科学と置き土産?
どもども、手に取って頂き誠にありがとうございます。
今回は、二人の会話がメインですのでよろしくです。
キーンコーンカーンコーン…
さぁ、2時間目の授業を始めよう。
[2時間目:科学。]
「えー今日はね、蒸留水の作り方を説明してから…」
白衣を着てキメ顔をしながら黒板に電気融解の式を書き連ねている小太りのおっさんが1名。それを、面倒くさそうに聞いているクラスメイト達。
「きょー君ッ!きょー君ッ!」
全く、飽きたように京介に声をかける光希。京介は面倒くさそうに教科書を閉じて応じる。
「あぁ?なんだ?教科書また無いのか?」
「違くてッ!えーっと、違わないけどッ!」
ほら見ろ…と、呆れ半分の顔をする京介。
「うぅ、だってぇ。」
「光希、何がしたいんだ?」
「きょー君とお話ッ!先生の話つまんないもん…」
うん、ご最もで…
「大学で講師するのとは訳が違うのにバカなんじゃないか?と、俺も思ってた。」
「だよねぇ?だから、きょー君と話しして時間つぶし!」
「俺が怒られるだろ」
学校あるある。男教師は女子生徒を叱らず男生徒に当てつけをする。反対に女教師は女子生徒ばっかり怒るが男子生徒にはいい恰好をする。以上のことを踏まえ言わせてもらおう。
「光希が悪くても俺が悪くなるんだ。それに、前に話したこと忘れたのか?」
「だから、私が苦労するんでしょ?きょー君が早く私にデレてくれないと、一生つきまとうよ?」
「なにが”だから”だ!俺はもう恋心とか信じない。ってか、女すら信じない。まぁ、光希は特別だ。友達程度には思ってるが、それ以上でもそれ以下でもない!わかったな!!」
「はいはい。きょー君はツンデレだネッ!」
言い方がまぢうぜぇ…と、思うが言わない。だが、
「おれ、一生独身でもいいかな。ってか、光希は可愛いんだからサッさと男でもなんでも作って俺の元から離れてくれ。」
「そーはいきませんーッだ!」
最初は小声で言い合いだったがいつの間にか声を大にしてギャーギャー言い合っていた。そして、見兼ねた先生が声をかける。
「二人共うるさいですよ!静かにできないなら、二人共出ていってください!」
『すみません。』
どうやら、この先生は対等ないい人らしい。
「じゃぁ、八木さんこの問題解けたら許しましょう。」
「えっ!?えーと…」
縋りつくように京介を見つめる光希、京介は面白半分でいじりだす。
「頑張って!八木さん!(笑)」
ガーンッと擬音が聞こえそうな絶望顔をする八木さん。だが、どんな顔をしても可愛いのが凄いところだな。
「…すみません、わかりません。」
「はぁ、全く。ちゃんと真面目に聞いててくださいね?」
「はぃ…。」
「じゃぁ、次は柳江!お前だ!お前なら解けるよな?」
「チッ、前言撤回。この教師くそ意地汚い。」
「何か言ったか?」
「いえ?なにも?」
横で爆笑を必死にこらえている光希…
「頑張って!柳江くんwww」
こいつ、後で泣かそう。
「えーと、Cuですよね?」
「おぉ、正解だ。ちゃんと聞いてるのか、凄いじゃないか!でも、私語は慎みたまえ?」
「はい。以後気をつけます。」
おぉ、とクラスの中から驚いた声が響き渡る。こんな超簡単問題が分からないとか、コイツら頭沸いてんのか?と、思うが
(わからなくて当然なんだよなぁ。)
なぜなら、この教師の説明が難し過ぎるのだ。だから、簡単な問題でもわからなくなる。と、思っていると案の定。光希がむくれている、
「何であんなに話してたのにわかるのさッ!」
「問題内容見たらすぐ分かるだろ?」
「天才みたいな発言されても困るんだけどぉ?」
ご立腹だな、こいつは…
「勉強なんてしなくても教科書とか眺めてたらわかるだろ?」
「むぅ、帰ったら教えてよねッ!」
「へいへい。」
光希はそう言うと機嫌を取り戻したらしい。夕立みたいなやつだな……あ、夕立ってのは艦〇れの「ぽいぽい」言うやつじゃない。天気のみたいに気分がコロコロ変わるやつだなって事だ。
「さて、授業ももう少ししたら終わるな…」
「次の時間割なんだっけ?」
次の授業か…なんだっけかな?
「忘れた、2ヶ月ぶりに来たからな。他のやつに聞いてくれ。」
「なんで、ほかの人とは会話しようとしないの?」
「それ、素で言ってる?」
んー?と、頭をひねる光希、考え事をする時のこいつは妙に愛らしい。
「あ、ごめん。」
理解が追いついたようで何よりだわ。
「いや、次からは気をつけてくれよ?光希しか味方がいないんだから。」
もう、友人だったやつとも話す気すらない京介。
「それは、デレですな?」
「ないない。」
「もぅ、ツンデレしちゃってぇ」
「ま、なんでもいいんだがな?」
「ふーん?」
と、暇つぶしの時間は終了だッ!と言うかの如く睡眠妨害の一番の敵が発狂しだす。
『……ジジッ…キーンコーンカーンコーン』
大体、めんどくさい授業が終わる時は騒ぎ出すバカが居るものだ。
「よっしゃッ!やっと終わった!」
ほれみろ…言わんこっちゃない。先生からの一喝が来るんじゃないか?とか、思いつつ先生の方を見やると…
「うーしッ!授業終わりッ!んじゃ、この問題を宿題にしとくからなー出来なかったやつは宿題の量倍にしてやるからなーハッハッハーッ」
先生…あんたもクラスの馬鹿どもと同類ですか…、嬉しそうに教室を出ていく先生。だが、しっかり置き土産は残してあるようで…
『……まぢで?』
今回の宿題はこいつらには難しいようだ。
「ねぇねぇ、きょー君?」
「なんだ?」
「しゅくだ…「自分でやることを覚えろ。」…はぁぃ…。」
「その程度でムクれるな、教えてやらない。とは、言ってないだろ?」
「やっぱ、きょー君優しぃ~♪」
また嘆かれでもしたら鬱陶しいからとか言えねぇな。
さて、3時間目は何だったかな?
読んでいただきありがとうございました!次回は、ブレイクタイムと言うことで休み時間のお話を書きたいと思いますッ!では、次話でまたお会いしましょう。