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友達以上ですが何か?  作者: カカシ
18/21

本気

遊びに来てくださりありがとうございます


少しでも楽しんで頂けば幸いです

「都築が最初に選んでくれたようなマグカップが買えたな」

「あれ、なかなかいい感じだったし、結構たっぷり飲める形状だけど、千納時カフェイン取りすぎんなよ」

「ははは。それは基山さんにも言われてる」


 あの後、どうにか似たような形状で手頃な商品を見つけ購入し、店を後にした。勿論オーナーのコーヒーを飲ませて貰ったが、サービスというレベルのコーヒーではなく琉叶の言った通り、本格的な良い味わいだった。自分的にはオーナーの方がうまく感じたくがらいだ。それこそ、人にコーヒーを淹れる事があっても、自分はあえて飲みに行く機会もない。また、あんな店雰囲気の店に行く事はまずないわけである意味良い刺激になった。

 そんな思いが少し気持ちの高揚感として現れ、彼とのトークは盛り上がり、歩いて帰宅する事にした。量販店は自分の働くカフェからも近く、自分と千納時はその途中の道で別れる感じなのだ。ただ、少し坂なのが難儀である。その帰路の途中で、千納時がいきなり足を止めた。


「寄り道しないか?」


 それは細く、丘の側面を歩くような外側に手すりのある坂道であり、2人並べば埋まる広さだ。ここから見てもかなりの坂道であり、使った事がない。だが、店に向かう時や、アパートに帰る時にはショートカットにはなりそうな雰囲気である。


「良いけど」


 そう言い上っていく。やはり見た目通り急な坂であり、息が上がる。それ以上に真横が手すりがあるといえ、コンクリートで固められた絶壁で、民家の屋根が眼下に広がる状態なのだ。まず落ちたら怪我だけはすまない状況であり、高所恐怖症の人は足が竦むような感じに自分も気を張る。そんな中、視界に少し開けた場所がある事に気づく。息を整えつつ、その場所に辿りついた所で、再度周りを見渡す。するとそこには芝生に紅葉の木が植えられその根本には『みはらし公園』と書かれた看板。まあ確かにちょっとした遊具やベンチもあり、広さはないが公園といば公園なのかもしれない。そんな事を思っていると、千納時が自分の名を呼び、彼の方へと赴く。すると、眼の前に街が広がっていたのだ。確かにかなり登ってきたので、街並みを上から見えるのは理解出来るが、思っていた以上に圧巻の風景だった為、手すりに捕まり見入る。


「ここ、俺のお気に入りだんだ。あの道、坂が急であまり使う人がいなから、この場所知らない人がほとんどって感じなんだろうけど」

「確かに。あの坂きつかったな。でもこの風景見たら疲れ吹っ飛んだっ」

「だろ。あの坂登った人のご褒美的な場所。まあ実際は休憩場所かな、後もうちょっと登らないといけない」

「そっか。だとしても、この風景見れれば良いんじゃね。自分は大満足。でも良かったのか、千納時。お気に入りの場所自分教えちゃってさ」

「勿論。っと言うか…… 君だから知って欲しかった。俺の取り囲む殆どの人達は俺を変に買いかぶり過ぎて、本音を言ってくれないから。でも君は違う。俺を俺として見てくれてちゃんとぶつかってきてくれるだろ。だから、俺の事をもっと見て知って欲しいって思った。優斗。君に……」


 どんな顔をして彼は言っているのだろうか? ただ、とてつもない事を言われている事だけはわかる。心臓が破裂するのではないかというぐらいの勢いで脳天まで響く鼓動。そしてそれに紛れてしまっているが、日溜まりのような暖かなうれしさが入り交じる。そんな心中を知る由もない彼は言葉を続ける。


「ただ、俺のこの思いは一方的で、きっと…… 友達以上の感情だと思う。でもその全てを君に受け止めてもらおうとは思わないし、返事も不要。だから安心して」


 すると自分の毛先を触りつつ、頬に振れた。思わず千納時を見ると満面の笑みを浮かべ彼が、頬をゆっくり触りつつ、後頭部まで手を伸ばした所で、数回勢いよく自分の頭を撫で、髪をぐちゃぐちゃにする。


「な、何すんだよっ」

「一回やってみたかったんだ。優斗の髪。凄く触り心地良さそうだったから」

「もうっ、やめろよーー」


 そう言い、横を向きつつ片方の腕で隠れるわけもない顔を隠す。そして彼の肩を軽くどつく。きっと顔は真っ赤だろう。ただもう日暮れを迎え周りが橙色に染まっているので、もし彼に突っ込まれたら、そのせいにしようと思った。




 暑い日差しが差す街並みを自分は汗を拭きつつ、店へ向かう。本当は今日のシフトは夕方からだったのだが、暑すぎて家にいられないからだ。まあ、エアコンはあるのだが、使うと電気代がバカにならず、妹は学童に行っている為、1人しかいない部屋で使うにはもったいない。

 なので最初は図書館に行ったのだが、席が空いておらず、他のクールスポットに行ったが、どこも満員御礼だったのだ。なのでだいぶ早いが、カフェへと向かい、店内で時間をつぶそうと思ったのである。

 兎に角この暑さをどうにかしたい一心で、人が闊歩するいつもの道を歩き進めて行くと、前から見た事のある人物が視界に入った。すると相手も自分に気づき大きく手を振る。


「優斗」


 自分も小走りで彼に近づく。肩まであるセミロングブラウンの髪を靡かせ、年齢も26歳なので若い女性のような嫋やかな空気を纏った人物。ただ身長が190を越えているので、周りより頭一つ出ている。そんな彼は自分が働き初めて一番お世話になった人。


「和実屋店長。元気でしたか!! っていうかも店長じゃないっすよね。すいません」

「気にする事ないよ。確かに今はその役職じゃないけど、優斗にとっては店長のまんまだろうからね」

「にしても今日はどうしたんすか?」

「うん。ちょっと店に用事があったんだけど、優斗今から仕事?」

「仕事は夕方からなんです」

「そうか。時に優斗暑くない?」

「めっちゃ暑いです」

「どっか入らない?」

「良いっすね!!」

「じゃあ、君の好きな所行こう」

「でもっ」

「良いんだよ。これでも昇進した身で、前より給料貰ってるから。それにこういう時は学生なんだし、変な気を遣わない」

「じゃあ、言葉に甘えて」


 自分はそう良い店とは反対方向へと向かう。


「和実屋さんこっちっす」


 久々に会えた嬉しさに思わずテンションが上がる中、軽い足取りで、目的の店へと向かった。




「これだけで、良かったの?」


 昭和レトロの喫茶店に入っている。ベルベットのフカフカソファに、年期の入ったテーブル。その上にはコーヒーとサンドイッチが置かれている。前から気になっていたのだが、昼間営業の為、入った事がなかったのだ。


「はい。ずっと気になってた店だし、これただけでも満足っす」

「そう? なら良いんだけど」

「にしても、今回店に来るなんて何あったんすか?」

「大した事じゃないけど、防犯カメラの画像を本部でもリアルタイムでチェックする事が出来るようにしたんだ。まあ二重チェック体制って感じかな。店舗もチェック画面あるけど、基本パソコン画面だし、他の機能と併合してるだろ? 今回本部は防犯カメラオンリーの代物だから性能が良いだよ。まあでもそもそも店の防犯カメラあるの事務室だけだから、優斗は入った事ないか」

「そうすっね。あそこは入った事ないです」

「まあ。あの店舗全国でエフィールートが20店舗あるんだけど、二番目に古いんだよ。だから働いていても大変だろ?」

「まあ、箇所箇所色々とガタは来てる感じはあるっす」

「事務所もそうなんだよね。私が店長やってた時なんて、見た目ではわからないんだけど袖机が接している壁が変に凹んでしまっていて、袖机との間に思ったより大きな空間が出来てしまっていたんだよ。しかもその袖机が、少し立て付けもおかしくなってて斜めなの。だから度々なんかないーー て事あったんだけど、それ知ってからは、万事解決。とりあえず、その事は近藤店長にも話してあるんだけど…… 時に優斗」


 彼がいきなり真面目な表情に変わる。


「ど、どうしたんすかいきなりっ」

「風村が帰り際にコソっと教えてくれたんだけど、近藤店長のあたりが強いらしいな」

「はははは。まあそんな感じはあるっすね。でも自分的にはそういう人もいるって事わかってるつもりだし、第一に他のスタッフが皆良い人なんで、大丈夫っすよ」

「そうか。でも、ちゃんとした君の意志がある時は発言するように。君は君が思っている以上に有能なんだよ。臆する事もなければ卑下する事もないんだから」

「和実屋さん……」


 本部に行っても尚、こうやって気にかけてくれてる事がとても有り難い。ただそらがうまく言葉に出来ない。そんな自分に気を遣った和実屋がメニューを手にした。


「ほ、ほら優斗ホットサンドもあるみたいだよ。食べる?」

「良いんすかっ、食べたいっす!!」


 結局当初は頼むつもりもなかったがその後、ホットサンドと共に、コーヒーをもう一杯お替わりした。



次回2月11日20時30分以降投稿


日頃感想諸々お伺い出来ない為、

星、いいね!、感想(どんな些細なのでも構いません)

頂けると非常に有難く、励みになります

もし宜しければ聞かせて頂ければ幸いです

またワンオペ作業の為、誤字脱字諸々有り読みにくい事があるかと思いますが

その際はお知らせ頂けるとありがたいです

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