第18.5航行 お見舞い
大会前日。
バーモントとギンガは、ミミナが入院している病院へ向かった。
受付で見舞いの事を話すと、病棟4階の重症者用の病室へ案内された。
部屋の前に、一人の女性が出迎えていた。
あの人がお母さん、なのかな。
「バーモント君、お久しぶり。」
「はい、お久しぶりです。」
「それと、貴方が前から話を聞いていたギンガ君って方ね?私、ミミナの叔母であるエルアと申します。」
「はい……。」
叔母……?お母さんではないのか。
その旨を言うと、エルアは悲しそうな顔をした。
「ミミナの両親は、二人ともあの感染症で亡くなったのよ。何とか生き延びたのはあの子だけでね。」
どうやら、エルアが引き取って育てているみたいだ。
「……そうだったんですか。」
「ここで話すのもあれだし、中へ入りましょうか。」
三人は部屋へ入った。
部屋の中は仕切りがあり、その向こうにベッドがある。
そこにミミナが眠っている。
「ミミナ、二人がお見舞いに来てくれたわよ。」
その声を聞いて、ミミナは目を開けた。
こちらを向いて頷いた。
少しやつれて見える。薬の副作用なのかな。
「具合は大丈夫か?」
バーモントが聞くと、少し困った顔をして頷いた。
「今ね、強めの薬を投与しているのよ。……日に日に弱っていくし、声も出せない状態なの。」
エルアが説明した。
……見ていて辛くなる。
きっと、この状態を見通していて、自分に大会の事を頼んだのかな。
「先輩、きっと良くなりますよね。」
ギンガはそう呟いた。
「それは、神様次第だわ。」
エルアは俯いてそう言った。
「………僕、先輩の分まで頑張ります。良い報告が出来るまで、どうか……」
ミミナは、笑みを浮かべて頷いた。
▪▪▪
病院を出た。
その帰り道。
「ギンガ君。」
「はい、何でしょう。」
「あのな……」
バーモントは、F型戦艦に乗るよう打診したあの日、彼女が『もう長く無いから』と言った事を話した。
「……やっぱり、そうだったんですか。」
「ミミナはな、根っからの努力家で、人一倍の勉強をして……ようやく指揮官として認められたんだ。俺は、影から支えようと……。」
バーモントは言葉が詰まった。
余程、二人は信頼しあっていたのかな。
「……ここ数年間、初戦敗退が続いているんだ。優勝までとは言わないが、何とか初戦突破はしたいと思っている。」
▪▪▪
その翌日の早朝。
皆は荷物を持ち、戦艦に乗り込む。
「いよいよね。」
シアラが話しかける。
「……そうだな。」
「元気、無いわね。……やっぱり、ミミナ先輩の事?」
ギンガは頷き、昨日の事を話した。
「そっか……。」
シアラはそれ以上話さなかった。
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