最終航行 (エピローグ) ギンガが歩む、これからの話
―――3年生が卒業してからの話。
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ギンガが2年生に上がった年度は、久々の入学生が150人となった。
そして、学校別の大会では4位、国別では2位となった。
そして生徒会の代は代わり、ギンガが生徒会長、シアラが副生徒会長になった。
ギンガは参謀役の副生徒会長としてやりたかったが、皆の後押しで生徒会長になったのだ。
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そしてギンガ達が3年生になると、この年度も入学生は150人。
着実に学校の名が、再認されるようになっていった。
リハマ市も、今年度から再度本格的な金銭面のバックアップをすると申し立てがあり、戦艦の保有も少しずつではあるが増えていった。
この年度の大会では、学校別で2位で過去最高の順位を取り、その後の国別でも1位になった。
そして、ギンガは無事に卒業試験も突破し、海軍に入隊する。
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軍本部がある、メンデラス市にあるケーレイド海軍本部基地。
そこに、ギンガを含めた海洋学校卒の人達が集まっていた。
そう、この日は入隊式だ。
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『これより、ミハローガ王国海軍第157期生の入隊式を執り行う。まず始めに、レジラーゼ海軍大将より、入隊生にご挨拶。』
レジラーゼ大将が、壇上へ上がる。
『海軍に入る、全隊員に告ぐ。この場に居るということは、御国の為に精進すると誓いを立てた者達である。全力を尽くし、この国を守り抜くように!』
「「はい!」」
『ありがとうございます。……それでは、次に第157期生の代表挨拶。アスマロス海洋学校卒、ギンガ・アツギさん。』
ギンガは壇上へ上がる。
「私達第157期生、海軍の一員として御国の為全身全霊に守り抜く精神と努力をここに誓います。代表挨拶、ギンガ・アツギ。」
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入隊式が終わった。
その後、ギンガは殉職した海軍軍人が祀られているラゼリア墓所に赴いた。
海難救助時に海に投げ出され行方不明となっていた父だったが、事故の場所から南東にある小さな有人島で骨が発見された。
鑑定の結果、父であることが分かった。
それを知らされたのは、ギンガが海軍の入隊式に出る前日だった。
この件を聞くまでは父が生きていれば、と思った。
胸を張って、海軍に入った事を伝えたかった。
でも、これは『生と死は紙一重』である軍人の宿命。
そう自分に言い聞かせた。
「……ここか。」
父――ミッゼルガー・アツギ――の名前を見つけた。
お墓に花を手向ける。
「僕は父さんと同じ、海軍としての道を歩いて行きます。皆に慕われるように頑張ります。どうか僕の事を見守ってくれますか。」
ギンガが、そう呟く。
その時、『ギンガならやれる』と声が聞こえたような気がした。
……父さんから、僕に向けての『はなむけの言葉』だろうな。
―――ギンガの海軍への道は、始まったばかり。




