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修学旅行三日目

二泊三日の修学旅行も残すは帰宅のみとなった。行きの新幹線では、トランプなどで遊ぶ生徒が多くいたが、帰りの新幹線では寝て過ごす人が多かった。最終日は朝から移動をし、大阪にある遊園地へ行っておりみんな、疲れていたのだろう。そんな中私はと言うと、他の人と比べればそこそこ元気であった。緩いアトラクションだけを楽しみ、他は荷物を見ておくと言って、休んでいたからだ。


「行きより静かだな」


色々あったが一応、無事に終わったことに安堵する。一日目の時点で実は、体調が悪そうな事は先生に見つかっていた。清水寺の後、養護教諭の先生と病院に行って、一晩しっかりと休めば問題ないだろうと診断を受けていた。結果二日目は万全ではないものの回復はし、ごまかしながら行動していた。……まぁ、古詠(こよみ)さんにはバレていた。よく考えれば当たり前だ。清水寺の時点で一緒に居たのだから、先生とのやり取りを知っていても不思議ではない。


「とことん思考が鈍ってたんだなぁ」

「それもあるけど、キミ、存外分かりやすいよ」

「あれ?古詠さん、起きてたんだ」

「起きてたわよ?」


起きていたなら丁度いい。聞きたいことがあったところだ。


「なら聞きたいことがあるんだけど」

「答えられることなら、いいわよ?」

「何で殆どの時間、自分と一緒にいたの?一緒に回る約束した、友達がいたんじゃないの?」

「私のしたいようにしたって言ったでしょ?」

「それは聞いた。でも、本当のところは別じゃない?それが分からなくてね」

「……あなたの様子がいつもと比べて、変だったからよ。なのに一人行動しているみたいだから、ほっとけなかったの」

「それは、ご心配お掛けしました」

「本当よ、まったく。それに……キミと、思い出を作りたい、って言うのもあったから」

「お、おぅ」


面と向かってそう言うこと、言われると照れるな。と言うか、よくそんなこと照れもなく……いやこれは古詠さんも少し照れているか?


「キミは?」

「えっ?」

「一緒に居たのは、迷惑だった?」

「それは……むしろこっちだろ。自分の方こそ、迷惑を迷惑を掛けた」

「私は楽しかったわ。キミといられて、キミとの思い出が作れたから。つむぎはどうだった?」

「……自分も、楽しかったよ」


色々あったけど良い思い出は出来た、と思う。


「けど同時に、せっかくの修学旅行を台無しにしたんじゃ、って思うんだよね」

「これはコレで、良い思い出なのだけど……気にするわね」

「そりゃあね。古詠さんに対しては、特にそう思ってるから」

「ふぅん~。……ならさ、いつか二人で旅行に行かない?」

「……えっ?」

「嘘よ。買い物。買い物に付き合ってよ」

「あっ……買い物ね。そんなんで良いなら、いつでも付き合うけど……先に言っておくけど、センスは無いからね」

「構わないわ。約束よ?……お互いをよく知るために、行くようなものだもの」


約束と言った後古詠さんは、小声で何かを言っていたようだけど、私には聴こえていなかった。話の流れで決まった約束の方に私は気を取られていたのだった。


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