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一般高校生の異世界ライフ  作者: テトメト
異世界とオオカミと犬耳少女
17/47

セシル

 パパっと着替えた俺達は昨日も来た武器屋にやってきた。

 とりあえず森に置いてきた剣の変わりに鉄の剣と鉄のレイピアを予備を含め2本ずつ買い、ボロボロになった鎧も買い換えてセシルにも皮の防具一式を買ってやることにする。


「あの、私なんかのために新品の防具を買っていただいて本当に良かったのですか?」


 武器屋を出た後セシルがおずおずと聞いてくる。


「防具は自分の身を守る大切なものだ。セシルが傷つくのは見たくないからな・・・」


 レイモンドやジンみたいには、な。


「ご主人様・・・!」


 セシルが、感動しました!って感じのうるうるキラキラした目で見つめてくる。


「・・・」


 俺はどことなく気まずくなりセシルから目をそらし先を急いだ。



 いくつかポーションを買い足したあと晩飯を食べに南通りの飯屋にテキトーにはいった。

「らっしゃっせー」

「2人で」

「空いてる席どうぞー」


 やたらと語尾が伸びる店員に言われた通り壁際の二人用のテーブルに座った。


 ?


 が、セシルがいつまでたっても席につかない。振り向くとセシルはニコニコ顔で俺の後ろに立っていた。


「なにしてんだ?セシルも座れば?」

「えっ?はい分かりました」


 そう答えるとセシルはさっと床を払い腰を下ろそうと・・・


「いやいやいやいや!椅子に!俺の向かいに椅子があるんだからそっちに座ろうよ!」


 店内だというのにおもいっきり突っ込んでしまい他のお客様にめっさ睨まれた。

 すんません、すんませんと謝りつつ席につく。


「えっと、ご同席してもよろしいのですか?」

「今から一緒に飯食うんだから当たり前だろ?」

「ご主人様・・・!」


 出たセシルのキラキラビーム(命名俺)。

 セシルから顔をそらし直視を避けていると店員が注文を取りに来た。


「俺は日替わり定食で。セシルは?」

「えっとその・・・ご主人様と同じものを・・・」

「日替わり定食2つっすねー、少々お待ちくださーい」


 さて肝心のランチだが正直全然味が分からなかった。というのも食事中セシルがずっと嬉しそうに俺の顔を見ているもんだから食べにくいったらない。セシルが妙に嬉しそうだったもんだからこっちを見るなとも言いずらく、どことなく気まずい食事になった。



「はぁ・・・」


 宿へ帰ってきた俺はベットに腰掛けため息をついていた。


「大丈夫ですかご主人様?」


 ため息の原因はもちろん隣に腰掛けこちらを心配そうに見てくるセシルだ。半日一緒にいたが未だにセシルとどう接すればいいかいまいち掴めていない。


「いや大丈夫だ気にするな」

「はい」

「・・・」

「・・・」


 き、気まずい。えーと何か話題は・・・


「そっそういえばこの部屋ってベット1つなんだな」

「え?ご主人様がダブルで頼みましたよね?」

「え?あ~ベット2つはツインか」


 ミスったな


「今からでもツインに変えてもらうか?」

「い、いえその・・・お情けをいただくときはベットに入らせてもらいますけど、寝るのは床でかまいませんから・・・」

「いや、床じゃ疲れが取れないだろう」


 それにお情けって・・・


「・・・なぁセシル・・・セシルはその・・・何でそんなに俺に好意を持っているんだ?」


 それはギルドにいた時からずっと疑問に思っていたこと。だが聞いたら何かが決定的に変わる気がして聞けなかったことだ。


「えっとその、森でご主人様とお話をしていただいてる時からこの人が私のご主人様だったらと思っていたら本当に私のご主人様になっていただいたので嬉しくて・・・ご迷惑でしたか?」


 セシルが頬を染めながら指をもじもじさせて聞いてくる。


「ああいやそうじゃなくて・・・そのなんだ・・・俺はもしかしたら助けられたかもしれないのに、レイモンドとジンを見殺しにして逃げてきただろう?どうしてそんな奴に・・・」


 俺は視線を落としてこぶしを握り締める。

 するとセシルが隣から手を伸ばし俺の手をやさしく包み込んだ。


「ご主人様はお優しいのですね」

「え?」

「私達は冒険者です。冒険者はみんな命を懸けて戦っています。だから私もジン君も元ご主人様もいつでも死ぬ覚悟はできています。ですからご主人様が他の人の分まで背負い込む必要はありませんよ」

「いや、でも・・・」

「私はあの森で死を覚悟しました。でも今こうして生きてご主人様の手をとることが出来ています。これは全てご主人様のおかげです。ご主人様がいなければ私もあの時オオカミに食べられていたでしょう。ですからご主人様は2人を見殺しにした人殺しではなく死ぬはずだった私の命を救った英雄です!」

「セシル・・・」


 セシルの言葉は予想していた俺を責めるものじゃ無かった。それどころかセシルの言葉は今の俺を認める優しい言葉で・・・


「ご主人様?」


 気がつくと俺はセシルを力いっぱい抱きしめていた。


「すまない・・・セシル・・・もう少しこのままで・・・」

「はい、ご主人様」


 不意打ちに優しくされこみ上げてきた涙を必死に堪えている俺をセシルは優しく抱きとめていた。


 ドガアアアアァァァァァァァァン


「なんだ!?何の音だ!?」


 俺は突然の爆音に飛び起きた。


「お、おいセシル起きろ様子が変だ!」

「ごしゅじんさま?」


 隣で寝ているセシルを起こし窓から外を見る。窓から見た空は漆黒で輝く星が散りばめられていた。電気が無いこの世界ではまだまだみんな寝静まっている時間だ。だが、見下ろす町のあちこちにかがり火が焚かれており人々の喧騒も聞こえてくる。明らかに異常事態だ。


「ご主人様」


 セシルも異常事態に気がついたようでベットから起きだし隣に並ぶ。


「とりあえずギルドに向かうぞ。あそこなら今何が起こっているかわかるだろう」

「はい。分かりました」


 俺とセシルは手早く服を着て、宿から飛び出した。



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