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【!警告!】

かなりのグロ・鬱・闇堕ち表現があります

苦手な方は気分を悪くする可能性があるので、読まないでください



みんなだいすき過去回


湊斗の過去回


修行場には微妙に到着出来ませんでした



湊斗は猫が好きだが、過去には辛い思い出があった。

湊斗と猫の意外な関係性とは一体……








俺は強くなりたかった。


近くで、自分の目の前で、大切な人が……モノが死んだ。



守りたいのに力がないから、女子だから、何も出来ないから、そんな理由で守れない。


弱い自分が嫌いだ。





『湊斗の過去』




俺は相棒の太刀を背負い、いつもの修行場へと向かっていた。

鳥の囀りが聴こえる。

ライトさんは朝食、食い終わったかなー。

そんなことを考えながら走る。

ふと、横を見ると一匹の猫がこちらを見ているのに気が付き、俺は走っていた足を止め、猫をまじまじと見つめた。

真っ黒な猫。

猫もじっと俺を見つめてくる。

だがしかし、俺がそっと近づくと黒猫は逃げてしまった。

「へくしっ」

鼻がムズムズする。

「触ってないんだけどなー……」

俺は苦笑する。

猫が好きなクセに猫アレルギーとか、残念過ぎて笑いが込み上げてくる。

「ま、元々アレルギー体質ってこともあるけどさ……」

不意に目眩に襲われた。


グワン


俺は吐き気をもよおした。

胃液が逆流しそうなのを気合いで胃に押し戻し、どうにかして自分を落ち着かせた。

原因は分かっている。

俺は近くの壁に太刀を立て掛け、フラフラと座りこみ壁にもたれかかって、ゆっくりと瞼を閉じた。


最近は"こんな発作"起こらなかったのに。




――10年前


まだ7歳だった俺は、いつもひとりぼっちだった。

しかし寂しくはなかった。

何故なら動物という最高の仲間がいたから。

『人間の友達など要らない。』

当時の俺は動物とばかり関わっているうちに、無意識にそうとでも思っていたのだろう。

おかげで、人間と遊んでいたという記憶はない。

7歳当時の写真を見ると、人と一緒に撮った写真より圧倒的に猫や犬などの動物と一緒に撮った写真の方が多い。

その動物との写真の中でも一番多く写っている猫――

小さい頃家で飼っていた、三毛猫のオス「ヒメ」。

ヒメは人懐っこく、俺が産まれた時から家に居た俺の最高の友達だった。

毎日じゃれあい、一緒に寝て、時には喧嘩して……俺はこんな日がずっと続けば良いな、と願っていた。

しかし別れは突然にやってきた。


別れと言っても、老衰とかそんな平和な死でも親戚に引き取られたとかいうことでもない。


ヒメの残酷でいて悲惨な死は、俺の心に深い傷を残すものだった。




ある夏の日、俺はヒメと二人きりで家の留守番をしていた。

「ピーンポーン」

俺とヒメがいつものようにじゃれあっていると、突然(当たり前だが)インターホンが鳴り響いた。

俺は玄関へと行き、恐る恐るドアを開ける。

「動くなっ!!」

ドアがバーンッと開かれ、俺の胴体は後ろへと勢いよく飛ばされてしまった。

イテテ……と言いながら前を向くと、目の前には銃口。

銃を持っている長身の男。

唖然とした。

何が起こっているのか分からない。

頭のなかが真っ白になるだけだった。

しかし俺は本能的に家を守らなければならないと思い、身体が無意識のうちに動いていた。

「僕の家に入るんじゃねえ!!」

俺は男の腕に噛みついた。

噛みついた所から、血が吹き出てぬたりと垂れる。

それを見た男は顔をしかめる。

「ガキのクセに生意気な…! 殺す!」

長身の男は顔を真っ赤にした。

即座に銃口が俺に向けられ、トリガーに人差し指をかける男。

目を瞑り腕で顔を覆い……死を覚悟した。


――バァンッ


銃声が鳴り響く。


ビチャッ


同時に嫌な音も鳴り響く。

俺はそっと目を開けた。


俺は死んだのだろうか。


しかし目の前に広がっていたのは、先程まで居た玄関の景色。

そして……血。赤い血。紅い血。

血が、真っ赤な血が、視界の隅まで海のように広がっていた。

錆びた鉄の匂いと生臭い匂いが鼻に突き刺さる。

手をみると赤い鮮血がべったりとついていた。

ぴちゃり、と音をたて赤く染まった床へ雫となり次々と落ちていく。


「あ、あぁあ……あぁあああああ……」


口のなかが渇いていて上手く喋ることが出来ない。


何が起こったんだ。


何か白い"モノ"が見える。

白い"モノ"からは血が滝のように流れ出ていた。

俺は血だらけになっている手で、目を擦り視界を復活させ白い"モノ"をみつめた。

それは――


俺を銃から庇って死んでしまった、ヒメの無惨な姿だった。


「あぁあああああああああああああああああぁあああぁあああああぁあああああああっぁあああぁあぁぁぁあああ!!!!」


俺は絶叫する。俺は崩壊する。


「ふざけんじゃねえぞ……!!」


あれは本当に自分の声だったのだろうか。

今考えるとあの声は自分の声ではなかった気がしてならない。


無我夢中で長身の男へ突っ込む。

「殺す……殺す!!」

俺は近くにあった傘を咄嗟に掴み、傘の先で男の目玉を貫いた。


グシャッ


肉が潰れるような嫌な音が響き、何か不思議な感覚が、それでいて不思議な快感が、手へと、伝わってくる。


男は苦しげな声をあげ、倒れる。

再び傘の先で倒れた男の目を貫き、今度は抉る。


グチャッ


男の目玉がポロリと、床へ、落ちる。


不思議な感触。

不思議な感覚。

不思議な快感。


その時、自分は嗤っていた。






『ねえ、もう死んじゃったの?』






どうしてだろうか、そこから記憶がない。

俺は気付いたら病院のベッドで寝ていた。


この忌まわしき事件のことだが、男の顔や俺が目玉を抉った後のこと、あの長身の男が死んでいるのか生きているのかさえも知らない。

(この際は覚えていない、と言った方が正しいだろうが。)

何でこんなことが起こったのかも。

両親にいくら尋ねても今は何も教えられない、の一点張りであった。

両親がいない今は真実を知る術はないのだが。


ただ俺の中で残っているはっきりとした事実はヒメが俺を守るために殺された、という残酷でいて悲惨な事実が心の傷として残っただけということだった。


心の傷ともう1つおまけに、その忌まわしき事件の時から、猫を見ると吐き気などの発作の様なモノが出るようになった。

今はもうほとんど大丈夫だが、酷いときは猫を見るたび発作を起こした程である。


だが、どれだけ発作を起こしても猫は嫌いになれなかった。

むしろ、猫は大好きである。

嫌いになるということは、人間の友達が居なかった俺を支えてくれた大事な親友「ヒメ」を嫌いになるということになってしまうからだ。

俺を守るために死んでしまったヒメ。

それなのに、嫌いになるなんてことは俺にできるはずもなかったのである。

ヒメの存在を否定している気がして。



救えなかった。守れなかった。

大事なモノを――ヒメを。


俺はいつまでも俺を責め続ける。

俺が弱かったから。

俺がドアを開けたから。

俺が、俺が、俺が。


この傷は一生残るだろう。

だけどこの事件を糧に、強くなりたい。


そのために俺はこの10年間修行を続けてきた。

おかげで最強のガードとまで言われるまでになった。



だが、まだだ。


俺はもっと強くなりたい。







ここで俺は瞼を開ける。

背中にびっしょりと汗をかいていた。

「久し振りだな。こんなに発作が出たのは……」

と独り言を呟くと、俺はフラフラと立ち上がり、立て掛けてあった太刀を背負い歩き出す。



俺は強い人間になりたい。

大切な人を、モノを守れるような。


二度と人が傷付かないように。



「俺は……強くなるッ」


大粒の涙が頬を伝う。

しかし泣くまいと、涙を手で振り払い一歩踏み出す。



――俺は絶対にもっと強くなって守ってみせる。大切な人を、殺させはしない。



俺は改めて決意し、もっと強くなるべく修行場へと全速力で駆け出していく。



その先には、笑顔で手を振っているライトがいた。





みなさんおはこんにちばんは

依祢です


今回は、湊斗の過去回として執筆させてもらいましたが


なんだこれ

こんな過去回にする予定じゃなかったのに

なにがあったんだ


湊斗くんは豪快に壊れてくれました


湊斗だってあんな風に崩壊するんです(黙


そして相変わらずの低クオでお送りしております



あんなことがあっても猫が大好きでいられる湊斗は、きっと強い人間なんだろうなーとか思いながら書いていました


これは私の勝手な湊斗の過去を想像して書きましたので、かなり趣味にはしっております


グロ描写申し訳ないです


話が意味分からなくて申し訳ないです



なんやかんやで次回は、湊斗と相棒の話。


これまた趣味にはしってしまう内容ですな


Ⅰと同じで次回は平和になるといいな




読んでくださった方に最大級の感謝を



依祢

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