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第7小節「真偽を探しだす術とは」

 パーチェ王国の現状は防衛目的には明らかに過剰なものである。それを主導したのが今の大臣であるリヴァイ・オーンであること。彼がパーチェ王国を利用して戦争をしようとしているのではないかということ。それらを全てモニカにカイリは話した。

 「なるほど、確かに最近のパーチェ王国は交易は最小限であり中の動きが見えません」

 「それでロゼリア国の真意をお尋ねしたく……」

 「真意ですか?私としてはあなた方パーチェ王国の真意をお聞かせいただきたいものですが」

 「我々パーチェ王国としては戦争となる事態は避けたい所存です」

 「ロゼリア国、いえ他の国々も戦争は避けたいでしょう。それでそのリヴァイという大臣の問題はあなた方パーチェ王国の問題でしょう?それを私が内政にまで干渉してその問題を解決するのはどうかと思いますよ」

 「確かに、パーチェ王国の問題はパーチェ王国が解決するべきでしょうね」

 ファデルがモニカの言葉に反応する。

 「しかしこの問題をパーチェ王国の力だけでは解決出来ないんですよ。だからリヴァイが目の敵とするロゼリア国が戦争の意思がないと証明するしかない」

 「証明とはどのように?」

 「リヴァイの目の前で直接」

 「つまり話し合いの場を設けそこでやるわけですね。危険とも思えますが……」

 「我々が守り抜きますよ、ねえ?」

 ファデルはカイリの方を向く。カイリもしっかり頷き作戦立てが行われる。


 「最も警戒すべきはS型、蛇の警備機械でしょう。素早い動きは車等に乗らねば追い付かれます」

 「耐久性もかなりだったな、威力拡張した爆弾でも破壊できなかった」

 「市街地の制圧を目的に並みの兵器の火力に耐えきる構造だとラム殿は言ってました」

 「ラム殿とは?」

 「ラム・ぺビット、パーチェ王国の軍備強化にあたってリヴァイ殿が引き連れてきた人材の1人、兵器開発を担当している女性です」

 「1人ってことはまだいるのか?」

 「ファデルさんなら分かるかと思いますがあの謁見のまで国王様の後ろに控えていた銀髪の大男フィン・ムドラ殿、国王様を御守りする役目をリヴァイ殿はお与えになりました」

 「つまりリヴァイ含め3人が『我々の敵』となるわけですね」

 「は?はあ」

 「まあ話し合いの場にヘビ型が来るとは思えないが逃げるときも考えれば警戒した方が良いな」

 「ヘビ型は僕がなんとか対応しましょう。話し合いの場で最も警戒すべきは恐らくフィンという男、最悪国王様かモニカ首相を人質にするようリヴァイは命じるでしょうし。その場合護衛につくカイリさんとルルフさんにかかっているわけですが」

 「そういえばお二人はどうする気ですか?今の言い様から話し合いの場に同席するわけではないようですが」

 「部屋の前に待機しますよ、もちろん見つからないようにね」

 「しかし私は……」

 「どうかしたのカイリ?」

 ルルフがカイリの様子が気になり聞く。

 「その、剣が……」

 「あっ」

 「そういえば先ほどルルフがもらった貴方の危険物預け届けには何も書かれていませんでしたね」

 「昨日の際折れてしまいまして」

 「それで手ぶらで来たのかよ?」

 「昨日の今日で剣の事を報告するのを忘れてしまって」

 「い、いやぁそう言えばそうだったなぁ。確かに剣がないのは困るなぁ」

 (なんで自分がやりましたみたいな言い方を……)

 「剣はこちらの方でなんとかできますよ。貴方が持っていた強石鉄(きょうこくてつ)の剣はさすがに無理ですが」

 「無いよりかはましだろ。ん?強石鉄というのは?」

 「パーチェ王国を囲む山脈の砿洞から採れる石で鉄よりもはるかに強いからそう呼ばれているんです。採れるといってもかなり希少なんです」

 「それを丸々一本の剣に打ったのかよ、全く金のかかったことを」

 「だから国宝として扱われていたのですが国王様が飾ってるだけの剣なんてなんの役にも立たないからと私にくださったのです」

 「なるほど、確かに使わずに腐らすよりはカイリさんのように剣の扱いに長けた者が持つ方が良いでしょうね」

 「私なんてそんな、ファデルさんにも全くかないませんでしたし」

 ()()()

 「?。いや君の戦い方は僕にとって相性が良かっただけですよ」

 チリン

 「だろうな、俺も力任せに戦うだけだからファデル君のようなのを相手にすると大苦戦だよ」

 チリン

 「いえ、」

 チリン

 「決してそんな……」

 チリン

 「ん?どうかしたか?」

 「警告じゃない、救援要請?そんなことが……失礼、この建物でしばらく使われていない部屋はありますか?」

 「それなら地下の資料室かしら?」

 「いえ、そこは最近整理をしに何人か出入りしましたよ」

 「でも普段使われていないことには変わりないわけですね」

 「そうね、でもそれがどうかしたの?」

 「その部屋に案内してください」


 地下の資料室に来たファデルは部屋に入ると部屋の真ん中に立って目をつむっていた。

 「何をしているんですのあれ?」

 「さあ、だが何かあることに違いないはずだ。ファデル君は勘が鋭いからな」


 少ししてファデルは資料室の少し入り組んだ先の壁に手を当てる。

 「この壁、少し壊しますよ」

 「え?ちょっと!?」

 ルルフが止める前にファデルは壁を殴り付けた。壁にゆっくりと亀裂が入り崩れ落ちる。壁の穴は人が通れるほど広がった。

 「やっぱり……」

 「通路か」

 穴の先は暗かったが確かに路があった。

 「そんな……」

 一本道だったがそれなりに長く続いてる。

 「どうしてこんな……設計図にもこんな通路は無かったのに……」

 「おそらく最近()()()()()()()だろうな。さっき言ってた資料の整理とやらに乗じてな」

 「でも何故こんな通路なんか」

 「通路を持ってきたのはこの先にある何かの様子を定期的に確認するため、定期的に確認をしなければいけない何かなんてなんらかの装置か人間、その両方という可能性もあるが果たして……」

 通路の終わり、扉がある。鍵はかかっておらず扉を開けた先のその空間の中を見て3人は息を飲む。


 1日が過ぎて次の日、早朝にモニカ首相を乗せた車が官邸を出発し、2台目の車がその後に続く。

 「ファデル君、君の装備はあるのか?」

 「ええ、機械兵から回収していじった剣と銃が」

 「やはりそれだけか、君の借金の事は知っていたがそれが原因でこれじゃ本末転倒だろ」

 「そうですね、さすがに今回にこりてこれからはちゃんと考えますよ」

 「だと良いがな」

 そんな会話を聞きながら()()()()眠りだす。

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