第2航行 ルームメート
入学式は無事に終わった。
……ちなみにだが、今年度の新入生代表の挨拶はシアラだった。
テストで最高点を取った生徒が選ばれるらしいが、まさかとは。
入学式後は、一旦寮に荷物を置くらしい。
それから、学校生活の話をするらしい。
「………ここだな。103室。」
寮の部屋は、男子寮、女子寮共に二人一部屋だ。
合鍵もそれぞれ、1つ貰う。
部屋は開いていた。もう一人が居るのかな。
「よっ、お先ですぜ。……たしか、同じクラスのギンガ君だっけね。」
そのもう一人が居た。
身長はギンガよりもちょっと高く、体型はしっかりしている。
「はい。………確か管理科の。」
「マガイロ・クローンだ。呼び方は好きにして良いぞ。よろしくな。」
「よろしく。」
▪▪▪
「あの、マガイロさん。」
教室に戻る途中、ギンガは話しかける。
「おいおい、呼び方は好きでって言ったけど……同い年に『さん』付けは無いだろう?」
マガイロはそう言って、笑った。
「もうちょっとフレンドリーに行こうぜ。ルームメートなんだしさ。」
「そう、だよね。………じゃあ略して『マガ』、と呼ばせて貰おうかな。」
マガイロは頷いた。
「じゃあ、俺は『ギン』って呼ばせて貰うぞ。で、話は何だ?」
「そうだ、マガはどうして『管理科』に?」
戦艦管理科は、志望して入る人は少ないと噂を聞く。
まあ、そもそも入る枠が少ないからと言えるが。
「親父がな、戦艦の整備をしているんだ。それをずっと見てたから。」
マガイロが言う。
「でな、親父はこの学校を卒業したんだ。コネを使ったワケじゃあ無いが、俺は同じ道を辿ってみようと思ったんだ。」
「へえ、父親と同じ道か………。」
「そういや、ギンはどうしてこの学校へ?」
「僕、元々戦艦を見るのが好きで。それに併せて、母子家庭だから……少しでも母さんに楽させたくて、海軍の道を歩もうと思ったんだ。」
「成る程。……なかなか、親想いなんだな。」
▪▪▪
教室へ戻った。
「あ、ギンガく~ん。聞いてよぉー。」
入るなり、シアラが話しかける。
「どうしたんだ、シアラ。」
「部屋、一人部屋だってさぁ。女子が少ないからって。ルームメートと仲良くなれると思ったのにぃー。」
拗ねたような口調で話してくる。
……たく、なんで親が居る時とそうじゃない時の口調が変わるのか……。
「それは仕方がないぞ。少しは我慢だ。」
「むぅ~、そんなこと言って……。」
シアラはふて腐れたように、頬を膨らます。
「確か、新入生代表挨拶をしたシアラさんだっけな。」
マガイロが横から話しかける。
「あ、はい。マガイロ・クローンさん、でしたよね。」
マガイロは頷く。
「まさか、二人……知り合いなのか?」
「ああ、まあ、うん。」
「なによ、その返事は。……ギンガくんとは、小学校からの同級生で。お互い、戦艦が好きで意気投合してからずっと仲良くさせて………ね?」
ギンガは苦笑いしつつ、頷く。
「お見苦しいが、前からこんな感じで。」
「見苦しいって、それ言い過ぎよ。」
「でも、仲良くないとそこまで馴れ馴れしくはないよな。………あの、俺も仲良くして貰ってもいいかい?ギンとルームメートになったし。友達も増やしたいなぁと思って居たところだし。」
「えっ………えっ!私と友達に、良いんですか!?ひゃぁー!」
さっきの雰囲気とはうって変わって、満面の笑みを浮かべた。
「じゃあ、マガイロくんと呼ばせて貰いますね。私はシアラと呼んでください。」
「おう、よろしくな。シアラ。」