グミスライム
ふらんで変換したら腐乱って出て吹いた今日この頃
「護衛任務を引き受ける代わりにいくつか条件がある」
「・・・ごくり」
俺とセシルは現在ギルドの二階でフランに護衛任務の交渉をしている。
「俺逹この町を出て王都に向かうことにしたんだ。だからフランには王都へ向かってもらう。・・・だがまぁ半年以内に着けばいいからルートはフランに任せる」
「・・・」
フランは俺の言葉の真意を探るようにしばし沈黙した後、ポツポツと喋りだした。
「・・・つまり?・・・無料で護衛する代わりに王都まで乗せて行ってくれってことですか?」
「まぁそうだな。でも別に悪い話じゃないだろ?」
「いやまぁそうですけど・・・普通それは護衛任務を受けるとは言いませんよ・・・」
「よし、じゃあ決まりだな!よろしく頼むぜフラン」
「はいはい、リュージさんこそしっかり護衛してくださいよ?」
「おうよ、任せとけ」
王都までの足、ゲットだぜ!
「・・・あの、ご主人様?そちらの女性とはどういったお知り合いなのですか?ずいぶん仲がよろしいようですが・・・」
話が一段落したのを感じてかセシルがこそっと聞いてくる。二人きりの時以外は未だに無口ぎみなセシルが自分から話かけてくるとは珍しいな。もしかして嫉妬かな?可愛いやつめ。
「そうです!私もずっと気になっていました!リュージさんをご主人様と呼ぶその美人さんはいったい誰なんですか!」
セシルの声が聞こえていたようでフランも食いついてくる。
そういえばフラン、セシルに声かけられた時だいぶキョドってたしな、セシルの美人っぷりに押されたのかな?フランも十分可愛いと思うけどな。
「えーとセシル。オオカミの討伐任務が出たときに襲われた商人がいるって話をルドルフさんがしていたのを覚えているか?」
「はい・・・あっ、もしかして?」
「その襲われた商人ってのがここにいるフランだ。んで俺は襲われているフランを助けた恩人って訳だな」
「なるほど。流石ご主人様です!」
出た!S K K(命名俺)
「その節はどうもありがとうございました」
「あはは、この一週間でお礼も言われ慣れちまったしな、気持ちだけ貰っておこう・・・んで、こっちがセシルだ。セシルは俺の・・・まぁパーティーメンバー兼戦闘奴隷ってとこか?」
「戦闘奴隷ですか?こんなに美人さんなのに?性奴隷の間違いじゃないですか?」
「・・・訂正するほど間違ってはいないな」
「もうっご主人様ったら」
「あらあらお熱いですね」
セシルが薄っすら頬を染めて照れ、フランが冷やかしてくる。
「そういうのは別にいいから。・・・で?いつ町を出る?」
「そうですね、私はなるべく早いほうがいいです」
「俺も早いほうがいいな。なんなら今から出発するか?」
「いやさすがにそれは・・・そうですね、明日の朝、東門前で集合でいいですか?」
「おう、俺はそれでいいぜ。セシルはいいか?」
「はい、私はいつでもご主人様の傍に」
「それじゃまた明日。ちゃんと準備しといてくださいよ?」
「任せとけ。・・・ところで準備って何がいるんだ?」
「リュージさん・・・」
そんな、コイツ本当に大丈夫か?みたいな不安そうな目で見るのやめろよ。
「今回はフランさんの馬車を使わせていただくので私達で準備するのは食料と毛布ぐらいでしょう」
「そうか、じゃっ買ってきといてくれ」
「はい、分かりました」
「リュージさん・・・」
そんな、コイツ本当に大丈夫か?みたいな見下した目で見るのやめろよ。俺だって好きで引きこもりしてんじゃねーんだ。俺が町に出てもろくに買い物もできねーんだよ。
「それじゃあ今度こそまた明日」
「おう、じゃあなフラン」
「はい。また明日」
フランは俺たちと別れ用事があるのか早足で去っていく。
「最後にノーラさんに挨拶だけして俺たちも帰るか」
「はい、ご主人様」
ノーラさんに明日町を出るということをまたセシルに呼び出してもらい伝え、互いに別れと再開の挨拶をした後宿へ帰った
明日町を出るというのにやっぱり俺は何もせずに部屋で引きこもって過ごしていた。セシルは忙しそうに旅の準備をしていてとても邪魔できる雰囲気じゃなくけっこう寂しかった。だから代わりに夜ベットの上でいっぱい可愛がらせてもらった。満足。
てなわけで次の日。
「すまん!遅くなった!」
「すみません!」
「まったくですよ。いったい何時間待たせるつもりですか」
「悪かったってば。機嫌直してくれよフラン」
ぺこぺこと頭を下げて謝り倒し最終的に串焼きをご馳走することで和解した。なんとなく乗せられたような気もするがまあいいだろう。
「さて、それじゃあ出発しますか」
すっかり機嫌が直った様子のフランが場を仕切る。
「おうよ!・・・ところでどこへ向かうんだ?」
「王都へ向かうということですのでとりあえずルーセルを目指そうかと思います」
「ルーセル?」
「はい。ここからだと馬車で3日程の距離にある町ですね」
「ふーんまあそんなもんか」
フランの見立ては移動速度上昇のスキルが無い状態でだろうから実際はもう少し早く着くだろう。
「リュージさんは馬車での移動に慣れていないようでしたのでまずは一番近い町へ行くことにしました」
「おお、マジかありがとな」
「べ、別にリュージさんの為だけじゃないですけどね」
おおツンデレだツンデレ
「じゃ行くか」
「はい、ご主人様」
「ちょっと!勝手に仕切らないでくださいよー」
御者のフランを置いて真っ先に馬車に飛び乗る俺と俺に続くセシル。なにやらぶつぶつ呟きながら乗り込んだフランを連れ馬車はアストの町から離れていった。
三時間後。
「・・・暇だ」
俺は馬車の荷台で寝転び完全に暇をもてあましていた。
「・・・暇だ」
荷台から眺める景色はずっと変わらないなだらかな草原ばかり。30分で飽きたわ。
「暇だ暇だ言ってるともっと退屈になりますよ?・・・今日はこの子の調子もいいようですし予定より早く着きそうですし我慢していてください」
「あーい」
フランは自分の愛馬を見ながらそう言う。いつもよりも馬車の速度が速めなのは愛馬のおかげじゃなく俺のスキルのおかげなんだが・・・まあいいか。
「セシルー、ヒマだー、かまえー」
「はいはい。次は何をしますか?」
馬車に揺られている数時間俺はセシルで遊んでいた。もといセシルと遊んでいた。
具体的にはセシルの尻尾をブラッシングした後モフモフしたり枕にしたり。きれいな髪を梳いて三つ編みに挑戦して挫折したりしていた。
「んーそうだなぁ・・・!」
「ご主人様」
「ああ、魔物だな」
「なんですって!?」
俺たちの話を聞いていたのであろうフランがひっくり返らんばかりに驚いている。
俺は驚くフランを無視して御者台に上り道の先を見据え鑑定を発動する。
グミスライム
Lv5
レベルたったの5か、ゴミめ
「グミスライムだな。まあ俺たちの敵じゃないだろう」
「そうですね。グミスライムでしたらブラッディーウルフよりも下位の魔物です」
「グミスライムは近づいただけで攻撃してくるので普通は見つけたら迂回していくんですが・・・ではこのまま進みますね」
弱っちい敵だがそれでも久しぶりの魔物との戦闘だ、かなり退屈していたこともあり俺は内心わくわくしながら馬車から身を乗り出し道の先を見ていた。




