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その役職(な)は死神  作者: 亜里沙
第1話 動き出す運命
3/30

前編

残酷描写と無理矢理な表現があります。


「ふー、あそこで今日の仕事は最後だぜ。」

 そうクーが示した先はどこにでもありそうな一戸建ての家だ。

「朝野昌子、27歳。本日午後6時30分― まぁ、あと数分後だな ―に強盗に襲われ死亡だってよ。」

 クルスは無言のまま朝野家の屋根の上に降り立つと他の死神とは違う己の金色を隠すかのようにフードを深くかぶる。

 そして、無言のまま彼の姿は景色と溶け合うように消えた。

 クーは小さくため息をつきながらも相棒の後を追うように姿を消した。







 部屋の中では昌子が洗濯物を畳んでいる。子供もいるのだろうか。小さな子供用の服もいくつか置いてある。

 見えていないのか、黒衣のフード付きマントを羽織った人物がそばにいるのに気づかない。

「お、時間だぜ。」

 クーの言葉が終わるとともに窓ガラスが割れる音が響く。

 昌子は突然のことに慌て多様子で音のした方へ向かおうとした時、一人の男が入ってきた。

 年は30代半ばくらいだろうか。クスリでもやっているのかその目は狂気を宿している。

 男はへらへらと笑いながら昌子に向けて持っていたサバイバルナイフのようなモノを突きつける。

「金を出せよ。まだ、死にたくないだろ。」

 そう、笑いながら話す男に正気の色はない。

 ナイフを突きつけられた昌子は腰を抜かした状態でガタガタとふるえながら男を見つめる。

「ああ、先に体でも良いか。」

 まるで無邪気な子供が良案を思いついたかのような笑顔を浮かべると、ふるえる昌子の方へ向かう。

 昌子はふるえながらも何とか四つんばいになって逃げようとした。

「逃げちゃだめだよ~」

 まるで幼い子供のような口調で男は昌子の髪を掴み、仰向けにして彼女の上に乗る。

 片手で昌子の両腕を押さえつけながら持っていたナイフで彼女の服を切り裂き、首筋に舌を這わせる。

「そういや、女って首しめながらつっこむとしまりが良くなるって聞いたなぁ。試しにやってみようか?」

 昌子は必死に悲鳴をあげながら男から逃れようとするが、男は彼女のショーツを脱ぎとると「あえぎ声なら良いけど、悲鳴はうるさい」と言って無理矢理それを口の中に詰め込んだ。

「さて、それじゃ逝ってみようか。」

 恐怖に目を見開く女の首に男は笑いながら両手をかける。

「やめなさいよ!このヘンタイ!!」

 突然、少女が現れ、持っていた鞄で情け容赦なく男の頭を横殴りした。

 突然のことに男は抵抗もできず、そのまま昌子の上から吹っ飛んだ。

「女だからって、高校生の鞄、なめんなよ。参考書とか教科書とか塾のテキストとか弁当箱とか雑誌とかとにかく色んなモノが入ってるんだから。」

 突然現れた少女、舞は鞄を抱えると脳震盪のうしんとうを起こしているらしく気を失った男のムスコに向けてあらん限りの力を持って踏みつけた。

「下半身男は死ねば良いんだわ。」

 ふん、と鼻を鳴らす舞の姿に安堵したのか昌子はそのまま意識を失ってしまった。


ちなみに、参考までにですが、侵入強盗の発生率がもっとも高い時間は深夜の2~4時だそうです。物語の展開上そんな遅い時間は無理だったので18時代に侵入があったとする設定にしました。でも、18~20時もそこそこ多いみたいです。皆様、お気をつけて。


参考

http://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/img/kakudai_graph/a_b_1_graph08.gif

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