aaa組
転校生、梨花のなぞが、解き明かされる。
「私がいじめられているのを、クラスのみんなはだまってみていたの。見てみぬ振りされるたびに、自分は生きてていいのかなって。クラスの中での私の存在ってなんだろうって思ってた。でも…でも私は、頑張って今まで生きてきたの。親の転勤が、決まってここに転校してきた…。だから…だから…」
「分かった。分かったから、もうその後は、いわなくていいよ…。梨花ちゃんもつらい思いしてたんだね。でも…だからこそだよ。私には助けをもとめられる人なんていない。気持ちだけ受け取っとくよ。」
私は、夢原さんのせつなさそうな顔に耐え切れなくて、席に戻った。
席に付くと、隣のイケメン君…生徒会長が、私にいった。
「大丈夫?涙でてるよ?」そういってハンカチをくれた。
私は、生徒会長からうけとったハンカチで、そっと涙をふき取った。
「…守ってあげるから」
生徒会長が、私の耳に何かささやいた。
でも早すぎて、語尾の「「守ってあげるから・・・」」という声だけしか聞こえなかった。
「あの、洗って返すね…ハンカチ。」
「大丈夫だよ。美しいレディーの手をわずらわすには及ばない。」
生徒会長がそういうと、私の顔は真っ赤になった。
「でっ…でも悪いですから…」
「梨花ちゃんはいいお嫁さんになりそうだね。」
うううううううううううーーーーーーーーーーーーーーーーーんんんんんんんn。
何?!この気持ち。
つか、おまぇはホストかよ。
「とっ…とにかく洗ってきます!」
ハンカチに目を落とす。
ハンカチのタグに名前が書いてある