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春休み明け

何の因果か生徒会の役員になった私、紬は今日も雑用に……生徒会の掃除に勤しんでいた。


「はぁ……」


私を言い表すなら、平凡で真面目。成績は良くもなく悪くもなくの中央点ぐらい。あ、でも英語と体育は苦手だ。うん。特に英語の点数は赤点ギリギリ。

とまぁ、我ながら特に目立つような事もなく……なのに何で生徒会役員になったのだろう?もっとふさわしい人が居そうなものを……


「いや、いまさらかそれは」


私の事を推薦した先生の話だと「真面目だけどあとひと押し足りない勿体ない生徒だったから」だそうだ。その時に私は他に向いてる人が居るんじゃ?とその先生に言うと「そうかもしれないけど、ワシがお前ならと思ったんだ。取り敢えず考えてみてくれ」と言われた。

考えて悩んだ末に引き受けた。


「だから今、こうしてる訳だもんな」


じゃあ何が憂鬱(ゆううつ)でため息をつきながら雑用をしているのか。それは己で定めた罰、の様なもの。

実は私、生徒会の定例会の二度目をすっぽかしてしまったのだ。うん……初回で誰が何の役職かを決めて、その次。実質の初めての活動だったもの。

言い訳すると、その日は学校が春休み期間。私は部活動へは入部していない……いや正確に言うと幽霊部員だった。そんな事もあって休みに学校が開いていると言う概念が無かった。そんな訳ですっぽかした。後日顧問の先生に言われ活動が合ったことに気付く、と。

その事があってから私は、雑用などを一手に引き受けるようになった。


「まぁ、雑用とか整理は嫌いじゃ無いけど……」


もとから縁の下の力持ちの様な役回りは得意、と言うか好きではあった。生徒会入りの条件に極力目立つような事はしない、と言って入ったぐらいだ。


「また、ため息に独り言かな?」

「……古詠(こよみ)さん?何の用?」


生徒会室の入り口にいつの間にか古詠ちゆが立っていた。


「キミを呼びに来たんだよ」

「呼びに?」

「朝会った時に言ったでしょ?委員会の方を手伝って、って」


そう言えばそんな話をした気がする。

ちなみに内の中学では生徒会役員が委員会の副委員長となり、委員長になった人のサポートにつく。

私は図書委員会の副委員長なので、委員長の古詠の部下の立ち位置だと認識している。


「どうしたの?急にじっと見て」

「あ、いや何でもない。ちょっと待ってね。もう終わるから」


集めたゴミをちり取りでとってゴミ箱へっと。うん片付いたかな。


「お待たせしました、お嬢様。では行きましょう」

「変なこと言ってないで行くわよ」

「はぁい。あ、鍵を返すから職員室寄っていくよ?」

「そう。なら付いて行くわ」


生徒会室の鍵を掛け職員室に向けて歩き出す。その横を古詠が歩く。

無言で歩くのもなぁ……あ、そう言えば。


「手伝いって何するの?」

「はぁ……やっぱり覚えてないのね。新刊整理よ。新書が届いたから並べるの」

「なるほど……量は?」

「二人でやれば直ぐに終わるわよ」

「ふむ……っと、ちょっと待ってて。……ふぅ。失礼します!」


一声掛けて職員室へ入り、鍵を返却する。返し終えて古詠の所へ戻ると、たわいもない話を図書室へ向かう。

そうするうちに図書室へ到着する。

さてと……


「じゃあ、ちゃちゃっと終わらせようか?」

「えぇ。終わらせて帰りましょう」



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