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一般高校生の異世界ライフ  作者: テトメト
鬼とサーカスと少女の涙
31/47

約束

今回はきりが良かったのでちょっと短めです。

最近仕事が忙しくて更新が遅れ気味で申し訳ない

「邪魔だ!どけ!!」

「ダメです!落ち着いて下さい!」


俺は今、このルーセルの町を襲っている破壊の中心地であるサーカスがあった場所へ向かおうとして、騎士逹に羽交い締めにされていた。


盗賊モドキどもを軽く潰した後ルーセルの町に戻ってきた俺とセシルは町から火の手が上がっているのを発見。急いで町に入り事情を聞いたところサーカスで飼っていた鬼が逃げ出して暴れているらしいという情報が入りサーカスがあった場所に全速力で駆けつけたんだが警護に当たっていた騎士達に止めれた←今ここ


「あそこにロムが居るんだろう!?俺が行かなくちゃダメなんだ!はっなっせ!」

「1人で行くなんて死にに行くようなものです!もうすぐ討伐隊が編成されますからそれを待ってからでも・・・」

「それじゃ遅いんだよ!!」


討伐隊。つまりはロムを殺すための部隊だろう。そんなの待っていられない。


「どけ!どかないと・・・切る!」


さすがに殺しはしないがしばらく寝ててもらおう。

そう決め無駄に体をゆすって振りほどこうとしていた動作を止めまとわり付く騎士たちを見下ろすと勝手に威圧が発動。突如俺から放たれた威圧感に騎士達はビビッて離れていった。最初からそうしろよまったく。


「待て」


さあロムの所へ向かおうと思ったらまた止められた。

イラッとしつつ振り向くとそこには全身フルプレートのまた騎士っぽいヤツが立っていた。コイツはなかなか強そうだな。


「ご主人様!」


と、ここで遅れて走っていたセシルが追いついた。これで二対一だ。なんならセシルを足止めに置いていってもいい。


「ふん。邪魔をするならお前も切るぞ」


俺は新しく現れた騎士にも剣を向け啖呵を切る。が、騎士はまったく気にしてないようで仁王立ちのまま全く動じない。


「だ、団長・・・」

「まったくだらしない。お前らは後で特別訓練だ覚悟しておけ」


コイツ騎士団長か?なんにせよ人を呼びとめておいて無視かよ


「まて、そこの冒険者よ」

「っ!だからなんだよ!」


騎士団長を無視してロムの元へ向かおうとしたが肩を掴み止められたので仕方なく腕を振り払いつつ騎士団長を睨む。


「今は少しでも戦力が欲しい無駄に死なれては困るのだ」

「そっちの事情なんか知るか。俺はロムを助けに行く」

「ほう、あの鬼の知り合いか。だが今のあいつはこの町を襲っている大罪人だ。そんなやつを庇う程の義理が貴様には有るのか?」


それは・・・どうだろう?ロムが暴れていると聞いてすぐに飛んできたが確かに言われてみれば1日一緒に町を歩いただけの関係だ。命を懸けて止めにいくほどの義理はないかもしれないだろう。だが・・・


「・・・約束したんだ」

「ほう?」

「また会おうと、また一緒に町を歩こうと・・・それに・・・」

「それに?」


俺は覚えている。一緒に町を歩いたときのロムの無邪気な笑顔を。俺がロムを人間だと言った時の涙を。

だがそれは今コイツに言うことじゃないだろう。


「・・・友達を助けるのは当然だろう?」

「ふっ、友達かそうかそうか、ふふ」


うわ、いきなり笑い出したぞコイツ。キモい


「だが今のアイツは言葉が通じるような状態ではない。私は実際に見てきたから分かる。アイツは人でもなければもはや鬼でもない。ただの人の形をした破壊衝動だ。貴様の事ももう分からないだろうそれでも行くのか?」

「ロムが俺を分からないことが俺がロムを助けない理由になるのか?」

「ふっ、そうか、そうだろうな」


騎士団長は何がつぼったのかくつくつと笑い続けている。なんにせよ俺の邪魔をするような雰囲気でも無くなったので先を急ごうと・・・


「まぁ、待て」

「だぁーーー!何だよさっきから!」

「角だ」

「あ゛ぁ!?」

「角を狙えと言っている。私は少しだが魔法の心得がある。その私の見たところどうもあの角から禍々しい魔力が出ているように見えた。あの角に衝撃を与えることが出来ればあるいは貴様の声も届くやもしれん」

「え?」


今コイツ俺にアドバイスしてくれたのか?


「恩に着る!」

「ふん。何のことか分からんな」


俺は脇にどいた騎士達と騎士団長に背を向けて走り出した。



しばらく進むと破壊された建物がちらほらと見え始め火の手も見え始めた・・・ふむ。


「セシルはここで待っていてくれ」

「そんな!私も付いていきます!」


ですよねー。でもセシルを連れて行くのはちょっと不安なんだよね。セシル、回避率はなかなかなんだが防御力に不安がある。サーカスを見るかぎりロムの攻撃力はバカにできないしな。ていうかセシルが傷つくところを見たくない。


「落ち着け。セシルにはここに残って討伐隊の足止めをして欲しいんだ」

「足止め・・・ですか?」

「そうだ俺が目の前の戦いに集中できるように俺の背後を任せる。これはセシルにしか頼めないことだ」


他に誰もいないからな。


「!!分かりました!私に任せてください!!」


セシルなんてチョロい子なの。・・・若干心が痛いがしょうがない。


「では行ってくる」

「はい!絶対にここから先には誰も通しません!」


・・・ちょっと煽りすぎたかな?まあいい口から出たでまかせだがこれで背後を気にせずロムの元へと向かえるのは確かだしな。




「ロム!」


幸いロムはすぐに見つかった。というのもある程度近づいたら爆発音が響いてきたのでそっちへ向かったら瓦礫の上でロムが棒立ちで立っていたのだ。そのロムから生えている角それがでかい。普通で5センチ程度。鬼化して10センチ程度だったはずだが今は20センチ近くもある。これは完全に凶器となりえる大きさだ。


「ロム!目を覚ませ!」


こちらに背を向けているロムに声を掛けるとロムは顔を斜め上方向にグリンと向けこっちを見る。分かりやすく言えばシャ○度。ぶっちゃけ怖い。首折れそう。


「・・・!」


しばらくボーと俺の顔を見ていたロムだが突然その瞳から一粒の涙を零れ落とした。

瞬間ロムの纏っていた空気が急変し攻撃的な気配を全開にし俺を睨む。

またロムは一気に姿勢を落としほとんど地に這うような体勢で四つんばいになる。


「グルルルルルル」


ロムは可愛い顔を歪め獣のうなり声を上げて俺を威圧する。

ロムが踏みしめている地面が陥没していることからその細い指にどれだけの力が込められているのか想像に難くない。


「ロム・・・」


最初の反応からもしかしたら俺の事が分かっているのかも!と思ったがそんなことは無いようだ。

まあそれは問題ない。分かってくれたらラッキー、分からなくて予想通りだ。


「約束・・・果たしに来たぜ」


俺がやることは簡単だロムの角に何とかして衝撃を与えロムを正気に戻すことだ!


「さぁ俺達の戦闘(デート)を始めよう・・・!!」


剣を抜き放ちロムに向け宣言する。その言葉に、あるいは剣に反応しロムの髪と手足が燃え上がり炎の軌跡を残しながら弾丸のように俺へと突っ込んできた。


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