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一般高校生の異世界ライフ  作者: テトメト
異世界とオオカミと犬耳少女
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手紙

 あの日はそう、いつもと変わらない平和で平穏で退屈な一日だった。そのはずだった。


 いつもと同じように学校へ行き、代わり映えのない授業を受け、重い体を引きずり家へ帰る。

 いつもと同じ惰性の日々。だが、高三にもなり人生の約半分を学校ですごしてきた俺には、それがおかしなことには思えなかった。


 ただひとつ・・・つまらない、とだけ。


 そんな俺の最近の日課は、家に帰ってベットに飛び込み枕元でノートPCを起動させ、戦艦を擬人化したネットゲームでレベリングしつつ、動画サイトで実況動画を見つつ、DSPでRPGをやり、手が空けばWEB小説を読むことだ。

 親は、俺がリビングでDSPをやりながらアニメを見てると、ちゃんと内容が頭に入ってるのか不思議なようだが、できるものはできるのだからしょうがない。

 そんな一見ダメ人間の引きニートみたいな俺だが、学校には毎日欠かさず通ってるし、成績もそんなに悪くない、中の上ぐらいだ。

 ちゃんと勉学にも励んでいるので特に親もうるさく言わない。


 話が逸れたが、その日もいつものように家に帰り次第、ベッドへダイブしPCを起動、動き出すまでしばし仰向けで目を瞑っていた。俺はこの僅かな時間が結構好きだった。


 ひらっ ぱさ


「・・・ん?」


 そんな俺の顔の上に何か軽いものが落ちてきた。

 体を起こしその何かを手にとって見るとそれは・・・


「・・・手紙?」


 始めて見るロウのようなもので閉じられた手紙だった。


「かあさんが置いてったのか?」


 にしては変だ、俺は今ベッドの上にいてその上には天井しかない、手紙が上から落ちてくるはずがないんだが・・・


「まぁベッドに飛び込んだとき舞い上がったのか?」


 にしては飛び込んでから落ちてくるまでにやけに時間差があったが、そんなことはどうでもいい。

 その手紙には差出人の名前はなかったが「神楽坂竜司 様へ」と書かれていたので間違いなく俺宛だろう。


「なんだ・・・?テレカでも当たったのか?」


 俺ははやる気持ちを抑え、慎重に手紙を開け中身をみたその俺の目に飛び込んできたのは!



 《ぱんぱかぱ~ん おめでとうございま~す。あなたは見事異世界へ行く人間第一号に当選しました~》


 とだけ書かれた紙が一枚だけ入っていた。


「・・・さて、新しい動画あがってるかな。」


 俺は見なかったことにしていつもの日課に戻ることにした。


 《ちょっとちょっと、無視しないでくださいよ!》


 とたん、丸めてゴミ箱にシュートしたはずの紙が舞い戻りPCの画面に張り付く。


「!?」


 俺はその現象に思わず目を見開く。

 いやまぁ投げた紙が舞い戻ったことにも驚きだが、なぜか丸めたはずなのに皺ひとつないし、でもそんなことはどうでもよくて、問題なのは書かれている内容が変わっていることだ。

 さっき見たときはあんな文は無かったよな?


 《まぁ困惑するのも分かります、いきなり異世界とか言われてもわけわかりませんよね。え~まずこの場合の異世界とは~・・・》


 俺の目の前で紙に書かれた文字が現れては消えてゆく。

 正直なんかいろいろ喋ってる(かいてる)がまったく頭に入ってこない、てか消すの早すぎ!うちの現国の教師か!


「おい、おまえ」


 《であるからしてつまり異世界への移動とは・・・っとなんですか?》


 俺の言葉に反応した、つまり自動で文章を映し出すビデオのようなものではないということだ。


「あ~と、何で俺が選ばれたんだ?」


 とっさに適当な質問をぶつけておく。

 原理はまったく分からないが、おそらくこの紙は文章を映すモニターであってるだろう。

 俺の顔面に飛来したことや言葉に反応したとこから見て盗撮や盗聴もされてるかもしれん、男子高校生の部屋なぞ監視して何が面白いのかしらんが、俺は面白くないので後でコンセントまわりを重点的に掃除しておこう。


 《特に理由はありませんよ?》


「へ?」


 《適当に健康そうな若者を集めて抽選で決めました》


「抽選て・・・」


 もっといい理由考えておけよ盗撮者


 《ですからあなたはものすごく運がいい!ぜひ私たちの世界へ!》


「行きません」


 付いて行くわけないだろそんなの、どこに連れてかれるかわかったもんじゃないし、バカなの?むしろ黙って付いて行くほどバカだと思われてるの?

 てか今私たちの世界て言ってたな、異世界じゃなかったのかよ、設定ぐらいちゃんとしとけ。


 《え~と・・・理由をお聞きしても?》


 ふむ、どうするか「犯罪者についていくバカがどこにいる!」って言ってもいいけど正直こいつの目的も見えないし話に乗ってみるか、今のところ特に危険も無いしな。


「うむ、別に今の生活に不満は無いしな。とくに異世界に行く必要も無い」


 うそではない。繰り返しの日々に飽きてきてはいるが不満というほどではない。


 《それはあれです、異世界に来ればバンバン魔法使ったり、巨大なドラゴンと戦ったりと充実した日々がおくれますよ!》


 ほぅ、魔法にドラゴンかそれは心惹かれるが・・・


「バカを言うなよそんないつ死ぬか分からんような生活が送れるか」


 ここは徹底的に否定し続けて困らせてやる


 《そ、それは・・・》


「第一盗賊やドラゴンが普通にいる世界なんぞに行ったら3日で死ぬ自信があるぞおれは」


「それに魔法なんつう意味分からんものを使いこなせるとも思わんし」


「目利きなんぞもまったくできんから商人に有り金巻上げられる未来もみえるな」


「てか、異世界なんぞいったらアニメもゲームもできねぇーじゃねえか」


 などなど、思いつく限りのデメリットを羅列していく。盗撮者は《いやでも・・》とか《お、おう》とか《あにめ?》とか言ってたが最後には切れた


 《ああああああもう分かりました!いまおっしゃられた条件を満たすスキルを与えれば、わたしたちの世界にきてくださるんですね!?》


「は?・・・え?」


 《勇者の素質に魔王の素質、鑑定と、あなただけのユニークスキルも付ければ文句はありませんね!?》


「いや、ちょっまっ」


 それ絶対アニメやゲームは考慮されてないよね!?

 ってそうじゃなくて


「オレは行くとは一言も・・・」


 《はい、行きますよレッツゴー!》


 その一文を見たのを最後に俺の視界は白一色に染まっていった・・・

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