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魔王引退  作者: ちる
1/1

引退宣言


「おいお前ら、俺は魔王をやめることにしたよ」


唐突に俺は言い放った


「はっ?何を突然!?」

部下が騒ぎ出す

「俺の後釜はルキにでもしたらいいんじゃない?」

俺はそう言い捨ててさっさと転移した


俺が転移した先は人族、魔族、獣族の中心にある大陸の家だ

ここは無人島だ

魔力隠しの結界も未然にはっておいたからばれることもないだろう

まあ、よくある計画的な奴だ


「はぁ~やっと自由だ」


ソファに横になった


「周到に準備したかいがあったよね」


今頃魔王城はパニックだろう


「まあ、ルキが全部やってくれるでしょ

 優秀な妹をもって幸せだよ僕は」


皮肉たっぷりに吐き捨てた


『あ、魔王様だ!』

『ほんとだ!』

『いつきたのー?』


妖精たちが集まってきた


「その名で俺を呼んだらだめだよ妖精達

 僕はエマだよ」

『そーだったごめんなさい~』

「次から気を付けてね」

『はーい』


のんきに精霊たちが答える


「じゃあ、俺は今日からここに住むから

 もし、誰か来たらすぐにしらせてくれ

 誰かいるか聞かれても誰もいないっていうんだぞ?」

『『はーい!!』』

「あと、一緒に連れてきたんだけど…

 こっちはペットのヘビーモスのビーちゃんだ」


おれは懐に隠れていたビーちゃんを妖精に見せた


「ぎゅるうぅ・・・・」



『『かわいいー!!!』』

声をそろえて叫んだ

『ねえねえ、遊んでいい?』


今にもビーちゃんに飛びついてきそうな勢いだ


「いいよ

 じゃあ、俺はねるからな」

暇だから寝ることにした

『おやすみー』

『まだひるだよー?』

『ビーちゃんあそぼー!』


そんな声を聴きつつ意識が薄れていった




    ・・・・・ 

 ・・・・・・・・・・・・・  

・・・・・・・・・・・・・・・



6,7時間はたっただろうか

「・・・目が覚めたなあ」

目がさえて寝れない

しかし暇だ

暇つぶしに魔王城の様子を見ようかと思ったが逆探知されてしまうかもしれない


「散歩しよ

 ・・・あいつらにあいさつしとくか」


家の外に出た

妖精たちはビーちゃんと遊んでいた

『あ、エマ様だ!』

『どこいくの~?』

「ぎゅるうぅ~」

「散歩だ散歩

 ビーちゃん借りてくぞ」

『あ!ビーちゃん!』

『いってらっしゃーい』


ビーちゃんは俺のほうに歩いてきた

「ぎゅるうぅ~♪」

「いくか」


言いつつ探知を発動させてみた


「まあ、探知なんぞしても誰も来ないと思うけどね・・・」

「ぎゅるぅ~?」

この島は徒歩2,3日あれば一周できるというくらいの大きさだ

しかし生息している魔物やドラゴンが強すぎて基本誰も来ない


「!!ぎゅる!」

「よお、ドラゴン」

たどり着いた先にいたのは虹色ドラゴンだった


虹色ドラゴンは通称精霊龍ともよばれる

ドラゴンの中では最強の種だ


「誰かと思えば魔王か

 また準備でもしにきたのか?」


「その名前じゃなくてエマって呼んでくれよ

 万が一バレたら面倒だ

 それに準備じゃなくて住んでるんだよ」

「承知した

 そうか、魔王をやめたのだな」

「ああ、これで晴れて自由だ」


話をしていると

「ぎゅるぅ」

ビーちゃんは俺の前で逆立っていた


「ああ、ビーちゃんすまんすまん

 このドラゴンは昔からの知り合いだ

 敵じゃない」

そういうとビーちゃんは戦闘隊形をといた


「ふむ、先ほどから思っていたがそやつヘビーモスか?」

「そうだよ、ビーちゃんっていうんだ

 かわいいだろ?」

にやりと笑って見せた

「ヘビーモスの幼体か?

 やけに小さいな」

「いや、成体だよ

 俺が小さくしてるだけ」

「そうか」

「ああ、じゃあそろそろ行くよ 

 あいつにも挨拶してくる」

「承知した」


「はら、いくぞビーちゃん」

「ぎゅるうぅ~」

俺は再び歩き出した



「あやつが来たということはまた騒がしくなるな」


ドラゴンはポツリと呟いた




「もうちゅっとだビーちゃん」

「ぎゅるう~♪」


道中ゴーレムの中でも一番強いキングゴーレムや

赤竜、水竜、土竜などの竜種

キングスライム

等々がいた


それらを無視して歩いていくと開けた空間に出た


「出て来いよ黄金鳥」


いうと黄金の鳥が降りてきた

「ぎゅる!」


「久しいなエマ」

「この間あったよ・・・」

「そうか?まあ、いいではないか!」

笑いながら言う

「黄金鳥、俺もうここに住んでるから」

「ほう、いつからだ?」

「昨日」

「そうか・・・ところで気になっているのだが」


黄金鳥はじーっとビーちゃんを見ている


「ああ、こいつはヘビーモスのビーちゃんだ」


「ビーちゃんというのか・・・なんてかわいいんだ!!」


じりじりビーちゃんにちかずいていく


「ぎゅ、ぎゅるうぅ~」


ビーちゃんはさっと俺の後ろに隠れた


「おい、よしてやってくれ」

「だが可愛すぎるっ!!」


ビーちゃんはプルプル震えている


「おい、もう行くぞ」

このままいたらビーちゃんが餌食になりそうだ


「なんと!行ってしまうのか!またこい!

 もちろんビーちゃんをつれてな」

「・・・気が向いたらな」


おい!という声を背中で聞きつつ歩き出した




なんだかんだで島を一周して家に戻ってきた


『エマ様だ~』

『ビーちゃんだ』

『おかえりなさい!』


約2日ぶりか


「ああ、ただいま」

「ぎゅる!」


「さて、寝るかな」

『えー!』

『またねるのー?』


「ビーちゃんとでもあそんでなよ」


さっさと俺は寝た




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