第10.5航行 F型戦艦に搭乗します
翌日の戦艦練習、ギンガとシアラはF14型戦艦に向かっていた。
因みに、二人が担っていた役目は他の同級生に任せる事になった。
「後輩の二人~、こっちこっち。」
搭乗する船の前に、二人の先輩が居るみたいだ。
あれ、確か一人は……。
「貴方達がこのF型戦艦に乗る後輩ちゃんね。私は、情報管理師の3年1組のアミナと言います。よろしくねぇ!」
「ギンガくん、だったっけな。まさかこんな形で一緒に練習が出来るとはな。……改めて、このF型戦艦の艦長を務めている、リバーバだ。よろしく。」
前に食堂でお昼を一緒に食べたリバーバ先輩。
F型戦艦の艦長だったんだ。凄いな……。
「ミミナから話を聞いて、一緒にやってみたいと思って提案したんだ。そうしたら快く承諾してくれてな。」
「そうだったんですか。」
「さて…話はここまでにして、乗ろうか。」
4人はF型戦艦に乗り込んだ。
立ち回りは、A型戦艦と同様だ。
『各自、エンジン始動。』
C型戦艦から指示が飛ぶ。
「出航!」
▪▪▪
「「お疲れ様でしたー!」」
今日も練習が終わった。
「一回り大きい戦艦って、やっぱり壮観よねぇ。」
「そうだね……。」
「何だか、浮かない顔をしているわね。どうかしたの?」
シアラは顔を覗き込む。
「ん……。」
「まだ、サブ司令官の件……気になってるの?」
あれからずっと考えていた。
本当に僕らで指示をしていいのか心配で、圧に押し潰されそうだ……。
「まぁ、やるしかないわよ。期待に添える限りね。それに、私が居るし……心配しすぎは良くないわよ。」
シアラの言う通りかもしれない。
もう少し、気軽に考えた方がいいのかな。
▪▪▪
その頃、女子寮の寮長であるハロンがミミナの部屋に向かっていた。
朝、体調が悪いと言っていたが……それから部屋を出ていないのが気になったのだ。
「鍵を開けてっと……。ミミナちゃーん、入るわよ~?」
部屋の奥から、苦しむ声が聞こえる。
向かうと、ミミナは顔が青ざめて苦しそうにしている。
「ミミナちゃん、ミミナちゃん!?………い、急いで救急隊を呼ばなきゃ……!」
▪▪▪
「………バーモント、ちょっといいか?」
練習後、バーモントはアガミ先生に呼び止められた。
「先生、どうしましたか?」
「……さっき、ハロンさんから連絡があって、ミミナが発作を起こして緊急搬送されたみたいなんだ。」
バーモントは血の気が引いた。
「……………本当、ですか。」
「ああ。救急隊員によれば、かなり危険な状態だそうだ。」
「……そう、ですか。」
「大丈夫か?」
アガミ先生は、心配そうに声をかける。
「……大丈夫です。」
「そうか。……危険だと言ったが、そこまで深く考えるな。きっとまた、戻って来ると思うぞ。」
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