一匹狼とぱそこん
【ユウ視点】
突然だが、私は、今、人生の岐路に立たされている。
・・・・・いや、流石に言いすぎだが、それくらい重要なことだ。
パ ソ コ ン が 動 か な い !!!
私の好きなアーティストの動画でも見るか、と思ってパソコンをつけた矢先の出来事だった。
インターネットにつながらなく、画面もそのまま。
おまけにマウスも反応せず、無理やり電源を切ったら変な画面が表示される始末。
「・・・・・・・・・・なんで全部英語なんだよ、ここは日本だ。」
そう言いたくなるレベルで私は詰んでいた。
かろうじて読めるWindowsの文字。それ以外は読めないからWindowsだけ読めても何の意味もない。
読めないから仕方ないとは言え、なんだこの敗北感・・・
っというか私はどうしたらいいんだ・・・
「どうしたら・・ってどうしようもないよな。」
私はパソコンをそのまま放置して、リビングのソファに寝転がった。
寝て起きたら直ってますように・・・
そんな叶いっこない望みを願いながら・・・
--------カタ、カタカタ--
--------------カタカタカタ---
何かをリズムよく叩く音で、私の意識は浮上した。
いったい何なんだ・・・と思いながら当たりを見回すと・・・
見覚えのある後ろ姿が、私の目の前にいた。
いや、目の前というより、私の前に置いてあるテーブルの上のパソコンの前、だな。
っていうか、なんでシズクがここに・・・?
まあどうせ、暇だからとかそんな理由か。このぼっちめ。
というか、そのパソコン今使えないぞ?いったい何して・・・「よし、」
・・・・・え?
「あ、ユウ。起きたのか。」
「あ・・・うん」
私は動揺して、上手く返事が出来なかった。
「俺が来た時爆睡してたぞ。そんなに眠かったのか?」
シズクはいつも通り、微笑(一般的に見たら無表情)で、今だ寝転がったままの私に問いかけた。
「いや・・パソコン使えなくて・・それで寝た。」
「ああ、それなら今、直ったぞ。」
間髪入れずに言われた言葉に、私はまどろみの中から一気に覚醒した。
「直った・・!?あのパソコンが、か?」
「ああ、少しいじっただけで割と簡単に直ったぞ。」
「お前は神か。」
あれ、このセリフなんかデジャブ・・・まあいいか。
今はそんなことよりパソコンが大事だ。
「ほんとだ・・・直ってる・・。」
シズクに言われた通り、パソコンはいつもと同じ画面、しかも普通に起動していた。
すごい・・そんな簡単に・・・
「すごい・・・ありがとうシズク。ほんとにありがとう!」
私は自然と笑顔でシズクに告げた。
するとシズク一瞬目を見開き、私に背を向けた。
あれ、これもデジャブ。
・・・うん、まあ分かってはいたけど何気にダメージ来るんだよ?シズク君。
「・・・どういたしまして」
シズクはそっぽ向いたまま、ぶっきらぼうにそう言った。
そのとき、シズクの耳が赤かったのは気のせいじゃないと思ってる。
本人に聞いたら拗ねそうなので言わないけど。
というか、寝て起きたら直ってますように・・・っていう願い、叶っちゃったよ。
シズクによって。
シズクはほんとに神じゃないのか・・?なんて、どうでもいいことを考えながら、私は早速インターネットを開いた。
文章ペラッペラだお\(^ω^)/
私も詰んだ。