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僕らの夢は水平線の向こうにある ―戦艦に乗って出航!―  作者: 桜橋あかね


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20/58

第15航行 夏休み明け

「これより、2学期の始業式を執り行う。」


夏休みが終わった。


ちなみに、夏休み終了3日前の練習は、台風の影響で無しになった。

そのまま、家に待機していた。

やりたかったけど、仕方がないのかな。

(リハマ市の夏の数ヶ月は、台風の通過が多くなる為、天候悪化で練習が出来ない日が多くなるみたいだ。)


▪▪▪


「………マガ、台風大丈夫だったか?」

教室へ戻った後、ホームルームが始まる前にマガイロに台風の事を聞いてみた。


「凄い荒れてたよ。流石に、上の学年の管理科と一緒に高台へ避難けどな。」


学校の近くには、高さ20m以上ある高台と小屋がある。

万が一に備えた、1次避難所となっている。


「皆、席付けー。」

シキハ先生が声をかける。


「2学期最初のホームルームを行うぞ。」


2学期の内容を伝えられた。

半ばにある大会に向けての練習が増える。

それから、技術科は海難救助の授業を本格的に行うみたいだ。


「海難救助、か……。」

ギンガは、バロの言っていた事を思い出していた。


海難救助中、海に投げ出されて行方不明の父さん……。

母さんにあの後聞いてみたっけ。


そうしたら、涙を浮かべて

「……言わなくてごめんね。ギンガが寂しい想いにさせたくなくて。」

と言っていた。


流石に、それ以上は言えなかった。


「………ギンガくん?大丈夫?」

シアラが声をかける。


「あ、うん。大丈夫だよ。」


「………さて、2学期の説明は以上だ。大会に向けて、気を引き締めて過ごすように。」


「「はい!」」


▪▪▪


その日の昼休み

バーモントは、リネンダ副校長に呼び出され、教務室へ向かった。


「バーモントです。」


「……ああ、バーモント君。入りなさい。」


「失礼します。……あの、お呼びだしとは?」


「それはだな………」


▪▪▪


「………ギンガ君。ちょっと良いかな。」

その頃、ギンガに声をかけたのは学級委員長のファンだ。


「はい…?」


そのまま、校舎の人気(ひとけ)のない所へ向かった。


「あのな、此処だけの話なんだが……うちの学校、もしかしたら廃校の危機にあるかも知れない。」


「えっ………えっ!?廃校!?」

思わない言葉に驚きを隠せず、大声を出してしまう。


「しっ、しー!」


「ご、ごめん。」


「まあ、教務室からの会話を聞いただけだから、信憑性は怪しいと思うが……来年度の応募が100人を切るようであれば、新規の応募はその時までと言っていた。」


夏休みの時にマガイロから聞いた話は、それに通じるかも知れない。

その事をファンに話した。


「資金難であればその話がでてもおかしくは無いな。」


「………やっぱり、何とかして学校の魅力を出さなくちゃいけないのか。」


「そう。……だから、この話をギンガ君に話したんだ。」


「えっ……?」


「90年続いたこの学校を、終わらせたくない。自分は少なくともそう思う。」


私立の学校で90年も続いたのは、アスマロスしか無い。

確かに、これまでの伝統を終わらせたくない。


「だからこそ、この学校を大切にしているかどうか……自分から見て、ギンガ君が一番大切にしていると思ったんだ。」

ファンは続けて言う。


「………そうか。」


「気を重くしてしまった、かな。」

ギンガは首を横に振った。


「いや、そこまで信頼してくれているのなら……僕はやれるだけ、やってみるしか無いよ。」


「俺に何か出来るなら、何でも言ってくれ。」


「ありがとう。……その時はよろしくな。」

ファンは頷いた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] フムフムフムと読んでいたら (・_・D フムフム フム (;・∀・)…… (;゜Д゜)?! マジですか?! こ、これは予想していなかった展開…… パソの前で 「ぇぇぇ…
2021/10/28 08:46 退会済み
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