この世の頂点は
「この世界には…皆さんご存じの通り魔王と神がいますね。」
先生は久しぶりの真面目モードで教卓に立って授業をしていた。
真面目な授業は本当に久しぶりなのだ。仮面戦や音楽会の授業。
さらにはプールの授業があったから。
「…魔王は…あれだっけ。謎にこの学校を襲ってくる奴でしょ?仮面はその部下で…。」
「そうそう。多分そう。多分。多分それ!」
りんはなつが言った言葉にたいしてめちゃくちゃ信用できないようなセリフを返した。
多分と連呼されるといった方も不安になってしまうのだ。
「多分じゃなくてそうだよ。」
「で…?神様が…?」
はおが溜息を吐いてからみんなに質問をした。
「一人だけ私知ってるよ!」
皆一つの同じ教室にいるというのにとてつもなく大きな声で知ってると叫んだりん。
習わなかったのだろうか。小学1年生当たりで習う声の大きさ的な学習を。
「なんで一つだけなんだよ。絶対もっと前に習ってるだろ!」
「一回ちょっと黙ってくださいね。授業中ですよ。」
先生は教卓をたたいてそう言った。叩くと圧がすごいので自然と黙ってしまう。
叩くだけでも静まるというのにさらに迫力のある先生の声で教室はさらに静まり返った。
『とあるどこか』
「で、どうなったの?負けた?負けちゃったら直接出向けばいいし!楽しい仕事が増えるだけだけど。」
長い髪が特徴的で黒色の髪の毛の一人の少女が偉そうに豪華な椅子に座っていた。
〈ゼロ・カタストロフィ:大食をつかさどる神…〉
背景などから見るに城らしき場所であることがわかる。
「…負けてないぞ。そして直接出向くのは却下させていただく。負けてもな。」
〈校長(あだ名):知恵をつかさどる神…〉
「魔王魔王魔王魔王…うっせーんだよー。おかげで魔王恐怖症になっちまったじゃねーか。」
少年のような見た目でいかにもクソガキ間満載な男子もいた。
こちらもゼロと同様偉そうに座っていた。俺強いぞアピールがとにかくすごかった。
〈クソガキ(あだ名):憤怒をつかさどる神…〉
「…でも一応…一応同期なんだから…少しぐらい援助してあげても…。」
恐る恐る声をあげたのは10台か20代くらいの見た目をした女性。
発言や言い方敵に恥ずかしがり屋なのか人前に立つのが苦手なのだろう。
〈ラファエル:慈愛をつかさどる神〉
「…ねー校長。君の作った学園の子が…倒してるよ?その子たちって何なの?」
「多分A組の生徒たちのことだな。問題児の寄せ集めクラスとして有名なだけだ。」
ゼロの言った質問に淡々と答える校長。
「今回も来なかったぞこっちの問題児ども。」
「まあいいだろう。話を進める。近頃魔王の動きが活発化していることに気づかないだろうか。」
『教室』
「…歴史って理解ができないよぉ。だって500年前の出来事とか意味わかんないじゃん!!」
「お前がみてるのは100年前の出来事の部分な。」
りんの言葉を速攻で壊したのははおのいった言葉だった。500年前と100年前はだいぶ違うと思うが。
「ナラク…なんちゃらかんちゃらなんちゃら?誰だそりゃ。」
「書いてあるだろ銀涅。お前目も悪くなったのか?」
「お前より目はいいぞ。」
「目は。”目”はな。」
石涅は銀涅の言った目はいいぞという言葉を聞いて頭がいいとは言わないんだなと思った。
だから目は。と強調して言ってやった。
銀涅も認めているのだ。認めたくないが頭は石涅のほうがいいと思っているのだろう。
「先生先生!先生ってどこまで知っててどこまで知らないんですか?」
「え…まぁ…ある程度基礎は知ってますけど…。」
「…じゃぁその人が心の中で考えてたことはわかるんですか?」
「は?」
先生の顔は「何言ってんだお前」というような顔に変化した。
何か人間じゃない何かを見つめるような目つきで。
「あ…いえなんでも…ないです…」
「さすがに分からないでしょ先生でも。あたしも分からないけど。」
カッチーン
「何か言いましたか?セコさん、」
セコとラムは…先生を怒らせるのが得意なようだ。
「いえ…特に。悪魔って強そうだなーって思っただけです。」
「強いですよ。悪魔は。」
「天使は?」
「…。」
「第三回戦を始めましょ~!今度は私が行ってもいいよね?魔王様?」




