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英霊召喚に失敗して私の勇者を乗っ取られました ! 王女の私が、世界を救ってみせます ――聖剣と悪の血統者――  作者: 名録史郎
エピローグ2

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68/90

エピローグ2『伝説の影で』

 隣国を二つも征服した私は、自分の城の玉座に座っています。

 ただし、小さくなって膝を抱えた座り方です。


 気が抜けてしまった私の体をおばあ様が乗っ取ります


「オッホッホッホ! うまくいきましたわね!」


『うまくいきましたわね!じゃないでしょうおばあ様、なんで教えてくれなかったのですか』


 お姉さまは悪くありませんでした。

 ですが王だって悪くなかったのです。

 操られていたのですから。


 一度目は許す。

 そういう信条でしたのに、すっかり忘れて、殺してしまいました。

 私には、洗脳魔法を解除する方法があったにもかかわらずです。


『嵌めましたね』


「なんのことですの。オッホッホッホ」


 私が常時パリィをかけているのは、巫女対策ではなくて、おばあ様対策です。


 おばあ様は、私に自分が体を乗っ取ると思わせておいて、私に常時パリィを発動させて、巫女が精神感応魔法を使うという事実を伏せたまま、私のことを精神感応魔法から守りました。



 最初にまず、巫女とやらを殺してから、対応すれば、これほどまで、多くの人を殺さなくてもよかったのに。


 私は平気で人を殺します。

 それは、自国民を守るためです。

 殺さなくていいのであれば、殺したいわけではありません。


『私、絶対極悪人だと思われてるじゃないですか! フィルクに』


 なにより、フィルクに私が世界征服を進めていると思われてしまいました。

 お姉様にサインをお願いした時、フィルクに親書を送った時、困ったときにほんの少しだけおばあ様に質問しました。

 その隙に、ほんの少しだけ乗っ取られて、他国を征服するように仕向けられていたようです。


『もう絶対きらわれているじゃないですか』


「そんなことありませんことよ。だってあなたは誰よりもワタクシ似ですから」


『おばあ様似だから何だというのですか』


「ワタクシ、皆さんに好かれていましてよ」


『それは……』


 ソウが、ヨウキおばあ様が、民衆に好かれている極悪人だと言っていた意味がわかりました。


 大体、祖先で一番極悪人なのに、伝説になにも語られていないこと自体が、


 ガチのガチの極悪人です。


 私は、おばあ様と違い、ちゃんとみんなのことが大好きです。

 頭は足りていないかもしれませんが……。


「それにしても、もう二国も征服してしまうなんて、これで世界征服に一歩前進ですね」


『私は別に進みたいわけではないですからね!』


「あなたの意思とは関係なしに、まだまだこの国は狙われますよ。だったあなたは儚く可憐な弱々しい女の子にみえますからね」


『襲ってくるやつは倒しますよ。でも、そのうち気が付きますよ。私が強いって。私は城の上空にドラゴン飛ばすつもりですから』


 そしたら、みんな理解するはずです。


『魔王復活と自ら名乗ってやるんですから』


 心優しいウーツおじい様は、魔王と名乗ることで、国を守っていました。

 そしたら、みんな怖がって誰も倒しになんて来ないはずです。


「そんなにうまくいきますかね?」


『いきますよ! 平和になれば、フィルクだって……』


 私のことを好きに……はなってはくれないかもしれませんが……。


「私が代わりにあの男の子をおとしてあげましょうか」


『絶対ダメです。そんなことしたら死後ソウにいいつけますからね』


 政治はともかく、恋愛だけは、自分でなんとかします。

 おばあ様なんかに任せたら碌なことになりません。


「あらあら、それは困りましてよ」


『いい加減、体返してください!』


 私は精神から魔法を放ちます。


 パリィ。


 ガラスの砕けるような感覚と共に、自分の体が戻ってきます。


「まったく油断も隙も無い」


 自分の体をぺたぺた触って確認します。


 問題ないか、王座の近くに置いてある姿見の前に立ちます。


 鏡の前で、ほっぺた、パンパン。

 にっこり笑って、はいポーズ。

 可愛い可愛い自分がいます。

 鏡になんて聞いたりしません。

 私は私が一番大好き。


 自分でだってわかっています。

 容姿はともかく、性格があんまりよくないことぐらい。


「きっといますよね?」


 こんな私でも好きになってくれる殿方が。

 だってあんな極悪なおばあ様だって、結婚できたんですから、


「いつか必ず、カッコいい旦那を手に入れて、ラブラブで甘々な生活を送ってやりますからね」


 すべての道は私に通ず。

 自分の道は自分で決めます。

 私は決意あらたに、自分の足で歩いていくのでした。



 英霊様は勇者の体を乗っ取りました。

 2章完。

 第二章を読んでいただきありがとうございました。


 あらすじにも書いてあるとおり、

 ニルナの世界には、回復魔法が存在しません。

 そして、実はモンスターすら存在しない異世界物語です。


 つまり、この世界の悪意はすべて人の手によってつくられています。


 兄や大人たちに守られ育ったニルナは、自分の住む世界を悪意なんて何一つない素晴らしい世界だと思い込んでいました。


 すべての庇護を失ったニルナは、悪意に晒されながら、自分が悪意に守られていたのだと知ります。


 魔王=抑止力としての悪。

 海賊=強きを挫き、弱きを助ける革命としての悪。

 魔女=自分のみの幸せを願う自己中としての悪。

 そして、名もなき裏から操ろうとする極悪。


 悪意に晒され、自ら悪意を身に纏いニルナは進みます。


『海賊王にはなっとるんじゃな』とルーンが言っていたように。 


 第二章は、ニルナがソウの悪意を身に纏い、弱い自分の国民を守るため、戦う話です。 


 すべて、うまくいかなかったニルナは今度はウーツの悪意を身に纏い進むことを決めました。


 はたしてどうなるんでしょうか?


 少しでも、面白い、続きが読みたいと思った方は、『ブックマーク』

広告下の評価【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると嬉しいです。


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