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そして、また笑ってく  作者: ソラ
8/13

俺、嵐の予感は基本外さないんです②

モモはこの頃一切帰ってこない。

帰って来た気配もない。

俺の一人暮らしの部屋だったっけ?

と、いうほどに人の気配がなかった。


【大丈夫か?】

と言おうにもモモのveil(トークアプリ)もメアドも番号も知らないことに気がついた。


抜け殻のモモのベットを見ては、何やってんだか。と頭を悩ませ、ここで寝るかーというプランが頭をよぎるけれど近くまで行ってそれをやめる。


華金。やっぱり抜け殻のベットを見てから寝た。


バタン


何かが崩れ落ちる音がした。

時刻は真夜中。

え?新聞?幽霊?

恐る恐る音のなる方へ向かうと


「モモ!」


靴を履いたまま、倒れ込んでいる。

「モモ?どうした?おい、おい!」

返事がない。目も開けない。頭打ったかー?

そう思った瞬間


「グアーーー」


いつものモモのいびきだった。なんだ寝てんじゃん。そのまままたお姫様抱っこをして、コートを脱がせた。何日もシャワーを浴びていないのだろう。髪はベタベタ。服もなよなよ。モモって、こういうのいけるタイプなのか。

俺はダメ。服も下着も靴下も1日だって同じなのは耐えられない。


モモのお腹が鳴る。


まぁ、予想はつく。多分、仕事だ。

モモは相当稼いでいるのだろう。

どんなブラック企業かも、

職業も、職場も、知らないけれど。


服を着替えさせたかったけど流石にそれは気が引けたからそのまま俺も寝た。



朝8時。いつもならとっくに出社する時間。

俺は土日休みだから良いけれど、

モモのブラック企業は休みなのだろうか。


まぁいい、流石に一週間ぶりくらいに帰ってきてぐっすり寝てるところを起こすわけには行かないだろう。

そのまま寝てるモモはほったらかしにした。



ピルルルルルル


土曜日の14時。

電話が鳴る、固定電話。

流石に俺が出るわけにはいかない。

番号を見ると、それは登録されているようで、

【シュウコサン】と書かれていた。


着信音の二回目でモモは飛び起きて電話に向かった。

「はい」

重い目をこすりながら言う。

「あっ!!」

驚いた様子。

「大丈夫です。行けます。明日。はい。」

明日の予定か。俺も暇だ。

「それでは、明日。はい、はい。」

電話を切った。


「忘れてたーーー」


割と大きい声でモモは言った。


「玄、ちょっと私、買い物行ってくる」

あ、ああ、そう。

「いや、待て待てモモ。」

は?何?忙しいんだけど。心の声が聞こえた。

「流石に飯食え。あとシャワー浴びろ、着替えろ。服出しとくから。」

あ、なるほどね。こくんこくんと頷いた。



帰ってきたモモは両手にたくさんの紙袋を持っていた。


中身を聞いたりはしない。

だってまたナプキンだったら怖いし。



次の日、日曜。俺が7時に起きるとモモはもう起きていた。


そして、スーツを着ていた。


「え??結婚式?」

驚いて俺が聞くと、

「いや、卒園式。」

普通に答える。

「ふーん、弟?妹?姪っ子?甥っ子?」



「娘」


へー。娘いるんだ。え?え??


「娘ぇーーーー!?!?!?」

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