第1話
私は、この私立星空学院の中等部に転校してきたじ上ヶ埼梨花。
そろそろ一ヶ月になるのに、なかなかクラスになじめない…。
でも、唯一気が合いそうな人は、優しくて美人の夢原さん。
あの、さらさらの髪の毛にパッチリ開いた大きな瞳、誰もがあこがれるほどのばっちり決まったスタイ ル。
そう、出会いは忘れもしないあの日、転校初日。
「わー。かわいい子きたーっ。」男子が、ザワツイテタ。
(かわいいってまさか、私のこと?!)そう思い、これからの中学生ライフに思いをはせていた。
が、そのざわつきと私の脳内妄想をさえぎるかのように一人の子が歩み寄ってきた。
その子は、初対面の私ににこりと笑って話しかけてくれた。
「ここは、aaa組★私の名前は、夢原 静香。 よろしくね 梨花さん。」夢原さんが言った。
一目見ただけで、あ、この子絶対モテてるなって思った。
その時、
「夢原さん、自己紹介は後でしますので席へ着いて下さい。」
「す、すみません。委員長。」
(いくら委員長でも…ぶりっこしすぎ…)
いらついたから夢原さんに「委員長」と呼ばれた人をにらんでみた。
その瞬間、思わず笑いそうになってしまい、あわてて口を押さえた。
委員長?このドブスが…?絶対にこいつより、夢原さんの方が委員長にピッタリだ…。
ありえない!!ありえなすぎる!!
ありえない、ありえない。ありえない、ありえない。
「ありえない」がわたしの頭の中をぐるぐるまわってるとき
後ろ方のの席の子(確か、新井マナちゃん??)が、小声でつぶやいたのが、耳のいい私には、聞こえた。
「全く…。夢原のぶりっこもいい加減にしてほしいわ。いつか尻尾をつかんでやる。」
怖っ!!なにこの子!!絶対敵にまわしたらダメだ…。
そんなこんなで始まった私の中学生ライフ…。
これから2年間…。
先が思いやられます…。