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僕らの夢は水平線の向こうにある ―戦艦に乗って出航!―  作者: 桜橋あかね


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第34航行 大会記録(国別対抗編):グレンドー国vs.ルゥイベットロ王国

試合の翌日。


「これより、グレンドー国選抜対、ルゥイベットロ王国選抜の試合を行います。一同、礼!」


「「お願いします!」」


両方の生徒が戦艦に乗り込んだ。


▪▪▪

 

「今回は、サーベロットのF14戦艦改造型4隻でC型を守って貰います。A型はイガラベットのを1隻で、残りはシアラベットとうちらのF型が攻撃側として対処します。よろしくお願いします。」

ネシラが言う。


『『了解!』』


「A型1隻はなかなかハードじゃ無いですか?」

通信師のツラバが言う。


「……まあ、そうかも知れんがな。相手の事を考えると、攻守固めないと困るから。致し方ない。」


▪▪▪


「ルゥベットロは硬度があるから、守りのF型には攻撃せずC型を集中攻撃してちょうだい。隊形はいつもの通りだけれど、昨日の反省を活かして後方もしっかり守るわ。」

ベルシアンが言った。


『今回は下手に惑わされないよう、落ち着いて操行するわよ。』

ベルアンテの声だ。


「勝てると良いですが……」

リュウが呟く。


「とりあえず、やるしかないわ。………じゃあ、出航よ!」


▪▪▪


試合開始から、約40分。

イガラベットのA8型戦艦は、東側を操行していた。


『船先、相手を遠目ながらに目視。』

監視師からの報告だ。


「やはり、囲みの戦術ですね。……どうしましょう。」

情報管理師のセツラが、艦長のオトバに聞く。


「セツラ、一番近いF型は?」


「シアラベットのF型2隻ですね。」

レーダーを見ながら、そうセツラは応える。


「マード、シアラベットの戦艦に向かわせるよう伝えてくれ。」

オトバはそう、通信師のマードに伝える。


「分かりました。」


「砲撃範囲に入らないようにしたらいいかな。」

操行師である、ツルネが横から言う。


「そうだね。なるべく、相手の周りを操行して欲しい。」


「了解。」


▪▪▪


グレンドー国側のC型戦艦では。


『遠巻きに、相手のA型が見えるわ!』

ベルアンテの声だ。


「1隻だけみたいですね。」

リュウがそう言う。

レーダーを見ると、砲撃範囲から外れて操行しているみたいだ。


「ネルサイントロのF型1号で、あのA型を攻撃するよう言ってちょうだい。」

ベルシアンは、通信師のムニアにそう伝える。

なるべく、隊列を崩さないように1隻だけで対処する。


「了解です。」


そこから数分で、対処に向かわせたF型から『A型を撃破』と報告を得た。


「……それじゃあ、合流してちょうだい。」


▪▪▪


その頃、シアラベットのF型では。


「ウシラ君。A型戦艦から、NE5地点よりC型と囲みのF型を発見したようです。」

通信師のアツネが、艦長のウシラにそう伝えた。


「2号にも、応戦要望をしたとの事。」


「距離からして、約1200リェン先ね。」

管理師のエミラーニが横から伝える。


「エンジンの最大出力だと、10分で着く計算だな。早く向かおう。」

ウシラはそう言うと、機関室に最大出力にするよう伝えた。


『ウシラ、聞こえる?』

2号の艦長である、ルネチーラの声がした。


「ルネチーラ、どうした。」


『C型の件は聞いているかしら。』


「さっき、アツネから聞いた。それがどうかしたか。」


『A型が相手に落とされたらしいわ。』


それを聞いて、レーダーを見るとA型戦艦が白く点滅している。

通常は、赤く点滅しているから撃破された証拠だ。

相手の戦艦は、そのまま北北東の方に操行しているみたいだ。


その先に、こちら側のC型とF型のレーダーが映る。


「こりゃあ、まずいぞ……!」


▪▪▪


『相手のC型を目視しました。』

ネルサイントロのF型2号から、報告を得る。


「サーベロットが囲みのF型みたいですね。」

リュウがレーダーを見ながら、そう伝える。


『砲台を見る限り、F14の改造型ね。遭遇を見込んで、かしら。』

ベルアンテが言う。


F14の改造型戦艦は、確か攻撃にやや特化した戦艦である。

相手は重装甲だから、速度は遅いはずだ。

――やれることは、1つ。


「………このまま、全戦艦は速度を上げて一斉に攻撃するわよ!」


▪▪▪


『C型戦艦、聞こえますでしょうか。』

カウラベットのC型戦艦に、F型戦艦からの通信が入る。


「シアラベットのF型1号、どうかしましたか?」

ネシラが応える。


『相手の戦艦が、そちらに向かっております。』


「さっきのA型戦艦が撃破されたのと、関連がありそうだな。」

ツラバが横から言う。


『前方より、相手のC型とF型を目視。かなりの速度で、こちらに向かっているようだ!』

甲板監視師が、そう伝える。


「こっちのF型も追いかけて来てるみたいやけど、距離的に追い付くのは無理そうよ。相手の方が速いみたい……どうする、ネシラくん。」

情報管理師のネミィがそう言う。


多分、F型の合間を縫って攻撃すると考える。

だとしたら、サーベロットのF型に任せるしか無いのか――


相手が速度を上げて向かっている以上、悩んでいる時間は無い。


「前方を操行している、F型2隻は相手のC型を狙ってください。」


『『了解!』』


操行師のナミネーゼに、左方向へ旋回を頼む。

それと同時に、後方にいるF型も沿うように守って欲しいと伝える。


「何とか、耐えてくれ……!」


どんどん、両チームのC型とF型が迫る。


F型戦艦同士による激しい応戦している。

……だが、両方のC型戦艦に弾が当たり黒煙を上げながらその場に停止した。


▪▪▪


グレンドー国側のC型戦艦では、砲撃を喰らったがエラー音は鳴っていない。


「機関室、エラーは出ているかしら。」

一応だが、ベルシアンが機関室に聞く。


『舵機能、エンジン系統には異常なし。操行には問題は無い。』


▫▫▫


逆に、ルゥイベットロ王国側のC型戦艦では、エラー音が鳴り響いていた。


『こちら、機関室。[エラーコード05] (砲台破損) 、[エラーコード09] (舵機能停止) が出ています。……もう、操行は不可です。』


機関室からその事を聞いたネシラは、敗けを悟り白旗を上げた。


『ルゥイベットロ王国選抜、C型戦艦操行不可。よって、グレンドー国選抜の勝利!』


▪▪▪


試合後、ネシラと副官のレソンはグレンドー国側の陣地へ赴いた。

司令官、副官共に握手を交わした。


「やはり、そちらの攻撃には敵わなかったです。……流石、と言えますね。」

ネシラがそう言った。


「そちらの応戦も、なかなかだったわよ。……ここまで手こずるとは思わなかったわ。」

ベルシアンがそう、応えた。


「試合、とても有意義でした。」


「こちらこそ、だわ。」


▪▪▪


翌日の3日目は、ミハローガ王国とルゥイベットロ王国の試合が執り行われる。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ルウィベットロ王国とグレンドー側の 被害状況の対比の書き方がスコ♡ こうゆうとこさり気に上手い [気になる点] 負けたところとあたるのかー でも油断は大敵ですぞ(; ・`д・´)ッ […
2022/03/18 00:28 退会済み
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