迷信
今回は迷信についての話です
どうぞお楽しみください
結花はダラダラするのが好きな女子高生。
いつもおやつを食べては寝て、食べては寝て…
を繰り返す。
本人は止めようとは思っているのだけど、そんな決心はすぐ吹き飛んでしまう。
そして、今日は9月15日、十五夜だ。
結花はいつもより眠いな~なんて薄ぼんやり考えていたが、せっかくの満月なので月明かりに照らされよう、とまた薄ぼんやり考えた。
団子を口にしながら見る月は、なかなか風流なものだった。
しかしだんだんつまらなくなってくる…。
結花は眠気に負けて、ベッドに吸い込まれるように倒れ込んだ。
あれ、私…寝ちゃったんだ…。
今何時だろ?
結花はそう思ってケータイに脚を伸ばした。
ん?脚?
暗い中、目を凝らすと、自分の手が…足になっていた。
二つの蹄がある、茶色の足…。
寝ぼけているんだろう。
結花は目を擦ろうとした。
すると、湿った何かに蹄が当たった。
それは、自分の感覚だと、鼻を触っているような感覚…。
しかし本来鼻があるはずの位置よりかなり前に鼻がある。
考えているうちに横になるのが辛くなってきた。
ベッドから降りようとする。
しかし、元手の前脚や本来の脚は前に投げ出され、なかなかうまく動かせない。
もがくうちに鼻息が荒くなる。
すると鼻からごーっという音がする。
下の階にいる親に危機を知らせようとするけれど、叫んでも叫んでも
もー
という間の抜けた声しかしない。
結花は確信した。
私は牛になったんだ。
食って寝て、寝て食って、牛になったんだ!
聞いたことがある。
馬はずっと横になっていると、内臓が壊死して死んじゃう、みたいなこと…。
それなら牛も同じだ。
死んじゃう…死んじゃう…死んじゃう…
もがく度にだんだん慣れてきて、身体をどう動かしていけばいいか分かってきた。
でも、急に眠気が襲ってきて、また結花は眠ってしまった。
…目覚めると、まだ月は輝いている。
すかさず結花は手のひらを見た。
…ちゃんと人間の手だ。
結花は安堵の溜め息をついて、起き上がった。
そして、ベッドを見る。
そこには…めちゃくちゃになったベッドのシーツと、何かの生き物の毛がたくさん付いていた。
薄暗い話が多くなってきました…
今回は私への教訓として書きましたww




