相談事
「つーくん、相談があるんだけど、今いい?」
「……まぁいいけど。あんまり期待はしないでよ」
ある日の放課後、生徒会で整理を行っていたところに美咲さんがやって来た。
「つーくんなら大丈夫。信頼と実績に基づいた、相談役じゃない」
「そんなつもりはないんだけどなぁ」
私は何故か相談事を受ける事が多い。上手い返しをしているつもりもないし、ただ話を聞いて思ったことを言っただけなのに、何故かそこそこ評判が良いらしい。まぁ、取り敢えず話を聞いてみないとな。
「で?相談って何?」
「えっとね、一年生ってもうすぐ林間学校じゃない?」
「あ~、もうすぐそんな時期だっけ」
「そうだよ。でね、後輩ちゃんたちがスマホをどうやったら、バレずに持っていけるのかって聞かれてね~」
「それなら、自分がしたやり方を教えればいいじゃん」
「私、スマホは持って行かなかったから」
「なら、持っていかないのが一番って言えば解決でしょ?」
「個人的にはそう思うけど、だからって意見を押し付けるのは違うでしょ」
「まぁ、そうだわな。で?結局相談って何よ」
「まぁまぁ。話を最後まで聞いてよ」
「聞いてるからはよ」
「うん。でね、後輩ちゃんたちが知りたいのはスマホがバレない方法じゃない?だから電源を切るか、マナーモードにしたらって言ったの」
「それで充分だろ。相談事ないだろ」
「相談してきた子たち、物凄く心配性で他にも何か無いかって聞いてきたのよ。だから一日くれれば、相談役にいい案無いか聞いてくるよって言ったの」
「相談役のつもりは無いんだけど……」
しかしなぁるほど……それで現在に至るって訳か。しっかしなぁ……そこまで心配性なら、持っていかないのが一番だろうに。まぁ、このデジタル時代にスマホ持ち込み禁止な学校の方が珍しいか。……さて。
「じゃあ、見付かりにくくする方法、ってことでいいんだよね」
「Yes!どうかな?」
「ん~……電源とマナーモード以外なら、あと1つだけあるよ」
それは本で読んだ知識。実際に私もやってみて、効果があることは実証済みの方法。
「どんな方法なの?」
「スマホをアルミホイルで包むの」
「アルミホイル?」
「そ、アルミホイル。原理はどうだったか忘れたけど、アルミホイルがスマホの電波を遮断するらしい。つまり、スマホの機内モードと同じような働きをするわけ」
「へぇ~そうなんだ」
「あ、でもアラームとかはスマホの設定だから、たぶん防げない。だからやっぱり、持っていかないか、電源を切っておくのが一番だと思うよ」
「分かったわ。じゃあ後輩ちゃんたちにはそう伝える!ありがとね、つーくん」
美咲さんはそう言うと、生徒会室を出て行く。取り敢えず、今日はもう切り上げて、私も帰ろう。




