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第7航行 休日の過ごし方

毎週末は、学校の休みだ。


実家が近い生徒は、たまに帰る事がある。

それ以外は、大体寮で過ごす。


割かし実家が近い方に含むギンガだが、入学してからは一度も実家には帰っていない。


理由は特には無い、訳ではないが……長期休みしか帰らないと母と約束したからだ。

いずれは自立した生活を送る事にはなるから、今のうちに母と離ればなれの状態に慣れておこうと言うことだ。


母が作る料理が食べたいときもあるが……そこは我慢。


休みの日は、大抵ルームメートのマガイロと共に行動する。


▪▪▪


「ギン、ちょっと外出に付き合って貰ってもいいかい?」

ある日の休み、マガイロはギンガを誘う。


「別に構わないけど、どうしたんだい。」


「ちょっと買い物をしたくてね。……一人じゃ寂しくて。」


「分かったよ。」


ご飯の時にファストフード店を使う時や、ちょっとした買い物などは「外出許可の札」と言うものを寮長から受け取る。


「二時間で戻ってきてな~。」

「はい!」


男子寮の寮長、リサガさんから札を受け取り外へ出る。

その足で、地域最大級のホームセンターへ向かった。


「このお店、なかなかいい品揃えだよな。」

ふと、ギンガが言う。


「おう。親父も、この店で仕事道具を揃えているんだ。」


「仕事道具……もしかして?」

マガイロは頷いた。


▪▪▪


工具の売り場に来た。


「………あった、これだ!」

マガイロは、とある工具一式セットを手に取った。


「これ、ミタバ工具会社のじゃないか。」


「よく知っているな。……学校のも、これの系列の工具なんだがな。」


「……でも、どうしてこれを?」


「学校のモノでも良いんだがな、やっぱり自分で使うモノは持っておかないと。」


工具一式の会計を済ませると、学校へ戻る。


「………しかし、5万ツアン (※) か。結構いい値段したな。」

帰り際、ギンガはふと言う。


「全部揃えると、どうしてもな。……前、父親にちょっと会ったとき『自分の工具を持ちたい』って言ったら、お金を持たせてくれた。」


「成る程……。いいな、父さんが居て。」


▪▪▪


学校近くのとあるパン屋に差し掛かった。

中から、シアラとアミリーが出てきた。

買い物袋を持っていた。


「……あっ、二人とも。買い物行ってたんだ。」

シアラが気がついて話しかけた。


「おう。……シアラ達は、パンを買ったのか。」


「うん。ここのお店のあんパンが美味しいのよ。」

「シアラちゃんが教えてくれて。すっごく気に入ったの!」


確か、この店は『メイメイ堂』と言って、あんパンが美味しいと有名なお店。

あんパン好きのシアラの御用達だ。


「そうだ、このあと皆でお昼食べようよ。丁度いい時間だし。」

シアラが誘う。

……特に断る理由は無いな。


「じゃぁ、食堂で待ち合わせ!」

シアラとアミリーは、学校の方へ走っていく。


「怪我するなよー!」

マガイロが言う。


「はぁーい!」


母さん、僕……毎日が楽しいよ。


▪▪▪


(※) 『ツアン』はこの世界の通貨。

1ツアン=5円換算

つまり、マガイロが買った工具は25万円。お高い。


▪▪▪


おまけ


♪~ 美味しいあんパン食べるならっ

   一度はおいでよ!メイメイ堂!

   皆が大好きあんパンを

   毎日毎日手作りだっ!


   『その他のパンも取り寄せています。

    パン屋と言えば、海近くのメイメイ堂へ。』


「歌なら兎も角、なぜCMの最後のセリフまで覚えているんだ?」


「だって、このCM好きだもの。同 然 で し ょ ?」


「お、おう。」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 自立のために頑張る、か。 なかなか、今どき珍しい真面目君やないですか。 [気になる点] けっこう大金をポンと渡す マガ君のオトンはなかなかの金持ちと見た(; ・`д・´) [一言] コマー…
2021/09/23 17:56 退会済み
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