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英霊召喚に失敗して私の勇者を乗っ取られました ! 王女の私が、世界を救ってみせます ――聖剣と悪の血統者――  作者: 名録史郎
ep3.魔王降臨です!

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12.混乱2

「ニルナ様。待つのだ」


 カキュルトの忠告を聞かずに、私はアニマルゾンビ動物園へと向かいます。


「アニマルゾンビ動物園が……」


 燃えていました。


 フィルクが頑張って建ててくれて、レザ達が頑張ってゾンビを集めてくれた施設です。

 すでに死んでいるとはいえ、動物たちは苦しそうに悶えています。


「早く消さないと……」


「ゾンビや、建物など、どうでもよいといっておるのに」


「よくありません!」


 だって、なにより頑張ってくれたのは、カキュルトなのです。

 私は、フィルクからよく報告を聞いていました。


「私は、詳しい研究内容は、理解できていません。でも、あなたが……カキュルトが、国民を助けるために、頑張っていたことは、知っています」


 蛇に噛まれた女の子を助けているのも見ています。

 お城にも、感謝状がいっぱい届いているのです。


「大丈夫。建物など、何度でも立て直せばいい。ゾンビもまた集めればいい。今は逃げなければ」


「逃げません。王都が大変なのです心配しなくても、私は強いですから」


「そうではないのだ。強いとか弱いの問題ではなく……」


 また違う場所で火の手があがりました。


「あっちは……」


 確か教会の方です。

 

 私は、駆け出しました。 


「待てといっておるのに」


 教会につくと、教会もアニマルゾンビ動物園と同じように燃えています。


「ああ、教会が」


 フィルクが描いてくれた立派なホワイトドラゴンの絵が、真っ赤な炎で燃えていました。


「どうして、こんなことに」


「あいつが、裏切ったのだ」


「あいつ……?」


 中から神父が出てきました。


「ああ、よかった無事で……?」


 神父は、火のついた松明を持っていました。


 私たちの前で、教会の扉に火を放ちます。


「な、何を……」


 松明を持って教会に火を放っていたのは、神父です。


「な、なにをしているのですか!?」


「あいつは、もういない。これで私は自由だ!」


「ここはあなたの教会でしょう!」


 私の声に、反応して振り向きます。


「私の教会? ここがどこが私の教会なんだ。全部、全部、あいつに、あいつに奪われたというのに」


 あいつとは誰のことでしょう。


「奪われた? 今だって、あなたはこの国の教皇です」


「たった一度目を通しただけで、ドラゴンの召喚術すべてを理解し、部下たちをすべて魅了し、持っていった。あいつさえいなければ、私はずっと教祖でいられたのに」


「誰のことを言っているのですか」


 神父ではなく、カキュルトが答えてくれます。


「フィルク殿のことだ。竜神教は実質、フィルク殿が神父だったのだから」


「どういうことですか?」


「お祈りする事は人々の為にはならぬ。人々の為に駆け回る姿こそが神父ということだ。フィルク殿は毎日教会を訪れては、亡くなった人をおもいやり、残された人を慰め、働いていた」


「私をないがしろにする国などいらぬ。教皇である私に、ゴミ拾いを命じるなど」


 神父は憎々し気にいいます。

 

 カキュルトは言い返しました。


「あなたは我と同じであろう。行いの表面だけ見て迫害されていた。ただ、この国は、誰もあなたをないがしろになどしていない。フィルク殿は、あなたに国を愛する立派な人になって欲しいと」


 私は、カキュルトの言葉に頷き、言いました。


「教皇だから立派なのではなく、みんなに認められているから立派な教皇なのです」


「ならば、お前は、王などではないな」


「そんなことは……」


「お前より、この国にふさわしい王がいる」


「そんなものがいるわけ……」


 この国の王族は、私以外、全て滅びました。

 貴族もです。

 

 もしも、もしも、

 私が私の王の代わりにするとしたら、

 それは一人だけ。


 フィルクだけです。


「俺が王になってやろう」


 私の気持ちを否定するように、

 燃え盛る教会の中から声が聞こえてきました。


「麗しき君よ。あなたに王は似合わない。俺と結婚し、王妃になるといい」


 燃え盛る炎より、真っ赤に燃えるような髪をした男が立っていました。


「勇者ハーツ」


 教会から出てきたのは、先日城を訪れてきた勇者でした。

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