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「はいはーい!みんな落ち着いてー!いくら2人が素敵メンズだからって、いきなり襲っちゃダメだよー」


朗らかで楽しそうな声はとても魅力的で、それまで騒いでいたみんなが一斉にその声の主を振り返った。

そこにいたのは、大きな瞳をキラキラと輝かせた女の子。


女子にしては少しだけ高めの身長と小麦色に焼けた肌。髪の毛は茶色のショートボブ。

外見からして明るく、顔には満面の笑みが浮かんでいる。


「あらら。今度は私が大注目?梁川亜海やながわ あみ15歳!ヨロシク~!」


皆の視線をものともせずにビシッと敬礼した彼女は、目が合った吉埜に片目を瞑る天性の陽気さを見せ、その瞬間からクラスのムードメイカーとして確定した。


…まるで自分の女子バージョンを見てるみたいだな。


どことなく似た性質を感じ取った吉埜は、その時点で亜海に親近感を持った。


「ヨロシクな、姐御。俺は渡来吉埜。こっちは古賀静流。古賀は俺と違って優しい性格だから、あんまり苛めんなよ?」

「ちょっ!アネゴって私の事?!」


吉埜と亜海のやりとりに、全員が爆笑する。次々に「姐御!」と呼ばれはじめた亜海は、「いーやー!」と頭を抱えて唸りだした。

みんなが更に爆笑したのは言うまでもない。


どうやら、このクラスはノリの良い人間が集まったようだ。横で古賀も笑っているのを見て、吉埜は込み上げる嬉しさを独りこっそりと噛みしめた。


その後に姿を現わした担任の河野こうのは、初日からワイワイと盛り上がっている生徒達を見て呆気に取られたとか…。




高校生活の初日は、恒例の自己紹介から始まり、それが終わると次は身体測定が待っていた。


「古賀静流、182センチ」

「でかッ!」


思わずといった調子で周囲から上がる声に、言われた本人は控えめに…そして恥ずかしそうに微笑むだけ。

既に古賀は、クラスの癒し要員に認定されていた。


「渡来吉埜、170センチ」

「お、伸びてる」


吉埜は、一年前より5センチも伸びていた事を知り、喜びを隠しきれない。


「梁川亜海、162センチ」

「あれ?変わってないや」


横からブツブツと不満そうな声が聞えてきたが、吉埜にしてみれば、それ以上伸びるな!と言いたい。というより願いたい。

亜海の背が今以上に高くなったら、絶対に弄られそうな気がする。


古賀までとは言わないが、目標は175センチ。頑張ってあと5センチ伸びてくれ。


自分の骨にそんな気合いを入れていると、何やら横から女子達の歓声が聞えてきた。


「あ!理子ってば体重少なッ!しっかり食べないとまた倒れちゃうよ?!」

「藤川さんって日本人形みたいで可愛い~!」

「身長は…158か…。うん、これは平均だね」






共学高校なので女子も登場します

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