悪魔
更新が遅れぎみ&内容ガバガバでホントに申し訳ない( ̄□ ̄;)
レイモンドの方に振り向いた瞬間世界がスローモーションになった。
俺はこの感覚を以前にも感じたことがある。
あれはまだ小さかった頃、自転車で坂道を下っていた時にボールを踏みつけてしまいぬ宙に放り投げられた。
あのとき、自転車から放り出され地面にぶつかるまでの1秒にも満たない時間が永遠にも感じられた。あの瞬間俺は完全に死を覚悟していた。世界がスローモーションになったような感覚はおそらく走馬灯と言われるものじゃないかと思っている。
今俺が感じている感覚はあのときの感覚によくにている。だが違うのはあのときは命の危機を感じていたが今は感じていないということだ。
大量に湧いたオオカミ達は全部片付けたし索敵にも何も反応していない。
だがどうにも何かが引っ掛かる。す
レイモンドか?いや違う。この嫌な感じはもっと奥、レイモンドの後ろの草むら辺りから・・・。
ガサッ
俺が草むらに意識を向けたとたん中から黒い影が飛び出した!!
そんなバカな!姿が見えた今ですら索敵にはなんの反応もないぞ!こいつはどうして俺の索敵がから逃れているんだ!?そんな方法俺は知らな・・・。まさか・・・隠蔽か?この黒い影は隠蔽のスキルが使えるのか!?たが隠蔽が使えるということは他のスキルも・・・
俺が黒い影について考えている間にも影はレイモンドに迫っている。背後から迫る危機にレイモンドはまだ気付いていない。
その危機に気付いている俺も死の気配に縛られて動けない。
俺が硬直している間に影はレイモンドまで到達し、
レイモンドを庇ったジンとレイモンドを吹き飛ばした。
「ご主人様!?ジン君!?」
セシルの叫び声を聞いてやっと体の硬直が溶けた俺はジンを吹き飛ばした影に剣を向けつつ横目でジンとレイモンドの様子を伺った。
「・・・っ!!」
ひどい有り様だった。庇われたレイモンドは大きく吹き飛び後ろの木にぶつかり気絶しているようだ。大きな怪我はなさそうなのでこちらはどうでもいい。
問題は庇ったジンの方だ。セシルがすがり付いているその体は頑丈な鎧を大きく切り裂かれ腹からおびただしい程の血が流れて血だまりを作っている。
あれではもう助からないかもしれない。
俺は嫌な妄想を振り払い目の前の影をにらむ。
が、そこにいた異様な魔物の姿に一瞬身がすくんでしまう。
そこにいたのは俺の予想通りオオカミだった。だがその大きさが尋常じゃない。
ブラッディーウルフなんか比べ物にもならず、リーダーブラッディーウルフよりもさらに2回りはデカイ。
だがこのオオカミの異常性はそこだけではない。もっとも異質なのはその額から生えている夜の森よりもなを黒い角だ。
まさしく魔物といったその見た目に完全にびびりつつ鑑定でオオカミを調べる。
デビルブラッディーウルフ
Lv 30
レベル・・・30・・・だと・・・!?
デビル・・・悪魔の名を冠する漆黒のオオカミは俺の倍のレベルだった。レベルが1つや2つ高いぐらいなら硬直キャンセルや一閃を使えばなんとかなるかも知れないが倍となるとどうかわからない。
俺はデビルブラッディーウルフの討伐を諦めこの場から逃げる方法を探しす。
がジンは重症、レイモンドは気絶中だ俺とセシルで二人を引きずって逃げるのはさすがに無理がある。
となると、レイモンドが起きるまで俺が時間を稼ぐしかない!
俺が覚悟を決めデビルブラッディーウルフに向け剣を構え直すとスッと移動してきたセシルが俺の斜め後ろにつく。とても頼もしいパートナーだ、でも・・・
「セシル。コイツの相手は俺がするからセシルは後ろの二人を守ってやってくれ」
「え!?・・・っ!分かりました。後武運を」
デビルブラッディーウルフが現れてからじわじわとオオカミが包囲網を狭めてきている。遅れてそれに気付いたセシルは俺のいった通りに後ろに下がった。
レイモンド達の護衛はセシルに任せて俺はこいつを一人で相手しなければならない。
俺とセシルの話が終わるのを待っているようにこちらの様子を伺っていたデビルブラッディーウルフはセシルが退くと、低く唸り声を上げ姿勢を落とし戦闘体勢をとった。
「ガルルルルルル」
間合いをはかるように俺の周りを回るデビルブラッディーウルフ。対する俺もヤツの攻撃を避けるためその動きに目を凝らした。
「ガゥ!」
「・・・っ!!」
息を吐ききったタイミングでの飛びかかり。
俺は前もって考えていた通りに右に大きく飛んで回避した。
地面を転がりながらヤツと距離をとって立ち上がる。
ヤツは俺が回避した後にしばらくしてから着地した。手を抜いているのかわからないがその動きは思っていたほど早くはなかった。
これならいけるか?
周りでオオカミ達が隙を伺っている以上索敵を外す訳にはいかない。
つまり硬直キャンセルや一閃は使えないということだ。硬直キャンセルが使えないなら隙が大きいスラッシュも使えないだろう。だが普通の攻撃なら当てられるかもしれない。
俺はデビルブラッディーウルフに向け剣を構える。ヤツはまた俺の周りをゆっくり歩いている。
一見さっきと同じ構図だが俺の心構えが違う。さっさと掛かってきやがれ!
しばらく俺の周りを回っていたヤツは突然進路を直角に変えこちらへと飛びかかって来た。だが来るとわかっていれば目で追えない速さではない。
俺はさっき真横へと投げ出した体を今度は斜め前へと、向かってくるヤツとすれ違うように滑り込ませる。念のため爪と牙を確実にやり過ごしたのを確認してから無防備な腹へと剣を向けた。
はいったと思った。意外とチョロいと思った。だが甘かった。
ギャリッ
「なっ!」
攻撃を回避した後の無防備な腹へのカウンターの一撃、不可避なその一撃は狙いどおりデビルブラッディーウルフの腹へ当たった。が、それだけだった。硬い毛皮に弾かれた剣は食い込むことなく滑っていった。
おいおい剣が通らねぇとかマジか!?
デビルブラッディーウルフとすれ違った俺は冷や汗をだらだらかく。
スキルが使えない以上これから先ずっとヤツの攻撃を避け続けなければならない。
幸いにも今の一撃でヤツの注意は完全に俺へ向かっている。チョー怖い。
チラッと探るとセシルの方も大分苦戦していようだ。
「アォーーン」
デビルブラッディーウルフが遠吠えを上げた後、再度接近してくる。迎え撃つ手段が無くなった俺は余裕をもって回避しようとし、
足が動かねぇ!?
足首までを土のなかに取り込まれ身動きを封じられていた。
なんだ!どうなっている!?
さっきまで平らだったはずの地面は足の周りだけ不自然に盛り上がり足首までを包み込むようにして地面に縫い付けている。
クソッ!外れねぇ!?
俺がもがいている間にすでにデビルブラッディーウルフは目の前に迫っていた。
「っ!スラッシュ!!」
取り敢えずスラッシュを発動させ迎え撃つ。
飛びかかるデビルブラッディーウルフの漆黒の角を打ち下半身の踏ん張りを解く。
角を打った反動で真後ろへ吹き飛び背中を思い切り木にぶつけた。
「クッ」
ぶつけた衝撃で視界が明滅し、硬い角を叩いた衝撃で手が痺れ剣がこぼれ落ちる。
そんな状態でもデビルブラッディーウルフが俺の元へと近づいて来る足音は聞こえてくる。死への足音が。
ちくしょう、ここまでか・・・。後は蘇生スキルが有ることを祈るだけだな・・・。なるべく痛く無ければいいが・・・
「なにをしてやがる、この役立たずが!」
生を諦めた俺の耳に2度と聞きたくないと思っていた声が響いた・・・。
デビルブラッディーウルフは流石に長すぎると思う今日この頃…。




