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仮面

「……」

電話の音も体育館に響いた。これは魔王による作戦の一つ。

「え?…っ」

先生が電話を取ったときその内容に絶句した。

「どうしたんだ?!早くヤバい内容なら伝えてもらわないとまずい。」

B組の先生がA組の先生に聞いた。その時に振り返ったA組の先生は青ざめた顔をしていた。

「さ…さっき生徒たちA組以外は…逃げたじゃない?逃げた先にも…魔王軍がいて……」

「どうしたんだよっ!」

「襲われてる。」

A組の先生がその一言を言い終わった後すぐにBCD組の先生は自分の生徒の救出に向かった。

これは標的であるA組の生徒と、先生を分断し制圧し明日くするための魔王の作戦。

「先生…私たちは何をすればいいの…?」

ゆいが恐る恐る口を開いた。本当は逃げたいんだ。そういうことを感じさせる表情だった。

「…私たちが向こうの仮面をしとめるからそれまでの足止め…できるかしら…」

先生がごめんなさいと謝った。向こうのほうが数が多くてたくさんの生徒がいるからそっちに向かわなきゃまずいとのこと。本当は生徒に危険なリスクを背負わせたくなんかないのだ。

「ダイジョーブ!私たちってば天才だから仮面なんてけちょんけちょんにしてあげるんだから!」

りんがその暗い空気を覆すような明るくて頼もしい言葉を口にした。

「じゃぁ任せるわ。」

A組の先生も体育館を後にした。のこったのはA組のメンバーのみ。

その様子をじっと見ていた仮面はうれしそうに笑いながらしゃべり始めた。

「やっぱ魔王様って天才だわ…でもいつも魔王様をお手伝いしていらっしゃるあの方も天才だわ…まぁ当たり前よね。魔王様に次ぐ実力の保持者だもの。」

「つまり何が言いたいの…?」

ひすいが早く内容をまとめろとせかす。もしかしたら魔王軍の構造に迫れるかもしれないから。

「私なんて底辺なのよ。前こっちに来た子はもっと下。」

「…だから…私に勝てないようじゃ、魔王様には到底かなわないってこと。」

仮面の下から不気味な笑みを浮かべている仮面。その声は喜びに満ちていた。

でもそんな喜びの声とは裏腹に、A組の顔は死んでいた。だって前来たのも、今のやつも魔王軍の下っ端でしかないという衝撃の事実を知ってしまったから。

「じゃぁそろそろ戦いを始めましょうか。」

そのあと音速の速さでA組のほうへ迫る。大きく斧を振り、周りに黒炎を出す。

これでもう…A組は逃げる機会を失った。背水の陣だ。

黒炎を消せるのはりんかひすいだが、その二人は結構主力メンツなため戦闘に充てる必要がある。

「ちょっとまって!前より強くなってるんですけどぉ!?」

りんが驚きに満ちた声を発した。前来たのよりも強いと相手を認識した。

「とりあえず…攻撃をうまく相殺や、避けながら戦うぞ。」

「(あたしは…相手の精神に干渉できるか試してみないと…もし操れたりできれば…)」

セコは頭をフル回転させ仮面の精神に干渉を開始する。今干渉してるんだと気づいたラムは、相手の思考を鈍らせるために40パーセントの確率で眠気を付与できる魔法を発動させた。

「エンシュラウド・ザ・ソウル・イン・エターナル・スランバー…(永遠の眠りに包む)」

仮面がにやりと笑う。

「その呪縛を打ちとき苦しみを跳ね返せ…ソウル・リコイル(魂に触れた魔法を跳ね返す)」

「え…ダル…対策済みとか…だるすぎでしょ…」

「……でもラムはさらに上を行くの…レゾナント・クラッシュ(打消し)」

出して跳ね返されて打消しされた。なんかすごい現象だな。

「ラム強いね!」

りんが興奮気味で嬉しそうにたたえた。次は私の番だぞーと元気よく前に出た。

「アビス・ブレイカー(深海の圧力を一点集中させ爆発させる)」


バンッ


閃光が飛び回り水が大量に放出され爆破。

りんらしい魔法だなとみんなが思った。苦笑しながら顔を見合わせるA組。

威力は半端なく体育館の壁の端に追いやられていた。

「…そういう危なっかしい魔法を使うなら、もっと事前に言ってほしいな…」

ひすいが魔法の威力が強すぎる。と苦情を入れた。確かに危ない魔法は使うなら味方の配慮も必要だ。

「なぁりん……俺が用意してた炎魔法も一緒に消さないでくれ…」

はおはりんの後に攻撃できるように準備をしていたのだが…りんの水魔法で見ごとに消された。

「ほんとにそこのポニテは嫌だわ。捨て身すぎる攻撃が一番強いのよ…」

仮面もボソッと苦情を入れた。

「アクア・セヴぁ!(水の刃で敵を切り裂く)」

りんの杖から水が出されそれが刃に形を変えていく。そして仮面のほうに向かっていった。

「グレイヴクリーヴ(墓まで切り裂く)」

仮面の持っていたおのがまがまがしく黒くなった。

その斧を一振りしてりんのアクア・セヴぁを相殺した。

やっぱりこいつはA組に関する情報を持っている確率が高い。

前見た魔王軍の会話で「次は探知が得意な子」といっていたから、戦っていくうちに、相手の保持している魔法がわかるのだろうか。そう立ったら早めに決着をつけなければ打つ手がなくなる。

そしてなるべく技を使わないようにしないと魔王にバレる。A組の戦力がばれる。

だから大技を使うようなバカげたことは今までしなかった。だけどそろそろ使わないと全滅する気がする。

ひすいとりんが顔を見合わせてうなずいた。

「アクア・コール(聖なる水を召喚っ☆←りんの認識)」

水が召喚され…

「サイレント・フラクチャー(静寂の破壊)」

水が流れた体育館が一瞬で凍り付いた。そして仮面の足元に徐々に氷が迫ってくる。

仮面は炎魔法でなくそうとしているも、氷の生成速度に追い付かず体を蝕まれていた。

「銀涅。お願い。」

「断銅(金属をも切り裂く閃光)」

逃げ切れなかった仮面に直撃した。その直後……仮面の姿はボロボロと地理になって天に還っていった。残ったのはなつの姿。直後直ぐに息を吹き返し、本物のなつは戻ってきたのだ。             「なつちゃん!」 

「あっみんな!そしてゆいちゃん安心して☆私は何が何であれりんちゃん愛護保護団体の陣営だしオタクだから☆」

「よかった~」



「みんな無事~!」

先生が猛スピードで体育館に駆け込んできた。先生たちは3体くらいを相手にしてたのにすごいな。

「え!?すごいじゃん!流石はわがせいとぉ~。あとかたずけは先生たちがするから…」

「寮に戻っちゃっていいよ。」


第二回目の仮面戦は自力で終わらせることができた。長いようで長くない、経験を得られた戦いだった。

これからは自分たちの魔法がもう知られてると思い、いろいろな魔法を習得しようと頑張る。

因果と神々の戦いはまだ始まったばかりだった。



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