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体育祭当日

「なぁーにやってんだろうなぁ」


体育祭の当日。私はテントから行進の様子を眺めていた。……捻挫してました。あの時の急な旋回に足が付いていかず、大きく捻ってしまっていたようだ。予行演習での怪我は、膝の捻挫で全治一ヶ月と以外と重かった。そんなわけで、当日まさかの見学となってしまった。


「ほんと……なにやってんだろ」


自分以外誰もいないテントで呟きを漏らすが、それを聞く人は誰一人としていない。行進が終わり開会式が始まる。



            ◆◇◆◇◆



「楽しんでいるかな、つーくん?」


プログラムの1/3ほどが終わった頃、天音が声を掛けてきた。


「天音……迷惑掛けたね」

「その話はもうすんだでしょ?迷惑なんて、思ってないよ」

「まぁそうだけど……やっぱりねぇ」


罪悪感がどうしても拭えない。


「気にしいなところあるよね、つーくんって」

「そうかな?」

「そうでしょ。真面目で以外と気にしいがつーくん」


……そこそこ長い付き合いの天音が言うなら、そうなのだろう。周りの評価とかあまり気にしてないつもりだったんだけどなぁ。


「さて、私はそろそろ行くね」

「ん、頑張って」


天音を見送るとグランドの方を見る。進んでいく競技を観ながら、天音が言った言葉を反芻する。


「楽しんでいる、か……」

「一度しかないなら楽しんだ者勝ち、でしょ?」

「古詠さん?」


今度は古詠さんがやって来る。


「天音ちゃんはよく言ってるわ。せっかくやるんだから楽しもうって」

「楽しもうねぇ」

「私もそう思うわよ?いつまでもうじうじしているより、切り替えて今を楽しむのよ」

「……まぁその方がいいのは、何となく分かる」


分かるが、どうも乗りきれない。元々運動も好きではないし、体育祭の勝ち負けにあまり拘りがないからなぁ。……あれ、もしかして原因はそこ?私自身が参加しているようで、参加していないから罪悪感とか言う、余計な事にばかり目が行くのか。なら、どうすればいいだろ?


「……じゃあ私の活躍を観てて」

「ん?」

「私を観てて。そして応援してよ」

「古詠さんを?」

「今のキミでも、応援は出来るでしょ?」


だから古詠さんの応援をする、かぁ……ちゃんと参加する一歩目としては丁度いいか。


「分かった。じゃあ、応援することにすわ」

「うん。なら私も頑張ってくるわ」


そう言って古詠さんは入場門の方へ歩いて行った。


「今を楽しむ、かぁ」


言われてみれば、大切なことだよなぁ。私だってどんなラノベを読む時だって、ワクワクと楽しみながら読んでいるもの。楽しむ気持ちがあるかないかの一つで、見える景色は大きく違って見えるんだな。そんな気付きと共に体育祭は進んでいった。



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