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第四話

 青甘です。

 第四話になります。

 いよいよ、俺のところに来るきっかけの話か…

 アルバスの話しぶりから、アーテルの部下がやっていたことの発覚はあくまで副産物で、俺に謝罪はするとしても本題は別のような言い方だったから、どんな話だろう。



 「早速、きっかけの話を聞かせてください」

 

 「えぇ、事の発端は冬華さんが、一年後にこの世界とは違う世界に、勇者として召喚されてしまう未来が、確定したことが始まりです」


 「えっ………、は⁈、どういう事だ‼︎」



 アルバスの発言により、俺の頭の中は混乱していた。

 冬華がなぜ勇者に、しかも確定した未来と神自身からの宣言。

 その場合、勇者として召喚される以上、危険な目に遭うことはほぼ確定、俺も付いて行くことはできるのか、付いて行けない場合、一年後に無事に帰ってくるのか、そもそも帰ってくることができるのか、本当に未来を変えることができないのか。

 様々な考えが頭を巡り、混乱の一途をたどる。

 そんな中、アルバスが話し始める。



 「秋季、難しいとは思いますが、まずは話を聞いていただけませんか?」


 「………わかりました。すぅっ、ふぅぅぅ」



 俺は話を進めるために、深呼吸をして自分を落ち着かせる。



 「すみません、落ち着きました」


 「ではまず勇者に選ばれる基準ですが、勇者召喚の儀式をした際に、その世界とは別の世界から、もっとも神の祝福が強い者が選ばれます」


 「それが冬華ですか…」


 「はい、その通りです。そして私が、冬華さんが勇者に選ばれる未来を見た際に、どうしてこれだけの強力な祝福の力が、冬華さんに与えられているのかを調べた結果、判明したことが、全てアーテルの部下の道楽で起きたことだったのです」


 冬華が勇者に選ばれてしまった原因は、アーテルの部下による道楽の結果と聞いて、俺は苛立ちを募らせていった。

 アルバスの話しぶりからして、冬華が勇者召喚されてしまうことは確定している。だったら次に考えるのは俺が付いて行けるのかだが、これに関しては俺にこの話をしている時点で、何かしらの方法があるはず、だとしたら考えるべきは、最終的に俺たちのいるこの世界に帰って来れるかだ。この世界に興味がない俺はいいが、冬華には友人がいて戻ってくる意味がある。



 「アルバス、俺にこの話を持ちかけた時点で、俺は冬華と一緒に異世界へ行く算段があると、考えていいんだよな」


 「一緒にはできませんが、同じ異世界に行くことはできます」


 「?、どういう事だ」


 「理由は、秋季かけられた呪いです」


 「呪いが原因っていうことは、もしかして勇者召喚には呪い持ちを弾く効果があるとかか?」


 「はい、その通りです」



 そうか向こうからしたら、勇者が欲しいのであって、呪われてる人間はいらないよな、それはそうだ。

 しかしアルバスは同じ異世界に行くことはできると言ったから、冬華を守ることはできる。



 「だったら、俺はどうやって異世界に行けるんだ?」


 「それは私たちが、秋季の準備が整い次第、冬華さんが行く異世界へ送ります」


 「もしかして今日、俺に会いに来た最大の理由は」


 「はい、お察しの通り、秋季を異世界に送ることです」


 「あ、はい」



 今日の目的をやっと言えたからなのか、アルバスが凄く良い笑顔をしている。

 一年も早く俺に話をしに来たのは、同じ時に異世界へ行っても、冬華を守って無駄死にするだけだから、早めに行って力や経験を身につけてから、冬華をしっかり守り抜けるようにっていう、アルバスなりの修行期間っていう配慮で、俺的には冬華の助けになれて嬉しいはずなんだが、釈然としない…。

 完全に毒気を抜かれたが、まだ肝心なことを聞いていない。



 「アルバス、冬華と俺はこの世界に帰ってくることはできるのか?」


 「いえ、できません。今のところはですが」


 「今のところは?」


 「はい、秋季や冬華さんが行く世界には魔法が存在します。勇者召喚もその魔法の力で行いますが、これには魔法力の高い者が数十人必要です」


 

 つまりは、その魔法の力がなければ、そもそもとして異世界には行くことができないということか、さらには魔法力の高い者が数十人用意する必要がある。

 この世界では無理な話だ、だがアルバスは今のところはと言っていた、てことは何か方法があることになる。



 「でも、例外があるということか」


 「はい、私とアーテルが管理している世界は、秋季や冬華さんが行く世界とこちらの世界の二つです。なので全てが終わり次第、私とアーテルでこちらの世界に呼び戻すことができます。しかしこれは神や魔神のルール上、できません」



 アルバスとアーテルで呼び戻すことはできるが、冬華が勇者召喚されてすぐに、こちらの世界に呼び戻せないのには、神や魔神のルール以外にも、アルバスが言った〝全てが終わり次第〟にも関係があるんだろうな。



 「神や魔神のルール上できないということは、それ以外の例外があるんだよな」


 「あります、それは秋季の成長です」


 「俺の成長?どういうこと?」

 

 「まず神である私には、人の未来が見えます。ですが秋季は呪いの力が強すぎて、未来を見ることはできませんでした」


 「俺の呪いを解いてから見ることは、できないのか?」


 「できません、魔神の呪いは特殊で、呪いを与えた魔神自身にしか解くことはできません、できることは効果を消すことだけです」


 効果を消すことと、呪いを解くことは違うのか、要するに中を抜いて、側だけが残っている状態ということか、だから側が残っている現状、それが防壁となって、神の未来を見る力を防いでいるというわけか

 でもそれと俺の成長の繋がりはなんだ?



 「その未来が見えないことと、俺の成長にどういう関係があるんだ?」


 「それには先に冬華さんの話が必要です」


 「わかりました」


 「まず冬華さんの未来は、祝福の力によりかなり先の未来まで見えました。その結果、冬華さんは祝福の力を完全に自身のものにし、魔法力が神と同等までになっていました」



 神と同等の魔法力か、我が妹ながら凄いな、さすがとしか言いようがない、頑張って努力したんだろうな。

 しかし今の話からして、祝福の力を自身のものにということは、俺の呪いの力も自分のものにできるということか?



 「アルバス、今の話からして俺の呪いも自分のものにできるということか?」


 「はい、できます。なので秋季には呪いの力を自身のものにしていただき、魔法力も冬華さん同様、神と同等まで高めてもらいたいのです」


 「そうすることで、元の世界に帰れるかもしれないのか」


 「はい、ですがあくまでも可能性の話になります」


 「可能性さえあれば、冬華のため頑張れる!」



 小さな可能性だとしても、そこに冬華が帰れる可能性があるのなら、俺は頑張れる。

 でもアルバスの話しぶりから、祝福の力と呪いの力を自身のものにっていうは、絶対にアレのことも関係してるよな…。



 「アルバス、単刀直入に聞く、居るんだろう俺と冬華が行く異世界に、俺たち兄妹を自分の遊び道具にしたアーテルの部下が」


 「はい、居ます」


 「はぁぁぁ、やっぱりなぁぁ…」



 アルバスが言っていた、まず魔神から神核と魔神核を剥奪し、人界に落とした話、そしてアルバスとアーテルの管理している世界は二つ、さらに魔神の呪いは与えた魔神自身にしか解けない話、最後に祝福の力と呪いの力を自身のものにする話、しかも冬華の祝福の話を持ち出したあたり、祝福も呪い同様に与えた神(魔神)にしか解けないと考えて、俺と冬華の呪いと祝福の力をアーテルの部下に会ってしまうことで、取られないようにすること。

 俺が受けた呪いと冬華が与えられた祝福は、アルバスの話しぶりからして、かなり強力なものだからアーテルの部下に取り戻された場合、厄介なことになるということかな。

 はっきり言って超面倒だった、だが冬華に危険が迫ることを考えると、アーテルの部下の相手をするのは確実だから、やるしかない。



 「あ、そういえば、アーテルの部下の名前って何ですか?」


 「あ、言ってませんでしたね、彼の名前はミグマです」


 「わかりました、それと今更ですが、そのミグマから剥奪した神核と魔神核を使って、俺の呪いを解くことはできないのですか?」


 「できません、神核と魔神核は持ち主から抜かれると、その時点で消滅しますので」


 「なるほど、そう上手くはいかないか、これで今回の経緯説明は終わりましたか?」


 「はい、終わりました、今回はこちらの不手際でご迷惑をおかけします」



 そう言って、アルバスとアーテルから頭を下げられたけど、女神と魔神に頭を下げられる現状にただ困惑するしかなかった。



 「あの、俺はもう大丈夫ですから、頭を上げてください」


 「ありがとうございます」


 「それでこれから俺は、どうしたらいいのですか?」


 「これから秋季には、私とアーテルからそれぞれのスキルと、私とアーテルの混合スキル一つで、合計三つのスキルが与えられます。なのでどんな力が欲しいか考えてください」


 「あ、はい、わかりました」



 どんな力が欲しいとか急に言われても、考えたこともなかったから単純に、これあったら便利程度の考えと冬華の助けになるようなスキルが良いかな。

??「次回は、ついに秋季にスキルが与えられる‼︎」

  「さてさて秋季は、どんなスキルを欲しがるのかな⁈」

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