らしていた。さっきまで昼だったんだがそんなことを気にしている余裕はこの場の誰にも無かった。また距離が近づいたこともありフランにも前方の魔物を視界に収める事が出来たようだ。

その魔物達は地面から続々と腕を突き出し、その腕を突っ張り体を地上に引っ張り出している。そいつらは皆人型をしておりボロボロの布切れを申し訳程度に身につけ、朽ちた体を引きずってア゛ーとか言いながらこちらへ接近してくる。ありていに言えばゾンビだった。


「・・・フラン」

「リュージさん」


フランは俺の呼びかけに期待に満ちた目で俺の顔を見る。今まで降りかかる災厄をかっちょよく撃退して来た俺ならばこの状況もあっさり覆せるだろうと思っているのだろう。俺はそんなフランを安心させるように微笑みを浮かべ・・・


「急速転進!逃げるんだよぉーーーーー!!」

「は、はいぃーーーーーーーー!」


撤退を指揮した。索敵の反応を見る限りゾンビ単体の戦力はたいしたこと無さそうだ。具体的には鉄の剣の通常攻撃で2、3体まとめて切り倒せそうなレベル。だが俺の手元に今剣はない。つまり俺は魔法で戦わなければならないということだ。だが俺は魔法での戦闘が余り得意では無い誠意練習中だ。セシルに関しては特に問題ないがロムは奴隷契約で戦闘ができない。フランは論外。となると今俺達の中でまともに戦闘が出来るのはセシルだけになってしまう。この状況で無駄に戦闘をする必要性は無いだろう。幸いゾンビどもとはまだ距離があるし移動速度もさほど速くない。Uターンして飛ばせば楽に逃げ切れると思っていたんだが、


「リュージ!前からまたゾンビが!」

「ちぃ!」


逃げた先に別のゾンビだ。


「フラン止まるな!駆け抜けろ!」

「はいぃーー!」


フランは半泣きになりながらも正確に馬を駆けゾンビに突撃する。前に立ちはだかるゾンビは少ない3体だ。まだ距離もあるしこれならいけるか。

俺は御者台に座るフランの横に身を乗り出し手を前に翳して土魔法を詠唱する。

俺の詠唱に従い地面から土が飛び上がり手の前で凝縮。3つの土の塊となる。

土の塊それぞれで3体のゾンビを照準し射出。スラッシュと同等ほどの高速で飛んでいった土弾は狙いたがわずゾンビの頭を吹っ飛ばし絶命?させ馬車は倒れるゾンビの横を駆け抜けていった。


ふぅ~と息を吐き伸ばしていた手を下ろす。やはり魔法は使いづらい。

剣術もそうだがこの世界のスキルはイメージ力が大事だ。スラッシュは剣が通る軌跡だけを思い描けば良かったが魔法はそうはいかない。

さっき使った土弾でさえ、地面から土を取り出す。取り出した土を凝縮する。凝縮した土弾を照準し射出する。の3工程が必要だった。工程が増えるほどイメージしなければならないことが増え負担が増えるし何より時間がかかる。

それに俺は土魔法の3つ並列詠唱で対応したが魔法は敵に当たり効果が完全に消滅するまで終わらない。

つまりどういうことかというと魔法の効果が完全に終了するまで次のスキルは使えないということだ。まぁ俺は並列起動があるからマシだが効率が悪いことには変わりない。

ゾンビ戦に関してはロムから覚えた火魔法で火矢でも放ったほうが相性がよさそうな気がしないでもないが火魔法はレベル1で土魔法はレベル3だ。レベル1の火魔法じゃホントに小さい火しか出せない。

それでも火魔法を使って一気にレベルを上げたほうがいいか、それとも土魔法でゴリ押したほうがいいか悩んでいたら自分を見つめる目線に気付いた。


「ん?」

「さすがですご主人様!もう土魔法を使いこなしていらっしゃるんですね!」

「すごい、すごい!リュージ!私は何回練習してもほのおを遠くに飛ばせなかったのに!」


毎度恒例キラキラビーム×2だった。無邪気に俺を褒め称える2人を見ているとこんな状況でも心がほっこりしてついつい頬が緩んでいき、


「って、落ち着いてる場合じゃないですよぉーーーー!!!前!前からまた出てきてます!いっぱい!ゾンビが!」

「ああ、ああ分かってるよ。俺とセシルは索敵スキル持ちだぜ?」


前どころか全方位を大量のゾンビに囲まれているのを理解している。理解していてわざといつもどおりに振舞っているのだ。


「フラン馬車を止めろ」

「え?」

「こうなりゃ総力戦だ。ヤツラには土に還って貰おう。永遠にな」

「はい・・・その、私が言うのもなんですが・・・余り無茶しないでくださいね?」

「ああ。俺に任せとけ」


前方から迫るゾンビを前にフランが馬車を止める。

馬車から降りた俺とセシルは這い寄ってくるゾンビたちを睨みつける。今の自分が出ても足手まといにしかならないと理解しているのであろうロムは馬車の中に留まったまま悲しそうな顔で俺を見ている。どうせまた懲りずに自分を攻めているのであろうその頭をぐしぐしと撫でロムに笑いかける。


「いい子で待っていてくれな。心配しないでもお前のご主人様は超強ぇーんだぜ?」

「うん。知ってる。・・・がんばって」

「おうよ!」


ロムの頭から手を離した俺は馬車の前に立ちレイピアを抜いて待機していたセシルの隣に並びゾンビを見る。ゾンビどもは馬車を守るように前に出た俺達へ向けて一斉に接近してきた。




はい。というわけで鳥肌必至の怖い話をしたいと思います。

苦手な方はここで読むのをやめてください。それでも読むという方はガチで鳥肌が立ったら評価と感想くれたら嬉しいな。 |ω・`)チラッ



さて、まずはある暑い日の事テトメトはいつもと同じように仕事をしていました。テトメトはその日外仕事をしていたのですが突然の雨に合い全身びしゃびしゃになってしまったのです。それはもう上着もズボンも腰ベルトにつけていた工具も全て滝の中に突撃したかのごとく、ぐしょぐしょになったのです。ですがその日は特に問題はありませんでした。体を拭いて服を着替えておしまいです。その次の日も問題はありませんでした。問題が発生したのはさらにその次の日。いや、正確には問題が発覚したのがその次の日でした。その日もテトメトは外仕事でいつものように腰ベルトを着けふとペンチを取り出してみると・・・

そこにはペンチの金属部分を全て覆い尽くさんとする程のオレンジの円の中に黄色の丸模様が入ったまだら模様がブワーっと、まるでたちの悪い伝染病の様にビッシリ付着していたのです。その伝染病の名はサビ。二日前雨にぬれたペンチをそのまま放置していたがために起こった悲劇だったのです。

テトメトは全身一気に逆立った鳥肌を抑えつつ半泣きになりながら必死でペンチを洗いました。すると元通りとまではいかないまでも気色悪いオレンジと黄色のまだら模様は無事に落ちましたとさ。めでたしめでたし。



テトメトはあれ以来ペンチを見るたびに若干鳥肌が立つようになりました。あれは本当に怖かった・・・。

というわけで皆さんもぬれた金属の手入れはしっかりやりましょうね。でないとあなたにもたちの悪い伝染病が移るかもしれませんよ?

以上ホントにあった怖い話でした。それではまた次回。

さよなら。さよなら。さよなら。

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